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社会起業大学 学長の林 浩喜(はやし ひろき)です。
このROCKY通信では、皆さんが、人生やビジネスのヒントとなるようなお話をさせていただければと思います。
皆さんのお役に立てましたら幸いです。
大教室における講演
先週、都内の私立大学2校で社会起業の講演をしてきた。印象深かったのは、週末の講演は留学生が過半数であった点だ。アジアや中南米からの留学生が主体であったが、皆さん日本語が思っていた以上に流暢なのには驚いた。聞いてみると日本入りする前に数か月間日本語を学んできたという。中国からの留学生には出身地を尋ねてみたが、山西省や広西省といったあまり馴染みのない地域の名前だった。
こともあり普段より分かりやすい授業を心がけたが、彼らのリスニング力はほぼ問題なかった。僕の米国留学時代とはえらい違いだ。最初の学期は聞けない、話せないでとても辛い思いをしたからだ。話す方は専門用語が含まれることも有り少々苦戦していたが、日本に留学して何かで成功を掴み取ってやろうという彼らは、シャイになってしまって口ごもるというような態度は微塵も無かった。
講義をして一番印象に残ったのは留学生たちの熱心さだった。今日は何かしら学んでやるぞという意志が目に溢れていたことだ。日本の学生にはない貪欲さ。知的ハングリーさとでもいおうか。教室に入って来た時点でそれは伝わって来た。このあたりは自分の留学時代にも重なる。私費留学だったこともあり、何としても起業に必要な経営知識をモノにしてやるぞという気概だけはしっかりあった。笑 最初に社会課題の設定に誘導してゆく流れだったのだが、留学組の学生たちは既に取り組む課題を設定していた。皆さんまだ20歳前後と若いので身近な体験からくるものを課題とする人が多かったが、大人でもなかなか定まらないことをさらっと言ってのけた。
なぜ日本の学生と違って彼らはそういうことが出来るのか?たぶん同じ大学であれば、特待生でもない限り少なくとも入試時点での学力ではそれほど大差はないであろう。親元を離れ異国に身を置く厳しい環境が社会意識、問題意識を喚起させるのではないか。少し話してみて分かったのは、彼らには「将来への夢、期待」が前提にあり、そのために日本を選んでやって来たということだ。同じ留学生でも語学留学生として来日し、あとはバイト三昧という外国人留学生とも異なる。今回出会った子たちは、留学という手段を通じて自分の夢を実現するという主体性、目的を持っていた。起業家精神を持っていた。掴むチャンスは自国でなくとも日本でもいいと思っている様子だった。留学自体が投資とリターンの関係にあるビジネスなのだ。
外国人として日本で生活してゆくだけでも大変なのに、このハングリー精神は我が国の若者たちにも見習ってほしい。厳しい環境において目標を目指すということは自分自身を変革、前進させるチャンスでもあるわけだ。メディアではメンタル不調の日本の若者(大人も)のことが毎日のように取り上げられているが、そのあたりが大きな岐路になっているのではと感じた。
小グループに分かれての対話形式のワーク