メールマガジンご購読者のさま
こんにちは!
社会起業大学 事務局の辻 正登(つじ まさと)です。
このメールマガジン「SEC流ビジネスプランニング」では、
「社会起業大学(SEC)メソッドによる事業計画の創り方」を、実際の授業内容を基に具体的に解説していきたいと思います。
皆さまが、社会起業家という生き方・働き方を実現する、そのお役に立てられましたらとても嬉しいです!
3C分析で、競合にない自分ならではの特徴を見出したら、
続いては、「ビジネスドメイン」を設定していきます。
「ビジネスドメイン」とは、事業領域とも言い、
業界や規模も含めどんな事業領域にフォーカスするかを定めます。
この「ビジネスドメイン」の設定についてですが、
以前解説した「ソーシャルドメイン」と近い考え方です。
つまり、
「誰に」
「何を」
「どのように」
の3要素で創られます。
ただし、対象として考えるポイントが異なります。
「ソーシャルドメイン」で考えた
自分が役に立ちたい「社会課題の当事者たち」
ではなく、
「ビジネスドメイン」では、
自分のビジネスに対価を支払う「顧客」
が対象になります。
「ソーシャルドメイン」「ビジネスドメイン」共に
対象が同じ場合ももちろんありますが、
ソーシャルビジネスの場合、異なるケースも多いのです。
その他も少し違いがあるのでそれぞれ詳しく見ていきましょう。
誰に(Who)
ここが、自分のビジネスに対価を支払う「顧客」です。
どんな課題(困りごと)がある、
どんな属性(性別、年齢、地域等)の人か
を定義していきます。
何を(What)
ここは、顧客に提供する「価値」です。
価値とは、
顧客が強く望んでいるニーズを満たすこと
です。
どれだけ本質的なニーズに迫れるか、
が、ビジネスを成功に導くカギになります。
どのように(How)
ここが実際の具体的な「商品・サービス」です。
この「商品・サービス」は差別化されたものである必要があります。
顧客から見た時の、競合とは違う魅力が必要です。
それでは、このビジネスドメインについて、
今回は、株式会社マザーハウスを事例で考えてみたいと思います。
ちなみにマザーハウスは、
「途上国から世界に通用するブランドをつくる」ことを目指し
バングラディシュを中心とした自社工場でバッグ等を製造し、
それらを主に日本市場で販売する事業を行っている会社です。
社会課題の当事者たちは、途上国の人たちであり
彼らがしっかりと仕事を持つことを目指していますが、
ビジネスドメインは以下のように表現できると思います。
誰に(Who)
ファッションアイテムには比較的高価でもこだわりたい30~40代の働く女性に
何を(What)
機能性とオリジナリティあるデザインで、自らのこだわりを表現する価値を
どのように(How)
現地素材に拘りデザイナーオリジナルのファッションアイテムを
店員が製品開発の試行錯誤のストーリーも載せて販売することによって提供する
いかがだったでしょうか?
以上の3要素を抑えていく中で、
ビジネスドメインを策定することができます。
ビジネスドメインの策定は、まさに経営戦略です。
どこに経営資源をフォーカスさせるかを決めるのですから、
大きな方向性、指針となりますね。
そこで次回は、そんなビジネスドメインをより深く考えるための
ポイントについて解説したいと思います。