メールマガジンご購読者のさま
こんにちは!
社会起業大学 事務局の辻 正登(つじ まさと)です。
このメールマガジン「SEC流ビジネスプランニング」では、
「社会起業大学(SEC)メソッドによる事業計画の創り方」を、実際の授業内容を基に具体的に解説していきたいと思います。
皆さまが、社会起業家という生き方・働き方を実現する、そのお役に立てられましたらとても嬉しいです!
3C分析、ビジネスドメイン(事業領域)策定までやってきました。
続いては、「ポジショニング」について解説していきます。
自分自身の顧客にとってどんな存在と位置付けるか、
ビジネスドメイン策定をより深めるためにとても大事なポイントになります。
ここで用いる手法が、「 STP分析 」です。
STPとはそれぞれ、
Segmentation(セグメンテーション)
Targeting(ターゲティング)
Positioning(ポジショニング)
の頭文字を取ったものです。
このSTP分析を通じて競合と差別化されたポジションを確立していきます。
それぞれのポイントを整理していきましょう。
Segmentation(セグメンテーション)
不特定多数の人々がいる中から、市場(顧客)を特定するために属性(年齢、地域、ライフスタイル等)で細分化します
Targeting(ターゲティング)
セグメンテーションで細分化した市場の中で、特に自分が対象としたい標的市場を決めます。
Positioning(ポジショニング)
標的市場の顧客の頭の中にあるニーズを想像し、競合とは違う価値を提供できるポジションを決めます。
ポイントとしては、ポジショニングの際に用いる2軸に、どちらもメリットになる対立軸を置くことが大事です。
さて、では事例でご一緒に考えてみましょう。
今回は、ヘアカット専門店の「QBハウス」で考えてみたいと思います。
ご存知の方もいらっしゃるかと思いますが、
シャンプーなどのサービスは含めずカットのみに特化したヘアカット専門店です。
カットの所要時間は約10分、価格も1,200円でサービスを提供しています。
それでは早速、QBハウスで、STP分析をしてみましょう。
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Segmentation(セグメンテーション)
まず市場は、理美容市場になります。
それを下記の通り「年代」と「性別」でセグメンテーションし、6分割します。
年代:10~20代、30~40代、50~60代性別:男性、女性
Targeting(ターゲティング)
その中でQBハウスがターゲティングしたのが、30~40代男性です。
Positioning(ポジショニング)
そんなヘアカットしたい30~40代男性におけるポジショニングですが、2つの対立軸として下記を設定します。
価格軸:リーズナブル or ラグジュアリー
時間軸:手短に済ませたい or 丁寧に髪を整えたい
すると、QBハウスはこの中で、
「リーズナブルで、手短に済ませたい」
というニーズに応えるポジションを取ったことがわかります。
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いかがだったでしょうか?
自分自身の差別化をより深めて考えるためには、
「 STP分析 」で可視化し考えていくことがとても効果的です。
ただし、一度行って終わりではありません。
市場は日々移り変わり、顧客ニーズも競合のサービスも日々目まぐるしく変わっていっています。
ぜひ、定期的にSTP分析を行って戦略を見直していってくださいね。