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【 ROCKY通信 】第240回  犬猫の殺処分問題について

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社会起業大学 学長の林 浩喜(はやし ひろき)です。
 

このROCKY通信では、皆さんが、人生やビジネスのヒントとなるようなお話をさせていただければと思います。

 

皆さんのお役に立てましたら幸いです。


 
 

【 ROCKY通信 】第240回  犬猫の殺処分問題について

収容された保護犬たち(引用:犬猫生活福祉財団HP)

 

犬、猫は人類の有史来もっとも人間に近い存在の動物だった。アラビアでは約8千年前の壁画が発見されているし、エジプトではミイラとしての約3千年前のものが出土されている。そんな人類のパートナーが日本国内で殺処分されているという。いま僕の生徒にその犬猫の殺処分問題に取り組んでいる人が2人いる。1人はこれまで長年にわたり個人として手弁当で犬の保護活動に携わってきた人。もう一人は現在公務員なのだが、退職して猫の保護活動に本格的に関わろうとしている人だ。以前、社会起業大学の特別対談で犬の保護活動もされている連続起業家のロバート近藤正純氏からもいろいろお話をお聞きしたことがあったので、爾来僕の関心事でもあった。その背景には自分が子供時代に犬を飼っていたこと、両親がリタイア後に猫を飼っていたこともある。

 

これまで犬は3匹飼った。雑種の茶々丸、柴犬の十兵衛、ビーグルのゴメス、、、みんな外犬だった。貰ったり買ったりだったが、どの子も仔犬からの飼育だった。やって来た時は子供心に本当に嬉しかった。毎日小学校から飛んで帰ったのを覚えている。家族が増えた感じで、よく散歩にも行った。ただ2匹目の十兵衛は脱走し、探し回ったが結局戻って来なかった。猫は、父と僕が猫毛アレルギーだったので、子供時代は飼わなかった。僕が社会人になって両親がきじ猫のシーバを飼い始めたのだが、これでもかというくらい溺愛していた。父に至っては、四六時中一緒だった。犬派だった父の変貌ぶりには僕が驚いてしまった。しかし10年ほど前、ちょうど孫が夏休みに帰省している時に天寿を全うした。皆で大泣きした。

 

里親を待つ保護猫たち(引用:NPO法人犬と猫のためのライフボート)

 

さて本題に入ろう。犬猫の社会課題は、大きくは「保護(引取り)」と「殺処分」の2つだ。保護とは飼い主が分からなくなっている犬猫(捨てられたか、脱走したか)や飼い主の高齢化や死去等で飼えなくなった犬猫を、保健所が一時保護するもの。殺処分は飼い主が見つからなかった、あるいは里親が見つからず保護期間を過ぎた犬猫が保健所により殺されるというもの。実家を離れて40年以上、生活圏に野良犬や野良猫がいなかったので、恥ずかしながらこの辺の知識すら持ち合わせていなかった。5年ほど前に地方では大きな社会課題となっていることを知り、強く関心を持った。まずは殺処分のデータを見てみよう。

 

データ 全国の犬・猫の殺処分数の推移(出典:環境省HP)

 

犬も猫も傾向としては大きく数字は改善されている。人口減もあるので、ペットを飼う人自体も減っているのかもしれないが、これは自治体やNPO、愛護団体の努力が実り飼い手の意識がだいぶ変わってきたのだと理解したい。また、マイクロチップの埋め込みの義務化も返還率(脱走者を飼い主に戻すこと)を上げるのに大きく寄与していることだろう。素晴らしい成果だ。ただ絶対数で見ると令和4年度で犬猫合わせ、まだ1万2千頭が殺されている。そして飼い主、里親の見つからない犬猫を保護し預かる保護施設は日本中で常に満杯状態だと聞いた。つまり保護されても行き場がなく、結果的に殺されることになる子たちもまだまだいるということだ。また里親になる人の中には悪意の虐待目的(ストレス発散)の人もいるという。実話を聞いたが、ここでは書けない凄惨な話だった。だから返還、譲渡されたからといって必ずしも彼らが幸せになれるとは限らないのだ。この課題には統計だけでは読み切れない深い闇が存在するのだ。

 

この社会課題の解決のゴールは殺処分ゼロだ。2人の生徒との対話で、根本解決には社会起業家のマクロなアプローチと、愛護者のミクロ目線の合わせ技が必要であり、内容によっては行政を巻き込むことでの法整備も不可欠だと思った。そして多くの社会課題解決がそうであるように、最後は飼い主となる我々市民国民の意識変革である。2人の生徒には社会起業家として、ぜひともそれらを実現する起点となってほしい。

 

離島の地域ネコ(引用:朝日新聞デジタル) 

 

 

補記

近年離島に行くことが何度かあったが、漁港には「地域ネコ」と言われる猫たちがいた。一日中のんびりと港で昼寝している幸せそうなやつらだ。笑 野良なのに近寄っても決して逃げない。人を信用し切っている。エサなどは近所の人たちがあげて皆さんで面倒をみているとのことだ。都会の猫屋敷と違い、近隣からクレームも出ないそうだ。これも人間と猫の共存の形なのだろうな。ところで聞いたことはないが、「地域イヌ」っていうのはいるのかな?

 

 


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