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社会起業大学 学長の林 浩喜(はやし ひろき)です。
このROCKY通信では、皆さんが、人生やビジネスのヒントとなるようなお話をさせていただければと思います。
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はにわ展のポスター
GWの終盤、太宰府天満宮脇にある九州国立博物館に出向き「はにわ展」を観てきた。これまで埴輪はあまり意識したことはなかったが、年始にどこかのJRの駅でポスターをたまたま見てからずっと記憶に残っていた。歴史好き、美術好きでなくともつい行きたくなるポスター。プロの手によるものだろうが、マーケティング的にも秀逸な出来映えだった。それもあって混雑を予想していたのだが、思いのほかゆっくりと見てまわることができた。埴輪だけに絞り込んだ圧倒的な展示はチケット2千円の価値は十分にあり、4時間かけて堪能させてもらった。
九州国立博物館
新緑の素晴らしい環境の中、埴輪と共にスケール感のある建築デザインも楽しむことが出来た。今回の展示は開館20周年特別展で日本中から名うての埴輪が大集合。元来僕は焼き物好きなので、そういう視点でも面白かった。鑑賞陶器としての視点。土偶と混同する向きもあるので、少し触れると土偶は縄文時代(~紀元前300年)の産で祭器。埴輪は古墳時代(4~7世紀)の産でどちらかというと副葬品。エジプトのウシャブティや中国の兵馬俑と同じ位置づけだ。埴輪は赤茶けていて見た目感触は縄文土器に近く、いかにも素焼きの風合いなので、土偶より古く感じられるのだが、実は時代的には埴輪の方がずっと下るのだ。
挂甲の武人 ベルボトム風パンツもカワイイ!
長いエスカレーターを登り切り、会場に入ると埴輪128点が各室に展示されていた。埴輪はアシンメトリックで、手ごね感があり、ヘタウマでどこかホッとする。そして可愛らしさを感じた。これは日本独特の美意識につながるもので、中国や欧米とは異なる独自の表現手法だと思った。特に印象に残ったのは国内外から今回九博に集結した「挂甲の武人」の大型埴輪だ。今回の目玉展示で5体が並べられ圧巻の迫力。古墳時代のゴレンジャー!笑 といってもいかめしさは無く、やはりどこか愛らしい。1体はシアトルからの里帰り。兄弟五体揃いで見られることはもう当分ないだろう。
乳飲み子を抱く女子 鍬を担ぐ男子
下記写真のとおり他にもユニークな埴輪がたくさん。古墳時代は各地で豪族同士の闘いがありつつも、大和朝廷も発足した。仏教伝来もあり権力者は死後の世界観を夢見て、近畿地方を中心に多くの古墳が作られた。今回知ったが群馬も古墳の名所だ。埴輪は古墳の周囲に配置され、権力者の死後の旅路の護衛だったり墓守の役割があったという。しかし屈託のない埴輪の表情からはそのような気配は感じられず、どちらかというと仏教より自然信仰の色合いの方が濃いように感じられてしまう。どこかユーモラスで邪気が無いのだ。闘いもあったのだろうが、庶民は稲作に取り組みつつ大らかな暮らしをしていたのではなかろうか?間違っているかもしれないが、帰途そんなことをつらつら考えつつ太宰府名物の梅が枝餅を頬張った。
馬型埴輪 猿型埴輪 犬型埴輪
踊る人々
その他