ソーシャルミッション
私が取り組む社会課題は、摂食障害の当事者の孤立化と支援体制の不足です。
近年、摂食障害の患者が増加しているといわれており、国内の患者数は22万人と推定されていますが、医療につながっていない当事者も含めると、潜在的にはより多くの方が困っている現状があります。
多くの当事者は、自責の念や恥ずかしさから、困っている声をあげられず孤独に陥り、治療ニーズの把握や支援体制の整備も、進んでいるとは言い難い状況にあります。
この課題に取り組むきっかけは、私自身が20年以上をかけて、摂食障害から回復してきた体験です。
摂食障害で困っていることを長年、誰にも言えず、孤独を抱えながら試行錯誤する中で、摂食障害が周囲に理解されづらい状況や、専門医の少なさ、社会的支援の不足などを目の当たりにし、摂食障害は個人の問題のみならず、社会の中にも問題があると考えるようになりました。
自身の摂食障害からの回復体験と、コンサルタントとしての経験を生かして、摂食障害の当事者の自助グループの運営に取り組んでいます。
具体的には、当事者が気持ちを分かち合う場としてのオンライントークの運営や、SNSやメディアを通した体験談の情報発信、摂食障害をめぐる課題を社会に発信するためのシンポジウムの開催などを行っています。
私自身、実名で摂食障害の体験を語ることは、恥ずかしさや葛藤もありましたが、私の体験に共感して下さる当事者の方とつながりが増えていくことが嬉しいです。
また、シンポジウム等で社会に向けて声をあげる中で、私たちの活動の社会的意義に共感・賛同して下さる方々と出会えたことも嬉しく、たくさんのつながりに力を頂いています。
摂食障害の当事者が孤独に陥らず、速やかに回復に向かえるよう、当事者がつながる場を持続可能な形で運営していくとともに、困っている当事者の実態を明らかにし、社会に発信していく活動を継続していきたいです。
自分らしいソーシャルミッションをとことん追求できたことが、よかったことだと感じています。
社会起業大学への入学当初は、まさか、自分の負い目であった摂食障害の体験がソーシャルミッションにつながるとは、思いもよらぬことでした。
その中では、社会起業大学ならではのプログラムやワークシートが助けになりましたし、講師の皆さんは、腹落ちできるアイデアにたどり着くまでとことん付き合って下さいました。
また、クラスメイトの皆さんとのディスカッションの中で、有意義なフィードバックをいただく中で、アイデアが洗練できたこともよかったです。
クラスメイトの皆さんとは、卒業後も関係が続いており、切磋琢磨し合える大切な仲間と出会えたことも、ありがたいことだと感じています。
起業に関するノウハウは、ネットや書籍の中にも情報がたくさんありますが、自分らしい生き方につながるソーシャルミッションは、自分自身の中にしか答えがないものだと思います。自分と向き合う作業は時に、生みの苦しみを伴いますが、腹落ちできるソーシャルミッションに出会えることは、幸せなことだと思います。
これまでの人生や、様々な顔を持つ自分を総括・統合し、ソーシャルミッションに昇華させる醍醐味を、ぜひ社会起業大学で体験してみてください!
社会起業大学第25・29期生
江上 彩音 さん
ふくおか摂食障害ともの会 代表
【無料オンライン動画プログラム】
社会起業家へのロードマップ
アイディア出し・事業計画・マネタイズ...
これでならゼロから実践まで“着実”に進める