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【 ROCKY通信 】第221回 ファッションは巡る「紺ブレ」復活

メールマガジンご購読者の皆様
 

いつもメールマガジンをお読みいただきありがとうございます。

社会起業大学 学長の林 浩喜(はやし ひろき)です。
 

このROCKY通信では、皆さんが、人生やビジネスのヒントとなるようなお話をさせていただければと思います。

 

皆さんのお役に立てましたら幸いです。


 
 

【 ROCKY通信 】第221回
ファッションは巡る「紺ブレ」復活

 

ブレザー シングル

(引用:https://www.pinterest.jp/)

 

ひさびさに新宿伊勢丹を定点観測してきた。この百貨店は昔からファッション分野では国内随一のセンスで業界をリードし、プロがチェックしに来るアイコン店舗だ。今回はメンズアパレルを中心に見て回ったのだが、売り場の空気感というのかな、これが約40年前のバブル期のものに近づいているのを感じた。

 

個々のデザインこそ当時の派手さはないが、総じて高級ホンモノ路線に向かっている。販売員によると30万円以上のスーツなんかもよく売れているという。訪問したのは週末の午後だったが、インバウンドも加わりフロアは買い物客で溢れかえっていた。ここ数年で最も売り手と買い手のエネルギーが交錯し、売り場は熱を得ていた。

 

そんな中で特に気になったのが、ブレザーだ。多くのブランドの店頭にディスプレイされていたのだ。50代以上の人々には「紺ブレ」という一世を風靡した流行語を覚えている方も多いだろう。紺色のブレザーの略称なのだが、1990年前後、学生からビジネスマンまで紺のウール生地に金ボタンのついたシングルブレザーをこぞって着た時代があった。それも男女を問わず。

 

あれはいったい何だったのだろう?ファッション誌も競って「紺ブレ」特集を組んでいた。アイビーの文脈からは切り取られる形で時流を飾った。そして流行なんてそんなものなのだろうが、バブルが崩壊した頃には誰も着なくなっていた。その後ブレザーは過去の遺物として馬鹿にされるまでになり下がった。「あいつ今どき紺ブレなんか着てるぜ」と。元来の愛好者だった僕からすればいい迷惑だった。だからもう「紺ブレ」という言葉には出て来て欲しくないというのが本音だ。

 

今も眺める写真集 “TAKE IVY”

 

僕はずっとブレザーが好きだった。小学3年生の時に初めて買ってもらい、いつもお出かけの際には着て行った。自分で買ったのは大学生の時で、バイト代をはたいて上京しブルックスの青山本店でシングルの定番ブレザーを購入した。そして赤いレジメンのネクタイにグレーのパンツ、そして黒のローファーを合わせた。いわゆる“アイビールック”というやつだ。就活でも使った。

 

特にアイビー志向だったわけではないのだが、メンズファッションの神様と言われた石津謙介さんの著作に触れて影響された。そして“Take Ivy”なる写真集を見て、米国東部のアイビーリーガーと呼ばれる大学生たちの颯爽としたブレザーの着こなしにインスパイアされた。

 

社会人になってからはダブルのブレザーを購入し、仕事やプライベートでも着回していた。結婚式やパーティーにも使った。そう、ブレザーは使いまわしの利く実に便利なアイテムなのだ。合わせるネクタイやパンツで変幻自在に状況適応できるからだ。元々はケンブリッジ大学のボート部のユニフォームだったのが、英国軍の制服にも起用されたとのことである。語源はスペルのblazerから想像できるとおり、blaze(炎)にあるようで、ケンブリッジのそのユニフォームはスクールカラーの緋色だったそうだ。

ブレザー ダブル

(引用:https://forzastyle.com/articles/-/44922)

 

話を戻そう。新宿伊勢丹の売り場には、ブレザーが一押し商品として各店頭に陳列されていた。アイビーやトラッド系のブランド以外でも。それだけでも「おおっ」となるには十分だったのだが、さらに驚いたのはバブル崩壊後30年以上も消滅していたダブルや金ボタンが復活していたことだ。

 

いくつかのブランドの店員さんに聞いてみると、人気だという。50オーバーの「紺ブレ」世代が買っているのかと思いきや、シングルダブルを問わず若いビジネスマンがメインの購入層だという。理由を聞くと、コロナでスーツを着る必要がなくなり、ブレザーをジャケット代わりに使うのだそうだ。画面越しの面談や会議が主流の昨今、なるほど合点がいった。

 

アイビーの伝道者 石津謙介氏

 

ファッションには周期性があり、そのトレンドは繰り返されると言われる。まさにファッション(流行)だ。特定の商品やカテゴリーだけでなく、ブランド自体にもそれが起きる。経済との連動性もある。ダブルに金ボタンがライズしているということは、昨今の高株価とも無関係ではなかろう。

 

アイビーは日本では前述の石津さんご自身が創業した“VAN Jacket”を通じて広められ、戦後世代の男性ファッションに革命を起こした。1960年代のことだ。そして今またブレザーを起点にアイビールックが新たな形で再興するかも知れず、きっと氏は天国でほくそ笑んでおられることだろう。敬愛する石津さんの波乱万丈の人生は、また別の機会に書いてみたいと思う。

 

 

※アイビールック

アメリカ北東部にある1800年代創設の伝統8大学からなるグループをアイビーリーグと呼び、アイビーリーガーと呼ばれるそれら大学の学生達が、キャンパスで着こなしたベーシックでスポーティなファッションの総称をいう。

 


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