【 ROCKY通信 】第260  「ジンジャーダイヤモンド」のクラフトコーラ | 【公式】社会起業家を育成するソーシャルビジネススクール 社会起業大学

NEWS & BLOGS 一覧

セミナー 一覧

ロッキー林のイロジカルシンキング へ戻る

【 ROCKY通信 】第260  「ジンジャーダイヤモンド」のクラフトコーラ

メールマガジンご購読者の皆様
 

いつもメールマガジンをお読みいただきありがとうございます。

社会起業大学 学長の林 浩喜(はやし ひろき)です。
 

このROCKY通信では、皆さんが、人生やビジネスのヒントとなるようなお話をさせていただければと思います。

 

皆さんのお役に立てましたら幸いです。


 
 

【 ROCKY通信 】第260回  「ジンジャーダイヤモンド」のクラフトコーラ

  

  

ジンジャーダイヤモンドの店頭にて参加者と

 

今週は先週に続き福山市の社会起業家の紹介を。「ジンジャーダイヤモンド」というブランドで、地元特産の「はっとり生姜」を使ったシロップ作りに励んでおられる中尾圭吾さんがその人だ。中尾さんはジンジャーシロップの開発・製造・販売に携わりはや15年になる。実は3年前に福山青年会議所さんよりお声掛けを頂き、3回にわたる公開セミナーを実施させて頂いた時にご参加頂いたのがご縁だ。僕は「単品ビジネス」が好きだ。~専門店という業種業態。自分がこれまで関わって来た仕事はベーグルから社起大に至る5つの全てがそうだった。セミナー会場で中尾さんから生姜シロップの単品ビジネスの話を聞いたとき、いつかお店を覗かせて下さいね!と話したのを覚えている。今回それを実現できた。

 

「はっとり生姜」の生産者(前列)と中尾さん(後列中央)

 

中尾さんは、地元福山で生まれ育った後に東京で幾つかの企画・営業職を20年ほど経験される。しかし熾烈な競争や大都会の生活ストレスに心身が悲鳴をあげた。得体の知れぬ身体の痛み、アトピー性皮膚炎の発症、私生活では離婚も経験した。満身創痍で福山の実家に戻り、約1年引きこもり状態だったという。誰にも会う気が起きず、あの時期が一番つらかったと回想話を聞かせてくれた。そんな時期に、生姜が滋養に良いと医師から聞き自分の健康回復のために生姜シロップをつくり飲み続けた。するとどうだ、徐々に体調は整い心も前を向くようになった。「自分と同じような苦しみを抱えている人にこのジンジャーシロップを届けよう」と思いつく。中尾さんの起業は自分自身の「居場所」づくりでもあったそうだ。そしてそれを地元の人々とも共有したいという思いを持つに至った。幸い福山には「はっとり生姜」と呼ばれる名産品がある。中尾さんの表現では「絹ごし豆腐に包丁を入れた時のような繊細さ」だそうだ。

 

現在の工房

 

そこからの行動は早かった。実家のキッチンでの製造許可を取りつけ起業。営業はネット販売に集中。その後マルシェ出店や百貨店での催事などで新規のファンも獲得する。ネット販売以外は僕のベーグル&ベーグルの成長期の活動と重なり、懐かしい思いがした。その後借り入れを起こし、現在の工場・店舗・事務所の機能を持つ拠点を新たに構えられ順調にビジネスを成長させている。信頼できるスタッフも内外に増え中尾さん自身は製造から経営の方に徐々に軸足を移し始めているそうだ。来店客を観察していると、体に良いものに日常的にこだわるリピーターたちであり、店と共に生活があるといった空気を感じた。

  

クラフトコーラの製造プロセス

 

やがて「ジンジャーダイヤモンド」のブランドも浸透し始め、国内中からOEM生産の依頼が舞い込むようになりBtoBのビジネスも始まる。また生姜をふんだんに使ったクラフトコーラの製造販売にも乗り出し、こちらも評判高く週に何度か仕込むそうである。実は今回、クラフトコーラ原液の製造現場を見せて頂いた。参加者たちは、身を乗り出してそのプロセスを目にすることが出来た。昔からコカコーラやペプシのレシピは門外不出とよく聞かされていた。確か伊丹十三のエッセイ「女たちよ」にもそのくだりがあったよう記憶する。ここ数年流行しているクラフトコーラとはどのように作られるのか?興味津々であった。

 

完成したクラフトコーラの原液

 

材料にはあらゆるスパイスやハーブがふんだんに使われている。「これは漢方だな」というのが最初の印象。添加物は一切使用せず、スパイスには高価な材料も含まれ、きっと「この原価は高いだろうな」というのが次の感想。しかしドラフトコーラというからには個性も必要。ここでも地元の生姜をふんだんに用いて滋味を効かせ、広島名産の瀬戸内レモンも加え爽やかさも演出する。

 

完成したシロップ原液に炭酸水を注いで試飲させて頂いた。中尾流ドラフトコーラは本格派の味わいで、市中で売られているものとは一線を画していた。そしてなぜか寒中にもかかわらず、体の芯からポカポカするのを感じた。これは本当に薬効性のあるコーラだ。そして中尾さんの優しい人柄がレシピの隠し味だ。ここにも彼の顧客の心身を気遣う思いが表現されていた。だからなぜかホッとし落ち着く。「ジンジャーダイヤモンド」という名前の由来は、「生姜を摂取することで、皆さんの人生をダイヤモンドのように磨かせてほしい」というもの。ご本人はソーシャルビジネスという言葉には縛られていないようだったが、「社会起業家精神」をナチュラルにお持ちの方だった。地域のステークホルダー(生産者、流通者、販売者、購買者等)と共に、はっとり生姜をブランド化し、日本中の健康回復を望む人々に生姜シロップを届けたい。そして今回を機に中尾さんはこれまで以上にソーシャル視点も意識して事業に取り組んでゆきたいとおっしゃった。

 

「はっとり生姜」を熱く語る中尾さん

 

ジンジャーダイヤモンドHP:https://ginger-diamond.com

 

 

 

 


メールマガジン登録(無料)はこちら


    【オンライン開催・参加無料】
    未経験からでも目指せる
    自分の才能を生かして誰かの役に立つ起業家へ
    社会起業家入門セミナー