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【 ROCKY通信 】第153回 病院と顧客サービス

メールマガジンご購読者の皆様
 

いつもメールマガジンをお読みいただきありがとうございます。

社会起業大学 学長の林 浩喜(はやし ひろき)です。
 

このROCKY通信では、僕が社会起業家の育成・支援に携わっている中での経験や僕自身の人生での学びや考えをシェアさせていただいています。
皆様の起業のお役に立てられましたら幸いです。
 
 

【 ROCKY通信 】第153回 病院と顧客サービス

執刀してくれた若きドクターと

 

先週に引き続き、病院話を。今日は入院を通じて見えた病院経営について、特に医師、看護師の医療サービスについて。20年お世話になっている総合病院だが、その手厚いサービスの著しい向上は強く印象付けられた。病院にはドクターの知識や技術、院としての症例数、施設としての機器や設備といった多くの評価項目があると思う。

だがそれら以上に大事なのは「ホスピタリティ(外形的な技術や設備でなく、精神的に患者に寄り添う姿勢)」であり、病院が競合する上での差別化のポイントだ。ホスピタル(病院)は、本来そのホスピタリティを体現することで患者という顧客の満足を得るソーシャルビジネスなのだ。

 

コロナ以後、メディアで医療崩壊という言葉を耳にしていたが、僕のいるフロアはしっかり看護師のスタッフィングも出来ている。50人の患者を30人近い看護師チームのシフト制で回している。彼女らの勤務は交代制で夜勤もあるが、しっかり週休2日を取得できているそうだ。土日は少人数体制なので、彼女らは休む間もないくらい走り回っている。

ある日の担当の看護師さんに聞くと、1人で7人を担当するそうだ。僕的には期待以上の看護サービスに満足しているのだが、この高い患者・看護師比率で経営的に大丈夫なのか?と聞いてみたところ、このサービスを維持するには増員したいくらいだと婦長は言っていた。経営数値は分からないので何とも言えないが、入院棟だけでなく、外来医療や企業の福利厚生(人間ドック)などトータルで益出ししているのだろう。

 

 

 

担当看護師は毎日変わるが、日中に5回、深夜に2回必ず患部チェック、検査、点滴交換に来てくれる。また食事提供サービスまでしてくれる。日常生活でこんなに親切なサービスを受ける事はないので、単純に感謝の念も湧いてくる。

また感心するのは、彼女たちが患者の日々の状態をちゃんと情報共有出来ている点だ。ナースステーションで全体ミーティングを日に何度か行っているのを目にしたし、またサービスしている時間以外はPCで常に患者情報をチェックしているようだった。信頼できるプロフェッショナル軍団だ。なんだか潜入レポートのようになってきたな。笑 そしてこの病院は若いチームのみなさんが責任を持って自発的に動いている様に見えた。

 

ただし、看護を受けていて「この子はこの仕事に向いているな」という人とそうでない人がいた。その差は「ホスピタリティ」の有無だ。同じ作業をするにも前者はプラスアルファの思いやり、気配りを示してくれる人。包帯一つ変えるにもこちらの痛みにエンパシー(共感)を示してくれているのがわかる。ちゃんと患者自体をよく見ているのだ。後者は単なる作業となっており、包帯を変えるという事だけに意識があり、患者のことを見ていない。

また前者は患者への声掛けのタイミングも実に良く、きびきびと身の回りの世話をしてくれる。一患者の身として、前者の様な看護師が部屋に来てくれただけで気持ちがポジティブになり、早く治りそうな気持ちになる。

 

 

看護師、2025年までに最大27万人不足 厚労省推計(東京新聞)

 

日本の医療現場は慢性的な看護師不足に悩むと聞く。婦長さんに今後は外国からの看護師を迎え入れることになるのかと聞いてみると、日本での看護師ライセンスが必要になるので難しいと思うとの答え。ただアシスト業務には既に海外人材も就いているという。実際僕もネパールから来ている女性から検温や食事提供を受けた。また、この仕事にもAI化やDXの波は来るんですかね?との問いに対しては、個々の患者を日々刻々での状態をみて判断する仕事なので、それも難しいと思うとのこと。

看護師さんの業務を観察していて感じた僕の感想は、海外の看護師も日本で就労する事は出来るのではというもの。但し言語教育もセットで日本のライセンスにトランスファーできる仕組みを作ることができれば、だ。また一般入院患者へのルーティーンなサービス、例えば諸々の検査や投薬などはロボットでも代替可能な気がした。もちろん僕個人としては今回の様なヒューマンタッチな看護サービスを希望するが、、、

 

話は変わるが、久しぶりの入院で気付いたのは多くの医師も看護師も、僕の息子、娘の年齢に相当する方々ばかりになっていたことだ。嫌が応にも自分の齢を意識せざるを得ない。実際僕の執刀医は33歳の青年だった。医師といえば自分より年上の方しかいないという妙な固定観念があったが、ここでも確実に世代交代が進んでいるのを感じた。と同時に若い世代の医療チームの優秀さ、頼もしさに敬意を感じた。

担当してくれた僕の医療チームの若い皆さんは、仕事のベースにしっかりとした「ソーシャル・ミッション」をお持ちだった。今回の入院だけでも日本の将来はきっと明るいものだと思うに至った。そして若い人々がさらに活躍できるように、僕らの世代が彼らの土台となって貢献しなければならないと強く感じた。


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