【 ROCKY通信 】第141回 1987年 映画「ウォール街」 行き過ぎた資本主義がカッコ良かった時代 | 【公式】社会起業家を育成するソーシャルビジネススクール 社会起業大学

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【 ROCKY通信 】第141回 1987年 映画「ウォール街」 行き過ぎた資本主義がカッコ良かった時代

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社会起業大学 学長の林 浩喜(はやし ひろき)です。
 

このROCKY通信では、僕が社会起業家の育成・支援に携わっている中での経験や僕自身の人生での学びや考えをシェアさせていただいています。
皆様の起業のお役に立てられましたら幸いです。
 
 

【 ROCKY通信 】第141回
1987年 映画「ウォール街」 行き過ぎた資本主義がカッコ良かった時代

「ウォール街」のポスター

 

1987年、時はバブルの前夜、「ウォール街」は僕が社会人になった年の映画である。時はまさにバブルの入り口。この映画はその後の20年間を予見するかの様な内容だった。昨夜、33年ぶりに観た。そして当時の感想と今回の感想のGAPの大きさに驚いた。

当時はウォール街の主人公である投資家は、「行き過ぎた資本主義」(当時まだその言葉は無かったが)の象徴として描かれていたにも関わらず、当時の若者の憧れのアイコンとなった。しかし今回は、その主人公は単なる悪人にしか見えなかった。時代背景の変化、自分自身の変化がそうさせたのだが、これほどまで解釈が180度変わる映画は珍しい。

 

ゲッコー(マイケル・ダグラス)とバド(チャーリー・シーン)

 

1987年、先に映画を観てきた独身寮の寮友の口コミに触発され、週末に新宿の映画館に1人で観に行った記憶がある。

プラトーンなどでも有名なオリバー・ストーン監督は、行き過ぎた資本主義を批判的に表現したかったのだろうが、バブル前夜というイケイケの時代背景、主演マイケル・ダグラスの冷酷無比だがクールな迫真の演技に、結果として批判色よりも格好よさがフィーチャーされむしろ賛同されることとなった。マイケル・ダグラスは正にハマり役だったと言える。そして本国アメリカだけでなく世界的にも非常に多くのヤングビジネスマンの憧憬を誘ったのは皮肉だった。

 

狂乱のバブル時代

 

当時の世相を目をつぶって思い出してみた。まだ世間がバブルに狂乱する手前ではあったが、総論として人々は明るく、期待に満ち、生き生きとしていた気がする。その狂乱バブルを予知するかの様な映画の主題は、行き過ぎた資本主義への警告とも言えるが、投資家というカッコいい生き方、職業という風に取り違えられてしまった。投資の世界のドリームメーク、金こそがすべてという価値観、モノづくりに汗する人々の軽視といった映画のシーンがその後10年で現実化し、さらにまた10年継続してしまった。

 

主役のマイケル・ダグラスが投資家(乗っ取り屋)ゲッコーとして格好良く描かれていた。そしてそのゲッコーに憧れる若き証券マンとしてチャーリー・シーン扮するバドが若さ故に奔走する。ゲッコーのビジネススタイルを真似て倫理無視のインサイダー取引で昇り詰めてゆく。ゲッコーの対照的な役回りが、バドの父親役でカールに扮するマーティン・シーン(チャーリーの実の父親でもある)だ。真っ当に生きるいぶし銀のブルーカラーを演じている。

 

ゲッコーにとり会社は単なる売買の対象、商品であり、業績を落として苦悶する企業に狙いを定めインサイダー情報を手段選ばず入手し、安く買い叩く。そしてその会社を部門ごとに解体し、高く売れる部門だけを売りさばき儲けを得る。そこには企業再建という発想はない。プライベートジェットを乗り回し、投資で大儲けするゲッコーにバドは憧れ、取り入ることに成功する。ゲッコーの「俺の言うとりにやれば大儲けさせてやる。ビジネスのやり方も教えてやる」という甘言に乗り、違法行為も躊躇せずに実行し大金を手にする。

最後はSEC(証券取引委員会)の摘発で逮捕されることとなり、ゲッコーを裏切り、やっと我に返るのだが、バドが浄化されてゆくシーンよりもゲッコーの派手な振る舞いや金回りのスケールの大きさに観客は惹かれた。

 

当時の多くの若手ビジネスマンはゲッコーのファッションを真似し、クレリックシャツに派手なタイを締め、サスペンダーを吊った。そして似合わない葉巻を燻らせた。米国MBA人気が国際的に大爆発したのもこの頃で、若くして金融で大金を稼ぐヤッピー(Young urban professional)や、ヤンエグ(Young executive)なる呼称も生まれ、多くがそれを目指した。

またDINKSやカウチポテトといったライフスタイルもこの頃生まれた。NYの寿司屋でビールをジョッキ1杯だけ飲んで300ドル払って立ち去るヤッピーや、最新のフェラーリ20台に分乗しタキシード姿で高級レストランに乗りつけ、店を借り切って乱痴気騒ぎするヤッピー達もこの目で見た。

 

映画の中のカール(マーティン・シーン)とバド(チャーリー・シーン)

 

しかし何を隠そう僕自身も、当時は起業家としてイケイケだった不動産王ドナルド・トランプ(彼が30代の頃)やジャンクボンドの帝王マイケル・ミルケンが輝いて見えたし、正直憧れた。

今は社会起業家という対極にある価値観の仕事をしているが、人生のA面B面とは不思議なものだ。今回は父親カールのブルーカラーだが信念を持って真面目に生きるその生き様に惹かれた。「金は仇になる。ほどほどあればいい」という言葉も沁みた。そして虎のようなマイケル・ダグラスよりも、カール役のマーティン・シーンの控え目で落ち着いた演技に目が行った。

まだ人生終わった訳ではないが、自分自身の半生を振り返ってみた。Business Entrepreneurも実際にやってみて楽しかったが、時を経て僕は“Social Entrepreneur”の方が生きがいを感じられ、また自分らしくあれると思うに至った。


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