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社会起業大学 学長の林 浩喜(はやし ひろき)です。
このROCKY通信では、皆さんが、人生やビジネスのヒントとなるようなお話をさせていただければと思います。
皆さんのお役に立てましたら幸いです。
維新スタジアムのフロント
日曜日、初めて山口唯一のプロスポーツ、サッカーJ2の試合を見た。レノファ山口 VS FC横浜。実はJリーグについてはあまり知らない。昼近くになると突然太鼓や歓声がこだまして来たので、宿で仕事を片付けてから音のする方向へ歩いてみた。20分も歩くと維新スタジアムに着いた。山口らしいネーミングだ。聞くと両チームとも今期の最終試合でFC横浜は1部昇格がかかっているという。試合は後半の残り30分。受付で聞くとスコアはゼロゼロの熱戦。一瞬迷ったが観戦することにした。チケットの値引きはなし!笑
広島東洋カープ初優勝1975年の熱狂
試合を観戦しながら「地域とプロスポーツ」というテーマについてつらつら考えてみた。最初に思い出したのは広島カープだ。広島の小学校に転向した際に、まずは野球帽の変更を強いられた。笑 僕の巨人のものはペケだった。ほとんど踏み絵のようなもんで、帽子を変えたら仲良く受け入れてもらえた。1975年の話で、カープが初優勝を果たした熱狂の広島体験だった。朝のホームルームでは校歌ではなく、カープの応援歌を歌わされた。元気の出る応援歌だったので、自分も好んで歌っていた。男子の話題は前夜のカープの試合が中心だった。床屋でも食堂でもオジサンたちもカープの話題で持ち切り。カープは市民の誇りだった。今でいうシビックプライドだった。父に広島市民球場の巨人戦を見に連れて行ってもらった時の興奮はいまだに忘れられない。そのあと家族で食べに行った焼肉の味も忘れられない。笑 当時のカープファンは柄が悪いので有名で、観客席ではビール瓶で殴り合いをしているオジサンもいた。巨人の選手に対するヤジも過激だった。その後僕は中3で広島を離れたが、今もあの頃の広島の街の一体感、高揚感は原体験として残っている。あんな祭はあれが最初で最後だ。地域のプロスポーツは市民のアイデンティティのベースとなり、知らない住民同士をも繋げるパワーがあるのだ。
スタジアムの応援風景 (左:レノファ 右:FC横浜)
さてスタジアムに入ると、会場は約1万人の客入りだそうで満席。レノファのチームカラーのオレンジ一色。面積の約8分の1ほどがライトブルーの横浜ファン。ただ少々拍子抜けした。アレ?数キロ先のホテルまで響き渡っていたあの盛り上がりは何だったんだ?横浜は人数こそ少ないが、団結よろしくフラッグをなびかせ、太鼓をかき鳴らし、応援歌を熱唱していた。アウェーとは思えない気合の入り方だった。あの騒音は横浜のものだったようだ。それにしてもホームの観衆はいったいどうしたのだろう?行儀が良いのは県民性だが、熱が欲しい。サッカーは熱のスポーツだ。選手とサポーターが一体となってゲームメークをする最たるスポーツだ。レノファも最終戦を飾るべく必死で攻めているのだが、どうにもゴールまでつながらない。相手は引き分けさえすればJ1昇格が決まるのだから、後半に入ればディフェンシブになる。観客に狂熱の鼓舞があれば、選手と一緒にゴールに押し込めるかもしれないのに残念で仕方ない。周囲を見渡すと、みんな冷静に試合を見守っている。
鶏が先か卵が先か。
強いチームがいるからシビックプライドに繋がってゆくのか、シビックプライドがあるから強いチームに育ってゆくのか、、、 たぶん前者なのだろうな。そして強いチームを作るには金もかかることだろう。
スタジアム内の協賛企業広告
ある意味で地域密着のプロスポーツはソーシャルビジネスなのかもしれない。地方のプロチームを財政的に維持するのは容易ではないと思う。多くのチームは会場収入やグッズ販売だけではとてももたないだろう。地場企業が自社の利益を地域の為に捻出し続けることでどうにか成立しているのではないか。今回の試合にも多くの地場企業が協賛していた。自社の宣伝もあろうが、地域のエンターテイメントを支えるという気概がある会社なのだろう。せっかくの地域プロスポーツ、最大限のソーシャルインパクトを目指してほしい。その最たるものがシビックプライドの醸成だと思う。
来年こそ1部昇格を!県民は待っている
※結果はゼロゼロに終わり、FC横浜のJ1昇格が決まった