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【 ROCKY通信 】第262  自殺についての再考

 

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いつもメールマガジンをお読みいただきありがとうございます。

社会起業大学 学長の林 浩喜(はやし ひろき)です。
 

このROCKY通信では、皆さんが、人生やビジネスのヒントとなるようなお話をさせていただければと思います。

 

皆さんのお役に立てましたら幸いです。


 
 

【 ROCKY通信 】第262回  自殺についての再考

 

 

2週前の親友N君の自殺にまだ動揺は残っているが、この機にそもそも自殺というものについて冷静に再考してみることにした。テーマは重くはありますが、お付き合いいただけるとありがたく存じます。

 

僕は「死の瞬間に人生の成否が決まる」という価値観を持っており常々それを語って来た。また社起大の建学理念には「人が最も深い喜びを感じるのは、自分の才能を生かして誰かの役に立った時である」という言葉があり、それを全うできれば理想の死を迎えることが出来ると思っている。ただし、それらを前提に自殺というものを考えたことは無かった。

 

そもそも自殺を出来る生物は、人間だけである。人の死には、一般的には老衰、病死、事故死等があるが自殺も本来付加すべき一つのカテゴリーだ。その多くの場合、精神疾患との関連性が強いように思う。昨夏から2人の友を自殺で失ったが、共通点として「孤独」、「自己肯定感(自己存在の意義)との闘い」というものがあり精神科にも掛かっていた。特に孤独というものが大きかったような気がする。会社には同僚がおり、組織以外にも何らかの交友関係があるにも関わらず。コルカタの聖人、マザー・テレサは言った。「この世の最大の不幸は、貧しさや病ではありません。 誰からも自分は必要とされていないと感じることです」と。「愛の反対は憎しみでなく、無関心です」と。そこには孤独と自己肯定感が含意されている。

 

僕には信仰もあるので、神から頂いた大切な命を自ら断つという選択はあり得ないし許されるべきものではないと無条件に思い込んできた。生まれてきた以上、誰しもなんらかの果たすべき役割というものがあり、他者の為に自らを役立てることが生まれて来た理由だと思っていた。今回の件でその価値観が少しだけ揺らいでいる。ひょっとすると神は人間に自殺という選択肢も与えているのではないかと。自死を選ぶ人は死をもって自己の存在証明をし、他者へのメッセージや何らかの影響を残すことで生きた証をするという。ひょっとすると内村鑑三の言う「勇ましい高尚なる生涯」の一つに含まれるという解釈も成り立つのではないかと。

 

失った友2人は、世間的に見れば申し分のない経歴や実績を持っている人だった。あまりに勿体ない社会損失である。社会課題という表現は使いたくないが、この問題は間違いなく社会課題の1つと言える。統計からしても今後さらにそういう人々が増えることが予想される中、どの角度から見るかで自殺の捉え方も変わって来ると思うが、僕はやはり誰もが天寿を全うできる社会を目指したい。

 

 

  


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