ソーシャルミッション
私が取り組む社会課題は、急激な高齢化が進むカンボジアにおける福祉サービスの不足です。
カンボジアでは医療の進歩もあり急速に高齢化が進んでいますが、日本のような多様な状況に対応できる福祉サービスが不足しています。この問題を解決するために、日本式の選択肢を提供する福祉サービスを展開したいと考えました。
2016年からカンボジアで医療従事者として働いた経験がきっかけです。
私が働いていた病院は国内でも有数の脳神経外科を有しており、脳梗塞などの後遺症でハンディキャップを負う高齢者の患者様に多く関わる機会がありました。日本では自宅に帰る前の準備として、回復期病棟や介護施設、介護物品など、それぞれの状況に応じたサービスが提供されますが、カンボジアではまだそのようなサービスが充足されていません。そのため、再入院を繰り返したり、最悪の場合お亡くなりになる患者様も少なくありません。
そのような状況を目の当たりにし、日本とカンボジア双方の医療現場を経験している私がこの課題を解決しなければならないという強い思いが芽生えました。
これまで日本で培った医療現場での経験と、カンボジアでの医療現場や部署管理者としての経験を生かし、日本式の選択肢がある福祉サービスを提供しています。
具体的には、家族の絆を大切にするカンボジアの文化に合わせ、患者の自宅での12~24時間の長時間の付き添い介護、日本にもある訪問看護、訪問リハビリテーション、介護物品のレンタルなどを行い、様々な状況にある患者様やそのご家族が安心して生活を送れるようサポートしています。
仲間とともに、カンボジアではまだ充足されていない介護産業の創出に向けて活動する楽しさを感じています。
また、私たちのサービスによって、利用者様が再入院することなく自宅で生活できたり、少しずつ自分でできることが増えたり、既存の顧客から他者へサービスを紹介してもらえたりすることで、サービスの価値が認められていると感じることが私たちの原動力となっています。
より多様な状況に対応するために、施設での介護サービスを展開します。
ただし、家族を施設に預けるという文化がないため、できるだけネガティブな印象を与えないように、家族全員が楽しめる複合施設を作り、カンボジアにおける介護産業の第一人者となることを目指しています。
これまで経験したことのない起業というチャレンジを行う中で、不安を抱えながらも、同じ目的を持つ仲間と学ぶことで、起業への決意を少しずつ固めることができたように思います。
また、普段の生活ではあまり関わることのなかった様々な職種や経験を持つ方々とお話しすることで、自分とは異なる視点からの意見をいただくことができ、現在のサービス展開にも役立っています。
普段の生活の中で、小さなものを含めると多くの社会課題が存在すると思います。自分には課題を解決できるような特別な経験がないと感じる方もいらっしゃるかもしれませんが、自分が生きてきた国、地域、時代などでの生活経験も、社会課題の解決に役立つと思います。
社会起業大学第25期生
中井 祐一さん
Spean Mirai Healthcare services 代表
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