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社会起業大学 学長の林 浩喜(はやし ひろき)です。
このROCKY通信では、僕が社会起業家の育成・支援に携わっている中での経験や僕自身の人生での学びや考えをシェアさせていただいています。
皆様の起業のお役に立てられましたら幸いです。
高校時代の友人N君に10年ぶりで会った。彼は山口県で3代続く地元の名門企業を経営している。頭はだいぶ白くなってはいたが、もう3歳になる孫がいると聞いてさすがに驚いてしまった。しかし自分たちの年齢から逆算すると実は何の不思議もないことが分かり、自分の思い込みを認識した。
僕が昔住んでいた周南市(旧徳山市)は化学コンビナートの街として知られ、出光、トーソー、トクヤマといった大手化学系メーカーが瀬戸内沿いに割拠する。そしてそれが東は岩国、西は下関まで地続きに連動している。コンビナートとはよくいったものだ。嬉しくも悲しくも僕の原風景はそれら企業の化学コンビナートだと思う。
昭和高度成長期から僕が高校を卒業する1980年代前半あたりまで、それら企業は全盛期で、街の人口の殆どはそれら企業及び関連会社に属し、学校の友達の多くもそれら企業で働く人々の子弟であった。街には勢いがあり巨大な団地が出現し、小中学校が次々と増設され、大きな公共施設や大公園なども次々と整備されていった。市民は日々駅周辺の商業地に出かけ、いつも活気に溢れていた。
今回N君には地元で起きている色々な社会課題を中心に話を聞いた。僕らの出身高校は当時11クラスあったのが今は7クラスだとか、通っていた小学校は6クラスあったが今は1クラスのみで30人もいないとか。以前帰省した際に駅周辺の商業施設が完全なシャッター商店街となり、唯一の百貨店も閉鎖し、公共施設は寂れ、団地の空き家は増加の一途。ある意味典型的な衰退地方都市を絵に描いたような状況だったのを目の当たりにしていたこともあり、すべて納得のゆく話だった。
そして聞いていた噂をベースに、地元企業群は本業で不振に喘ぎ、新たな方向性を見出せずに苦悶しているのだろうと思い込んでいた。それが市の不振の根本原因だと決めつけていた。人口も社会減と自然減のダブルパンチで下げ止められていないが、それすら地元メーカーの不振に起因する地盤沈下という社会課題の核心になっているものと勝手に思い込んでいた。
ところが実際は地元のメーカー群の業績は好転しており、逆に人手不足に苦しんでいるというではないか。その大きな理由の1つが昭和時代の団塊社員の定年退職だという。低い生産性や高いコスト構造の元凶のように言われ、邪魔扱いをされている我々プレシニア、シニア世代。
その塊がボコッと消失することでホッとするはずが、今度はいくら募集をかけ続けても若年層の人材を採用できないでいるという。なんたる皮肉。そして国内からの採用を諦めつつある今、アジアの国々から臨時の工員採用をしているそうだ。一瞬我が耳を疑った。あの保守的で閉鎖的な気風の山口で、本当か?と。
人口減少それも若年層の減少。そしてかつての若年層であり現在のプレシニア・シニアの現役卒業。それらによる労働サプライ絶対パイの縮小。にもかかわらず嬉しいことに地元製造業の好調。この一見変わった複合的社会課題を構造分析すると、根底には人口減少と人口動態の不整形等の人口問題に行き当たる。
解決策をロジックモデル的に考えると、労働条件改善で国内の若手労働者獲得、プレシニア・シニアの定年延長、女性の雇用促進、外国人労働者の採用、AIやロボットでの労働者代替といったところだろうか。優先順位はつけるにせよ、全てを実践せねばならないかもしれない。
N君との会話の途中で、思い込みという固定観念の枠をまたまた思い知らされてしまった。統計で論理的に社会・経済現象を読み解いてくれる高校の後輩の藻谷浩介さんに弟子入りせねばなりませんね。
元来大食らいの僕ですが、注文したものが食べきれないことが増えてきました。特に好物の麺類と肉料理。ラーメンなんかは夜の空腹時にチャーシュー麺の大を注文し、食べ残すのが嫌で無理食いして夜中に七転八倒することもあります。焼肉やステーキなんかも同様ですね。脳はまだ認識してくれていないようで、ここ数年で何度も痛い目をみているのですが、空腹だとつい昔の名残で大盛りを注文してしまいます。
そうですよね、僕はN君同様に孫がいてもおかしくない年歳なんですよね。うーん、しかしまたラーメン◯郎で「野菜マシマシ辛め!」ってなってしまいそうだな。阿呆は懲りないのです。
さあ今日も拳を上げて前進だ!