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起業家の挑戦!バスが運ぶ社会貢献を目指して

谷島 賢 氏 

イーグルバス株式会社 代表取締役社長
谷島 賢 氏 

1954年埼玉県生まれ。英国国立ウェールズ大学大学院MBA卒。現在埼玉大学大学院理工学研究科博士後期課程在籍中。1978年東急観光株式会社に就職を経て、1981年にイーグルバス株式会社入社・イーグルトラベル株式会社入社。1996年イメディカ株式会社を設立され、社長に就任し、2000年イーグルバス株式会社代表取締役社長就任。2009年イーグルトラベル株式会社代表取締役社長就任。2011年関東運輸局選定の初代『地域公共交通マイスター』に選出。2012年日経BP社が表彰する第11回「日本イノベーター大賞」優秀賞受賞。

バスが運ぶ社会貢献を目指して

文:第7期生 高野 真悟 編集:社会起業大学

【会社概要】

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イーグルバス株式会社は、公共性の高い交通インフラである、バス事業を通して、社会問題を解決しながら、利益の出せる会社を目指す、社会的企業である。
同グループ会社として、観光事業を手掛けるイーグルトラベル株式会社、福祉事業のイメディカ株式会社があり、3つの主要事業を軸としている。

また、既存のバス事業における課題を解決すべく、ハード面、ソフト面、プロセス面の見える化を図り、ダイヤ最適化システム、路線最適化システムを自ら構築、自社の経営改善を行うとともに、他のバス会社へのコンサルティング事業にも乗り出している。

さらに、地元埼玉県の地域活性化にも貢献するため、自治体、地元企業、地元商店街、大学等、多くの組織と連携し、小江戸川越を盛り上げる様々なプロジェクト(小江戸川越ライトアップイベント、川越きものの日、等)も立ち上げている。

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【バス会社の現状、バス離れの要因(課題)】

日本のバス業界の現状として、全国における約75%の乗合バス事業者は赤字という事実がある。その結果、毎年、約2000kmの路線が廃止されている。その原因として、自家用車の普及、少子高齢化等、バス利用者数の減少に繋がる社会環境の変化がある。
また、公共性の高いユニバーサルサービスとしてのバス事業に対する国の補助金制度(赤字補填式)等の影響による、経営努力不足が誘発されていた。2000年、貸切バス事業に関する規制緩和に伴い、新規事業者が参入し、採算性の高い事業領域のみ競争原理が働き、不採算路線の維持による利益構造に影響を受ける。

その後、長距離バスによる事故多発を受け、2010年、貸切バス事業に対する、安全確保対策の是正勧告が入り、2011年、補助金制度も事後補填方式から、事前内定方式に変更されるなど、徐々に変化、改善が図られている。
一方、バス業界全体、各バス事業者に起因する課題として、約100年前に始まったバス事業において、ビジネスモデルが変化していない(改善されていない)ことや、バス事業の特性として、バス運行中の状況が見えにくく、管理されていない等、依然として様々な課題を抱えている。

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【イーグルバスの取り組み、特徴、今後の展望】

イーグルバスが経営課題改善の取り組みとして、最初に着手したのが、路線バス事業の見える化である。具体的には、GPS機能や乗降センサの導入により、バスデータを取得、運行の見える化を実施。車内アンケート、住民意識調査等による顧客ニーズの見える化。運行状況とコストのバランスを評価・分析し、コストの見える化を測った。さらに、PDCAサイクルの導入による改善過程の見える化も実施した。
その結果、独自の路線バスダイヤ最適化システムを構築、さらに実証を重ね、3年間の継続改善モデルとして、再評価により事業改善を行っている。

また、地域をいくつかのゾーンに分け、各ゾーンの路線最適化を実施、ゾーン内同一料金という新たな料金体系の導入した。ゾーン間においては、ハブ化されたバス停を設置、そこに、コンビニや病院等、地域住民(特に高齢者)が利用しやすい、アクセスしやすい広域サービス事業との連携を図った。

地域活性化活動の一環として、行政や公的機関に頼らない、民間事業者による地元川越の観光おこしにも参画。小江戸川越ライトアッププロジェクト、川越着物の日の制定、川越国際観光地プロジェクト等などをおこなっている。その結果として、生活路線バスに、観光客を取り込むことに成功し、バス事業への収益改善にも繋がった。

今後の展開としては、独自に構築したダイヤ最適化システムを使い、同業他社へのコンサルティング事業を開始、国内での広域連携を目指す。また、運転士配車における最適化システムの導入等、更なるIT化の促進。アジア諸国への新バスモデルを展開することにより、途上国における交通インフラ整備の支援、雇用創出等に寄与することにも挑戦中。

【講義を受けて】

これまで、製造業等では、当たり前に行われてきた改善活動(PDCAプロセス改善、システム化等)を、バス事業用にカスタマイズしながら取り入れつつ、サービス工学という、事実に基づくビジネスノウハウと仮説・検証を繰り返すという新たなモデルを生み出し、自社だけでなく、バス業界全体の改善に取り組まれている。また、これまで多くの人に助けられてきたことを忘れず、社会的な企業としてあり続けるという熱い思い。このデジタルとアナログ、理論と理念の融合こそが、新たな価値を創造するすべての源にあることを強く感じた。


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