ソーシャルミッション
私が取り組む社会課題は、地域のつながりの欠如と、住民の孤立です。
観光地として名高い箱根は、旅行者向けの施設やサービスは充実している一方で、地域に暮らす人たち同士がつながる場所や仕組みが非常に乏しいのが現実です。
移住者や子育て世代、地域で働く人々が、日常の中で自然に交流できる場が必要だと感じました。
この課題に取り組むきっかけは、教員時代に得た経験からです。
地域や人とつながることによって、子どもたちにとって安心・安全な時間や居場所が生まれること、またそのつながりの中でさまざまな課題が自然に解決されていくことを目の当たりにしました。
そうした実感が、現在の活動の原動力となっています。
教育現場での経験、地域活動の現場感、宿泊業の実践力を生かし、
「地域に開かれた交流拠点づくり」
に取り組んでいます。
具体的には、
といった活動を通して、人と人がゆるやかにつながる場を増やしています。
たとえば◯っとでは、子どもたちが宿題をしたり、大人がふらっと立ち寄ってお茶を飲んだり、ボードゲームを通じて世代を超えた関係が自然に生まれています。
「こんな場所が欲しかった」「今まで知らなかった人と話せた」など、地域の人からの声を直接聞けることが最大のやりがいです。
近所に住んでいながらも交わる機会がなかった人たち同士が、新しい関係性を築いていく様子を見ると、地域に小さな変化が起きていることを実感します。
短期的には、◯っとプロジェクトの運営を安定化させ、誰もが気軽に立ち寄れる“まちの縁側”のような場所に育てていきたいです。
放課後の子どもの見守りや、イベント、ワークショップなどを継続的に行える体制を整えます。
長期的には、みたけ旅館や◯っとのような場を拡張し、点と点をつないで“面”としての地域のつながりを生み出したいと考えています。
子どもを中心に据えながらも、大人も自然に関われる「地域全体のつながりの仕組み」をつくりたい。
そうした多世代の交差点を地域全体に広げていくのが最終的なビジョンです。
自分の活動を「社会的な意義のある事業」として言語化し、整理できるようになったことは非常に大きな収穫でした。さらに、全国各地で同じように社会課題に取り組む仲間たちと出会えたことは、活動の継続や挑戦の後押しになっています。
まずは自分の興味や強みを掘り下げ、できることから動いてみてください。
小さな行動の積み重ねが、思わぬ出会いやつながりにつながります。
特に地域活動では、そうした“つながり”こそが最大の資源になります。
行動の中で自分の役割や居場所が見えてくる。そしてその延長線上に、社会課題をコミュニティの力で解決する道があると思います。
あなたなりのやり方で、まずは一歩を踏み出してみてください。
社会起業大学 第27期生
池谷 裕次 さん
◯っとプロジェクト 代表/みたけ旅館 取締役
ソーシャルビジネスを体系的に学び、
自分らしさを生かし
社会貢献する起業家を目指す
豊富な実例で学ぶ
社会起業家入門セミナー