メールマガジンご購読者の皆様
いつもメールマガジンをお読みいただきありがとうございます。
社会起業大学 学長の林 浩喜(はやし ひろき)です。
このROCKY通信では、皆さんが、人生やビジネスのヒントとなるようなお話をさせていただければと思います。
皆さんのお役に立てましたら幸いです。

会場風景
快晴の日曜日、門前仲町で一人の社起大OB(3期生)が認定NPOに承認され、そのお披露目の会に出席して来た。会の主はチャリティーサンタを主宰する社会起業家、清輔夏輝氏である。3か月前にご招待を受けたが、今回は100人限定というユニークな催しだったそうだ。その団体の主である清輔さんによると300人以上の候補者から選抜された皆さんですと持ち上げられ会場は大笑いとなった。そこには清輔さんの仕事仲間やステークホルダーからご友人まで様々な人々がお祝いに駆けつけおり、暖かい雰囲気に包まれていた。

ボランティアサンタの活動
清輔さんは、2008年にボランティアサンタの派遣事業からスタートされ今はブックサンタ、シェアケーキと事業を拡大されている。認定NPOに承認されるのはNPO法人の中の2%という狭き門だ。今はブックサンタ事業が主力で、一般市民が本を購買しそれを全国の経済的ハンディのある子ども達を中心にプレゼントするという取り組みで、そのような子ども達に共感者が思いを込めた書籍を贈るという意気な企画だ。
プレゼンを聞きながら、つくづく清輔さんはマーケッターなのだと思った。子どものライフイベントを徹底的に洗い出し、市場性、ニーズを分析しテストを繰り返しながら事業化してゆく。その過程では共感を獲得しつつそれぞれの事業分野の専門家と連携している。まさに巻き込みだ。社起大の授業さながらの基本を押さえた展開に唸ってしまった。基本理念は全ての子供達にフェアな機会を与え、大人達に愛されているという実感を持ってほしいというもの。矢継ぎ早に繰り出されるビジネスアイデアはそこに起因している。主力事業のブックサンタはよく出来たモデルだ。国内の1800ある協力書店で大人達が思い思いの本を購入し、清輔さんの組織を介して子ども達にプレゼントするというもの。ただ寄付金を贈るのでなく、各自の思いを込めた本を贈るというコンセプトが良い。寄付者も受益者であるという理念から「あなたも誰かのサンタクロース」という素敵なコピーも生まれている。

ブックサンタのトークセッション
今後取り組みたい新事業の話も多々出ていたが、LTV的な発想をソーシャルセクターで実現しようとしている印象を受けた。子ども達のあらゆるライフイベントを抽出し、市場分析し、経済格差等でその恩恵を受けられない子ども達に寄り添い機会提供する。そしてそれをビジネスチャンスと捉えているのだ。まさにソーシャルビジネスだ。ビジネスモデルを仕組み化し、スケールを志向する点でも立派な社会起業家といえる。清輔さんの今後の更なるご活躍を期待したい。

ツーショット
認定NPO法人チャリティーサンタHP
