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社会起業大学 学長の林 浩喜(はやし ひろき)です。
このROCKY通信では、皆さんが、人生やビジネスのヒントとなるようなお話をさせていただければと思います。
皆さんのお役に立てましたら幸いです。
「食べ物さん,ありがとう」という本を読んだ。栄養学の基本中の基本を東大の川島四郎先生が漫画家のサトウサンペイさんに教授する解説書だ(お二人とも故人)。シンプルに栄養に関する話を誰もが腹落ちする形で描かれており、そこにサンペイさんの少しエロチックなイラスト付きで楽しく読み進めることができた。
僕はいわゆるベジタリアンではないし、ヴィーガンでもない。健康オタクでもない。好きなものを好きなだけ食べる、いわゆる飽食家だった。そんな自分がここ数ヶ月、野菜を中心とした食生活に切り替えてみた。朝は野菜ジュースをコップ一杯とりんご。昼は好きな物を食す。例えばトンカツやカレーなどいわゆる男メシ。そして夜は菜食中心で腹を満たすというパターンだ。大好きなチョコやスナック菓子は原則排除。
その結果、医師による定期検診ではっきりとした変化が表れた。実はそれは想定していなかったものだった。血圧を筆頭にコレステロール値や肝臓値、血糖値などの改善。考えてみれば当たり前の話だ。人間の体は食物と水で成り立っているようなものだからだ。両親からの遺伝が半分あったとしても、残りの半分はその後の食生活だ。結局は何を食べて飲むかということに尽きるのではないか?そんな簡単で当たり前の話が何十年もわかっていなかったのだ。
あと僕の中でずっと疑問だったことがある。折につけ考えてきたことだ。「健全な精神は健全な肉体に宿る」というローマ詩人の言葉があるが、精神と肉体はどちらが先んじるのかという話。どっちもどっちだよと言えばそうなのだが、二択となると僕は精神がより重要だと考えてきた。健全な精神が健全な肉体を導くと思ってきた。
しかし、、、その健全な精神は健全な肉体あってこそなのだと今更ながら考えが変わりつつある。そしてその健全な肉体は食べ物や飲み物が基本となすのだ。授かった肉体がどう活かされるかは、結局その後の食生活に尽きるのではないか。
夕食を野菜中心に据え変えると、体が軽くなった気がする。特に腹部周りがスッキリしてきた。これは腸内環境とも関係がありそうだ。また川島先生の教えによると、青野菜の成分と血液の成分はほぼ一致しているとのことで、青野菜を摂るほど血液が綺麗になりあらゆる健康データが改善されることが分かった。実際そうなった。
僕の叔父は東大や埼玉大で運動生理学を教えていた。面白い先生で、自分の身体を使ってあらゆる実験を行い検証を行っていた。運動と身体性の関係性を解明する学問だ。そんな叔父は小腹が空いた時やトレーニング前にいつもナッツ類や煮干し、昆布類をちょこちょこ食べていた。あと生オレンジジュース。「浩喜ちゃん、これが体に必要なんだよ」とよく言っていた。
また炭水化物は必要なタイミングで摂ればいいというようなことも言っていた。今の炭水化物ダイエットのような話を40年前にしていた。当時もう70近かったと思うが、パワーリフティングのシニアの部で世界チャンプ7連覇を成し遂げた人だ。栄養学は運動生理学とは切っても切れない関係なので書斎にはその手の本がたくさんあった。
僕の中で川島先生と叔父がつながった。きっと生前の2人は学内で親交があったのだと思う。川島先生の著述内容と叔父が僕に言っていたこととがあまりに一致しているからだ。少し嬉しかった。この楽しい本を介して故人達と対話することができたからだ。
さて、これから僕はどうするか?
好きなものを適宜食べつつも、ここ数ヶ月で知った菜食に軸足を移してゆきたい。そして今後は自分の体をちゃんと大事にしてゆこうと思う。社会に役立つ為にも。