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社会起業大学 学長の林 浩喜（はやし ひろき）です。
このROCKY通信では、僕が社会起業家の育成・支援に携わっている中での経験や僕自身の人生での学びや考えをシェアさせていただいています。
皆様の起業のお役に立てられましたら幸いです。
8月から広島県の一般社団法人グローカル人財ネットワークさんの主催する「外国人起業塾」のお手伝いをさせて頂いた。先週土曜で最終回の授業が終わり、いよいよ月末の発表会を残すのみとなった。同団体は広島市に拠点を置き、外国人材（留学生、就労者等）の受入、就職、起業等の支援事業、グローカルに活躍する人材育成と多文化共生社会の地域づくりを目的として作られており、今回はその活動の一環として行われた起業コースである。
グローカルという言葉は、ご想像の通り「グローバル×ローカル」の掛け合わせた造語でグローバルという地球規模の視野、発想とローカルの文化、環境の双方の利点を取り込んだコンセプトだ。今回の例でいうと世界の各国から縁あって広島に来られた方々（主に広島大学関係者）がグローバル人財として、広島ローカルにおいて起業し経済・社会活動を行うという趣旨である。
最初に代表の尾本さんにお会いしたのは今年8月の暑さ真っ盛りの時分で、プログラムの趣旨を熱くご説明いただくと共に広島大学も含めた複数の活動拠点を１時間ほどの駆け足で紹介して頂いた。
クラスに集まった生徒はインド、中国、台湾、韓国、ウズベキスタンと主にアジアの国々からの留学生や卒業生だ。最初に驚いたがメンバーの日本語能力の高さだ。日本語検定１級クラスと聞いていたが、授業は全てオンラインだったにも関わらず、会話に関してはほぼ問題なしだった。英語を使って説明する必要も個人指導の時以外はほぼなかった。授業の内容についても、皆さん地頭が良いこともあり大方理解をしてもらうことができたと思う。
それ以上に教えていて感心したのは、ソーシャルという概念に対する向き合い方だ。今回、ビジネス起業家ではなく社会起業家としてのカリキュラムを提供したので、ソーシャルの概念が伝わるだろうか？という心配があった。ところが初回クラスから皆さんにすんなり受け入れてもらうことが出来たばかりか、中には大きな共感を示してくれた人も何人かいた。彼らの中では社会起業家と起業家の垣根があまり無いように感じられた。つまり起業家は社会の役に立たねばならいのは当然だ、という意識だ。そして皆さんの多くが国思いで、日本人以上に自国への愛に満ち溢れていた。少し大袈裟にいうと明治期に欧米視察に旅立った志士に近い感覚のように感じられた。日本で多くを学んで自国の役に立つ、もしくは自国と日本の架け橋の役割を果たしたいという強い意志も感じられた。
「なぜ日本を選んだのですか？アメリカとかヨーロッパとかの方が良かったのでは？」と日本の国際的地位低下を半ば揶揄するように聞いてみた。しかし彼らの中ではまだまだ日本は先進国の代表であり、アジアにおいては敬意を払うべきポジションにいると捉えているようだった。今や世界の覇権を争うまでの経済大国となった中国の生徒でさえ、まだまだ日本の方が先を走っているというニュアンスの返答だった。少し不思議な感じもしたが、そう思ってもらえているなら有難く、僕も俄然スイッチが入った。何としてもこの子たちの役に立ちたい！と。
そして毎回教えていて思ったが、皆さん素直かつ真剣だということ。もちろん日本の生徒だってそうなのだが、彼らはよりピュアな印象を受けた。あとポジティブで未来志向な印象も受けた。全６回の駆け足のクラスだったが、いつかクラスの皆さんが社会起業家としてグローカルに、そしてグローバルに活躍する日を願って止まない。まずは月末の発表会、大いに楽しみにしている。オンラインで視聴枠（最大30名）もあるので、ご関心のある方はぜひ下記よりお申し込みを。
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