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【 ROCKY通信 】第236回 ある友の死

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社会起業大学 学長の林 浩喜(はやし ひろき)です。
 

このROCKY通信では、皆さんが、人生やビジネスのヒントとなるようなお話をさせていただければと思います。

 

皆さんのお役に立てましたら幸いです。


 
 

【 ROCKY通信 】第236回 ある友の死

 

昨日、友人のSが亡くなった。夕方にS本人からメールがあり、「今まで大変楽しかったです。どうもありがとうございました。」とあった。そしてジムをやめる旨が記されていた。そしてその数分後、彼は自らの命を絶った。彼と僕は同じボクシングジムで汗する練習仲間だった。ジム仲間の1人から彼の死の報告を受けたのはメールの6時間後だった。僕には彼を含めた3人のボクシング仲間がいた。なぜかウマが合い、日曜の午後一緒に練習するだけでなく、後楽園ホールに試合観戦に出掛けたり、飲みに行ったりして交流している間柄だった。本当に気の置けない仲間で、ジムに行く目的の半分は彼らと会ってボクシングを通じた交流をすることだった。

 

僕より一回り若いSは、根っから生真面目で誠実な人だった。独身独居で実生活面は見えていなかったが、いつも仕事が忙しいようで練習に来れないことも多かった。僕もここ数年定期的にジムに行けないことが多く、月に1度も会えていなかった。Sは不思議な男で、気が付くと横でシャドーをしていて、後で声を掛けようと思っていたらもういなくなっていた。何というか猫のような人だった。何度かボクシングの技術を教えてあげたことがあった。その時の彼は子供のように無邪気に喜んでくれたのをよく覚えている。

 

飲み会で焼肉に行った時などは、ひたすら焼き方に徹してくれて「自分もしっかり食べなきゃ」と促したほどだ。きっと仕事でもそんな感じだったのだろう。そういえば、皆が酔っぱらってバカ話で盛り上がっている最中に、僕の他愛のない一言に反応して、何度か深い質問をされたことがあった。確か倫理とか生き方みたいな話だったと思う。そうなるとバカ話はいったん休止し、4人でああでもないこうでもないと議論した。

 

そういう一面も持ち合わせていたSだった。自分から話しかけてくることはあまり無かったが、僕からすると気になる弟といった感じだった。生真面目であるがゆえのいじられキャラだったが、どこか可愛いらしいところがあり、いつもニックネームで呼んで練習中や練習後に話しかけて雑談した。

 

数年前に一度だけ飲み会後にメールで相談に乗ってもらいたいようなことを言われたことを、たった今思い出した。俺はそんな柄じゃないよとやんわりお断りしたと思う。Sの様子から普段より単独行動をとっていると感じてはいたが、自分の世界もあり彼なりに楽しんでいるのだろうと手前解釈していた。特に孤独を感じている風でもなかったので、少し気になりつつも余計なお節介を焼くことはしなかった。だが今さらながら思う。なぜもっと踏み込んで話を聞いてあげられなかったのだろう!なぜもっと早く気づいてあげられなかったのだろう!後悔が先に立たないのが悔しい。慚愧の念で一杯だ。

 

Sよ、誠実なあなたは現世で出来うる限りの努力をして精一杯生きたと思う。俺はきっと来世でもあなたには何かの役割があると思っている。大いなる力の思し召しによって。

しばらくの間ゆっくりして、またすこしずつ歩き出してください。

立っている世界は当面は違うけれど、俺も一緒に歩くよ!

合掌

 


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