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社会起業大学 学長の林 浩喜(はやし ひろき)です。
このROCKY通信では、皆さんが、人生やビジネスのヒントとなるようなお話をさせていただければと思います。
皆さんのお役に立てましたら幸いです。

近隣の火事
週末の午後、自宅上空でヘリコプターの旋回音が聞こえ始め、あまりに長く続くのでベランダから上空を見上げると百メートルくらい上空で2機ほど停止飛行していた。嫌な予感がしてグーグル検索すると近隣のマンション火事だった。ヘリはTV中継していたようだ。

昨年末の香港火事(引用:AMNESTY INTERNATIONAL JAPAN)
昨年香港で高層マンションの大火があり、毎日のように報道されていた。161人が命を落としたという。アジア最先端都市香港での出来事はとても他人事とは思えなかった。真っ先に頭に浮かんだのが日本のタワーマンションだ。いまや都市部で生活する現役世代の憧れの象徴。何人かの友人のタワマンに遊びに行ったことがあるが、部屋からの景色はあまりに美しくまるで高級ホテルのようではあるが、何となく落ち着かなかった。TVニュースでは、日本のタワマンで香港のような大火災が起きたらどうなる?の問いに建設コンサルタントの方々がゲスト解説をしていた。どの局の解説者も、日本は個々の住戸がセル状になっており、延焼しにくい仕組みとなっているからあのような事態は起きえないと明言していた。理屈上はそうなのだろうし、行政も厳しい審査を経て建築許可を下したわけだから形式的には問題ないのだろう。しかし何をもってしても絶対的な保証があるわけではない。以前ロキ通(268号)でも書いたが、一大事故となった火事をライブ体験したことがあるだけに、コトはそう単純ではないという気がしてしまうのだ。

タワーリング・インフェルノ
タワーリング・インフェルノという映画をご存知だろうか?ジョーズ(巨大サメが人間を襲う映画)なんかとともに、1970年代のパニック映画と言われるカテゴリーの代表作だ。サンフランシスコの新築138階建ての高層タワーが完成し、そのお披露目パーティーの最中にビルが大炎上するという話だ。タワーリングとはそびえ建つ、インフェルノとは地獄という意味だ。小学6年の時だった、前宣伝が大々的だったのでクラスメートの間でもよく話題になったのを覚えている。今回、半世紀を経て初めて見た。香港大火があったからだろう、NHKが年始にBSで放映してくれた。切迫感溢れるパニックストーリーや豪華キャストの話には深入りしないが、映画を観終わっての感想は3つあった。1つは半世紀前の映画ながら、これは現実未来を予測したものだという事。2つ目はいかに科学が発展しようとも、人間が創るものに完璧は無いという事。3つ目は建物はデザインも大切だが電気系や給排水系といった見えないところこそ大事だという事、だ。これらは万事に通底することだと思う。映画の最後のシーンでスティーブ・マックイーン扮する消防士が「いずれこの手の事故で、1万人以上が命を失うことになるだろう」と予言したが、背筋にブルブルっと来た。ケースは異にするが、NY9.11の際に命懸けでワールドトレードセンターの就労者救済の最前線を奔走した消防士たちのことも映画を観ている最中に脳裏をよぎった。
週末の近隣火災では、僕とそう歳の変わらない男性が1人亡くなられていた。出火原因はまだわかっていないそうだが、建物ごと延焼せずにすんだのは不幸中の幸いだったかもしれない。その方は火と煙に巻かれたとき、どういう状況だったのだろうか?玄関ドアから出さえすれば助かったであろうが、結局それが出来なかったのは何だったのだろう?もし自分なら家人を逃がした後、身一つで飛び出るか、幾ばくかの家財を持ち出そうとするか、一瞬迷うかもしれない。いや情けないな。当たり前ながら、あらためて思った。日々の生活自体に、致死リスクが潜んでいるのだなと。天災でなくとも、自分の意思だけでどうにもならないリスクは日常に多々あり、それも人生の一部をなしているということだ。運命は神のみぞ知る、です。合掌
ROCKY通信(第268回) 猛火の記憶 小田急引火事故
