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社会起業大学 学長の林 浩喜(はやし ひろき)です。
このROCKY通信では、皆さんが、人生やビジネスのヒントとなるようなお話をさせていただければと思います。
皆さんのお役に立てましたら幸いです。
昨日水戸で講演をさせてもらう機会があった。産能短期大学さんの校友会での話。水戸はこれで人生2度目だ。前回は地元の百貨店から“BAGEL&BAGEL”の出店依頼があって視察に来た15年前。奇しくも産能短期大学さんとのご縁も同じく15年ぶりだ。前回は自由が丘キャンパスで講演をさせていただいた。
水戸駅を降りると、なにか凛としたものを感じた。徳川御三家であることや水戸光圀(黄門)の話はすっかり忘れていたのだが、少し歩くと他の県庁所在地とは異なるものを感じる。これぞまさにシビックプライドかも知れない。駅ビルにはプチ東京で全国展開しているブランドが軒を連ねていたが、少し歩くとお茶処なのか、老舗の和菓子屋さんが目立つ。一の丸二の丸といった地名があったり、水戸東照宮が現存し、藩校の弘道館もある。
またやはり政治の街なのだろう、公共施設が目立つ。官庁街は個々の敷地が広々とし江戸の流れを感じる。江戸以前の歴史は実は無かったと地元の方からお聞きしたが、かつての敵方だった山口の萩と相通ずるものがある。街のDNAってあるんだな。数百年経っているのに、その街の全盛時代の空気の名残がある。正直、前回の訪問時より元気が無くなっていたが、水戸のDNAは健在だった。
講演会場に行く途中、GLOBISの看板を数カ所見た。かつて僕に最初に投資してくれたベンチャーキャピタルであり、起業前にHBSのケースの翻訳で糊口を凌がせてくれた会社だ。なんで水戸に?と思ったが合点だ。代表の堀さんが水戸の出身だったのを思い出した。堀さんは僕の住商時代の先輩であり、米国留学のキッカケをくれた1人でもあった。産能短期大学の地元OBの方々の話では、相当な地域貢献をされているとのこと。功なり名を成した人の義務なのだろうが、とても嬉しい気持ちになった。
さて講演の話に戻るが、産能短期大学さんの卒業生は正直でアツい人が多い。それは15年前に自由が丘でも感じた。OBの結束が強く、一体感を感じる。
今回嬉しいことに15年前に自由が丘で僕の講演を聞いてくれていた方が、数名わざわざ水戸まで来てくれていた。かつて僕がBAGEL&BAGEL事業を通じてお伝えしたことをそのまま覚えてくれていて、逆にそれを聞かせてくれた。自分でもほとんど覚えていないのに!そして会場のみんなでB&Bのベーグルサンドを一緒に食べたことまで伝え聞いた。この記憶のなさはなんとも恥ずかしい限りだ。
今回の講演の内容は、起業家と社会起業家について僕の実体験に基づいて対比しつつ皆さんに聞いて頂くというものだった。また皆さんにはその場で社会起業家のベースとなるソーシャルミッション(自らの社会的使命)について考えて頂き、発表もしていただいた。これは随分盛り上がった。
いわゆる起業家だった自分が、転機を経てその後社会起業家として活動を開始し、講演の内容も随分変わった。営利型ビジネスから社会貢献型ビジネスへ。利己から利他へ。同じ人間がやっていることなのだが違和感は無い。あの起業家時代の経験があったからこそ社会起業家へとシフト出来たのだと思っている。本当にありがたい話だと噛みしめる思いだ。
感謝