ソーシャルミッション
私が取り組む社会課題は、「日本の衰退を食い止めること」です。
今、日本では失われた30年が40年にもなろうとしている中で、グローバリズムの大波が、これまで先人たちが培ってきた日本の歴史文化を飲み込み、「オーバーツーリズム」をはじめとする、大きな社会問題が次から次へと押し寄せてきている現状です。
一個人・一企業でこの大きな課題を解決するには、あまりに微力ではありますが、自転車を使ったスローサイクリングツアーを通じて、人が溢れ返る観光地ではない場所を、地元を知り尽くしたナビゲーターとめぐることにより、知らなかった日本の歴史文化を体感し、お互いの価値観を尊重しあえる、真の国際交流が生まれる事業を作っていきたいと考えています。
その事業の一環で、例えばナビゲーターの育成など、新しい世代を担う方々と探求学習型の教育事業を形にしていきたいと構想しています。
この社会課題に取り組みたいと思ったきっかけは、米国留学で日本を外から見た経験、社会起業大学でのスタディーツアー(福島・陸前高田)に参加したこと、そして、地域おこし協力隊(徳島)の活動です。 地域の魅力と課題にリアルに触れることで、衰退する日本を何とかしたいと思うようになりました。
これまで培ってきた海外留学・地域おこし協力隊という経験を生かして、京都・関西、瀬戸内・四国エリアを中心に地域文化を学ぶことができる スローサイクリングツアーというソーシャルビジネスに取り組んでいます。
スローサイクリング(ポタリング)とは、スポーツ性の高い通常のサイクリングとは異なり、町をぶらぶらしたり、地元のお店で買ったものをお気に入りの場所で食べたり、インスタ映えのする美しい景色で写真を撮ったりしながら、「自転車でゆっくりお散歩」をすることです。
私たちは、英国製のオシャレで可愛らしいBROMPTONという自転車にこだわっています。コンパクトに折りたたんで持ち運びすることも簡単なため、公共交通機関と組み合わせた幅の広いツアー企画が可能となっています。
このツアーは、日本より海外の方に人気が高く、利用者の90%が海外の方です。メジャーな観光地だけでは味わえない日本の魅力を楽しんでいただいています。
ツアーの現場でお客様が日本の魅力を感じられ、国際交流を通じて旅の良い思い出をお持ち帰りになられたときに、仕事のやりがいを感じます。 また同じツアーコースでも私自身に思いがけない発見があったり、新しいコース開発の過程で深い学びがあったときです。
これまでは瀬戸内・四国エリアを中心にツアー事業を展開してきましたが、それに京都・関西エリアを加えた広域を結ぶツアーを作っていきたいと考えています。事業の基盤ができれば、次世代の人材育成にも尽力していきたいです。
社会起業大学の10・11期には、下は現役の大学生から上は50代の会社経営者まで様々なバックボーンを持った人たちが同期としており、社会課題をビジネスの手法で解決するということに、それぞれが真剣に向き合って切磋琢磨している「大学」の本来あるべき姿、素晴らしい環境がありました。その中で自分自身を見直すことができ、今の事業の基盤ができたことが良かったです。
問題が山積の世界、そしてその中でも長期の低迷が続く日本。社会課題をビジネスの手法で解決するといっても一人一人の個人は微力で、私自身、何ができるのか起業してからも悩まない日はありません。 しかし一人でも多くの人が、目の前の小さな課題に取り組む積み重ねが、振り返ってみると時代を少しだけ明るくしているだろうことを信じて、今できることに集中し、先人たちに恩返しできるように精進していきます。
社会起業大学第10・11期生
榮 高志さん
株式会社AWA-RE 代表取締役
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アイディア出し・事業計画・マネタイズ...
これでならゼロから実践まで“着実”に進める