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社会起業大学 学長の林 浩喜(はやし ひろき)です。
このROCKY通信では、皆さんが、人生やビジネスのヒントとなるようなお話をさせていただければと思います。
皆さんのお役に立てましたら幸いです。
賑わうマクドナルド渋谷センター街店
少し大袈裟なタイトルになってしまったが、先週面白い経験をした。自宅近くの住宅街隣接のマクドナルドと渋谷にある商業地のマクドナルドを訪問し、同じ商品をオーダーした際の体験記だ。ご存じの通り、マクドナルドは世界有数のビジネスシステムを売る企業であり、1,120億ドル、世界で119ヶ国に4万店舗以上を展開しているフードビジネスにおいて世界1のブランドだ。ビジネスシステムというのは言わずと知れたフランチャイズシステムのことで、その4万店が均一な商品、そしてサービスを提供する「偉大なる金太郎飴戦略」に基いた優良企業で、70年にわたりサバイブして来た実績には敬意を表す。
さて、今回のイイタイコトは先週書いた「ダイバーシティ」に繋がるものだ。マクドナルドはさすがに健康面を考えると、映画〝スーパーサイズ・ミー″ではないが、僕はとても日常のルーティーンには入れられない。しかしなぜか年に数回、どうしても食べたくなる時がある。それは外食した際に、なぜか胃袋が(心が?)満たされない時の〆にレギュラーバーガーをつまみたくなるというものだ。
先週出張から帰ってきて外食したのだが、ついついもうちょい食べたい願望が鎌首をもたげてしまい、マックに入ってしまった。そう僕の胃がレギュラーバーガーを欲したのだ。実はこのレギュラーバーガーが高校時代からマックでは一番好きなのだ。薄いパティ一枚がバンズに挟まり、味付けはケチャップとピクルスの甘い酸味だけ。超シンプルなバーガー。価格190円也。昨今は季節商品のグルメバーガーで客単を上げる努力をしているのは分かるが、やはりあのシンプルな素うどん、かけそば的なレギュラーバーガーが一番好きだ。スナック感覚でちょいっとつまめる軽さ。あの絶妙なパティとバンズのバランス。刻みたまねぎのシャキシャキ食感も悪くない。しかしこの話をしても誰も賛同してくれない、、、苦笑
おっと今日話したかったのはダイバーシティのことだ。ご近所のマックのスタッフはほぼ全員日本人だ。キッチンを覗くと奥の方でひたすらパティを焼いているのがアジア系外国人だ。マックらしいと言えばそうなのだが、いかに早く商品提供するかに集中していて、フロントにいる多くの日本人スタッフはノースマイル、ノートークでひたすら仕事を捌くことに意識を集中している。ランチや夕食時に行くと、20~30代前半の独身ぽい男女が行列している。マックとは早い、安い、美味い(評価は人それぞれだが)の原型を作った業態であり特に待たせないというのはファストフード必須のKBFだ。だから何ら不満は無いのだが、あまりにも極端な捌く接客姿勢に少し寂しさも感じてしまう。
外国人比率が5割を超えるお客さん
週末、渋谷に行った際にふと目抜き通りのマックに立ち寄った。大行列。お客さんの5割はインバウンド。何もわざわざ日本に来てまでマックを晩飯にしなくてもよさそうなものを。笑 世界共通の期待を外さない、少なくとも最小限の期待は満たしてくれるファストフードチェーン。選択肢に迷った際は、「マックでいいや」と若者がなるのは分かる気もする。そう、「マックでいいいや」というのがこの企業の最大の強みなのかもしれない。
多国籍軍スタッフによるオペレーション
渋谷の店舗はスタッフが10人働いていたが、日本人は1人だけ。他はアジア系と思われる若者たちだった。それもキッチンワークではなくフロントのレジやミドル(キッチンとレジをつなぐ大事なポジション)も彼らが仕切っている。順番が来てマックの定番、上記のレギュラーバーガーをレジにオーダーしたのだが話が通じない。向こうさんが片言の英語で話しかけてきたので英語でのやり取りとなった。一瞬「ここはどこの国だ?」と困惑したが捌く接客でなく向き合う接客だったのでとても楽しかった。マックのマニュアル的にはペケなのだろうが、僕的には面白い体験だった。他のお客と彼のやり取りも観察していると、僕との接客と似たり寄ったり。レジの子が一生懸命なのでつい微笑んでしまう。行列は長いのだが、お客さんの誰もが怒ったりしない。互いに片言の英語に身振り手振りも交えてオーダー確認している。しかしさすがは忙しい商業地のマックだ。提供時間だけは前述の住宅街のマックよりもうんと早かった。
僕はこの渋谷店の多国籍軍的な接客が好きになった。お客さんが多国籍軍なのでそういう採用、シフトにしているのだろうが、早い商品提供だけが売りのマックよりも好感度は高かった。年に数度しか行かないマックだが、バーガーを頬張りつつなんだか心が少し暖かくなった。多国籍軍いいねぇ。これは人それぞれの判断だと思うのだが、先週書いた留学生比率の高かった僕の留学時代のクラスメートの話とも通底する。日本は島国で単一民族国家として生き残って来た国だが、然るべき未来像は多国籍軍にシフトしていくことだと思う。しかし大事なのは、我々日本人のDNAを大切にしたうえでの話だ。パソコンに例えればOSがそれを体現したものであり、その上に諸外国の皆さんの個性も反映されたアプリケーションという表現になるだろうか。日本同様に何の天然資源も持たぬシンガポールは、国策として異国人材を本気で取り込もうとしているそうだ。そこまで輪郭を明確にしたいとはまだ思わないが、方向性としては日本本来の良さを生かした上で、多様性を求めてゆくのが新たな国家ビジョンではないかと思う。
㎰
マクドナルドに関しては、
僕が起業分野を決定するにいたった名著「マクドナルド」J.F.LOVEがあったり、
映画「ファウンダー ハンバーガー帝国のヒミツ」
という起業から巨大企業に至るビジネスメディアもあります
いずれロキ通でご紹介します!