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【 ROCKY通信 】第97回 ボクに力を与えてくれた書 その2  後世への最大遺物

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社会起業大学 学長の林 浩喜(はやし ひろき)です。
 

このROCKY通信では、僕が社会起業家の育成・支援に携わっている中での経験や僕自身の人生での学びや考えをシェアさせていただいています。
皆様の起業のお役に立てられましたら幸いです。
 
 

【 ROCKY通信 】第97回
ボクに力を与えてくれた書 その2  後世への最大遺物

内村鑑三先生

 

昨日は聖人の日ならぬ成人の日。皆さんはご自身の成人式はどう過ごされただろうか?僕はその頃神戸住まいだったが、京都の友達の家に遊びに行ってそのままゴロゴロとダベって過ごしてしまった。約40年前の話なのに、ついこの前のような思い出だ。

 

今日は僕が影響を受けた書を先週に続きご紹介させて頂こうと思う。内村鑑三先生の講演録だ。心酔しているので、つい内村先生と口にしてしまう。

 

さて今日紹介するのは「後世への最大遺物」という書だ。40代後半あたりで読んで感動した。自らの残りの人生を考えるにあたり、多くの示唆を頂いた。

 

「後世への最大遺物」と書き込み

 

まず個人的な感情として僕は内村さんが大好きだ。やはりエマソンの影響も受けているだけあり「元気」や「勇気」そして時に「癒し」をくれる。そしてこの方の著述には常に「深い愛」がある。感じ方は人それぞれあろうが、僕はいつも包み込んで応援してくれるような気持ちになる。もちろん内容はどの著作も素晴らしいのだが、30代半ばで最初に読んだ「代表的日本人」でもそれを感じた。内村先生は強い信念を持ち、それに誠実に真正直に生きた方なので、周囲との衝突や摩擦は絶えなかった。体制派からは常に異端視された。勇敢であったがゆえになおさらだ。仕事を失い、極貧に喘ぎ、重病も経験し、基盤となっていた信仰においても疎外され、私生活においても愛妻や愛娘を早くに失った。自らのリアルな体験を通して人生の辛苦、悲しさ、痛みをこれでもかというくらいに知っている。そこから生まれた生きた哲学は思想・信念であり、アカデミックな学問ではない。だからこそ心底人に優しくなれるし響くのだ。高校の哲学の授業では少し触れられたくらいで、無教会主義を唱えた髭を生やしたお爺さんという印象しかなかった。その後書を通して偶然(いや必然だ)にも出会い、その出会いに心から感謝している。

 

内村先生の娘、ルツ子さん

 

さて毎回ながら前置きが長くなってしまった。本題の「後世への最大遺物」について。これは箱根におけるYMCA主催の第6回夏期講演の書き起こしで、明治27年、内村先生が33歳の時でなんと日清戦争前の話だ。なぜ33歳でこれが書けるのか!尊敬、憧憬とともに少し嫉妬も覚えた。若者向けの講演だったそうだが、世代を問わず響く内容だ。

 

結論から先に言おう。内村先生はこの書を通じ「自分が生きた証」として遺すべきものを5つの選択肢(金、事業、思想、文学、教育)として具体的に提示されている。そのいずれも納得度の高いもので、どれを選ぼうが読者の勝手だ。しかし内村先生が一番言いたかったことは6つ目の提言とも言える「勇ましい高尚なる生涯」だった。それは、「何を成し遂げたか」ではなく、「どのように生きたか」というその人の生涯そのものだ。換言すれば、結果でなくプロセスこそが価値だと。しかも相対ではなく絶対性だと。先ずは神が支配するこの世は、失望や悲嘆の世ではなく希望と歓喜の世の中であることを信じろと説く。そして己の信ずることをこの世で実践して生き抜くことを「真面目なる生涯」と呼び、その生涯を次世代以降への贈り物として残し、この世に“GOOD BYE”しろと。それがあなたの本当の成功なのだよと言っているのだ。信仰の有無に関係なく、本当にそうだと共鳴する。良かろうが悪かろうが、出自や置かれた境遇、経歴や地位とも無関係に僕の中では真理であり、市井の凡人にも勇気を与えてくれる至言だ。そして「世俗では誰も見ていなくとも、大いなる人(Something Great)はちゃんとそれを見てくれているよ」と。

 

最後に、内村先生の至言をもう一つご紹介したい。「人生にとって一番の幸福とは何か?それは自分の天職を知って、これを実行に移すことである」

 

転職、いや天職はVOCATIONつまり「召命」である。社起大で言うところの“Social Mission”だ。多くの人は与えられるものと理解してそれを待ち望んでいるが、その間に人生は終わってしまう。内なる自分と対話しつつ自分で創り上げるものだと僕は理解している。 

 

内村先生の講演風景

 

 

p.s.ところで話は変わるが、最近は過去の著名な文士や哲学・思想家のことを皆さん呼び捨てされる風潮に不思議な感じがしている。コメンテーターや識者も「芥川は、、、」「太宰は、、、」とかいう表現をする。現存作家とかはちゃんとさん付けで呼ぶのに。あと政治家、経営者、科学者なんかは過去人もさん付けのようだ。その線引きがわからない。笑

 

 


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