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【 ROCKY通信 】第152回 手術入院雑感

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いつもメールマガジンをお読みいただきありがとうございます。

社会起業大学 学長の林 浩喜(はやし ひろき)です。
 

このROCKY通信では、僕が社会起業家の育成・支援に携わっている中での経験や僕自身の人生での学びや考えをシェアさせていただいています。
皆様の起業のお役に立てられましたら幸いです。
 
 

【 ROCKY通信 】第152回 手術入院雑感

都心の総合病院

 

先週木曜から人生で2度目の入院をしている。東京でも有数規模の総合病院で、ここ20年近く何かあればお世話になっている馴染みの病院だ。今回の入院で多くの気づきや考察があったので2週にわたりそれらについて触れたい。今日は徒然なるままに、入院雑感を。

 

 

シャバとサンクチュアリの境界線

 

検査に来た患者で溢れかえった診療棟ではなく、今回は静かな入院棟。ここはある意味で都会のサンクチュアリだ。死と向き合っている重篤患者には決してそうではないだろうが、短期入院患者にとってはそう感じる。外界とは完全に隔絶された異空間。コロナということもあり、患者は皆部屋にこもっており基本顔を合わせる事もない。会話も医師や看護士との必要最小限のものだけだ。

施術の不安、術後の痛み、粗食の我慢さえできれば、あとは眠るもよし、メディテーションするもよし、読書するもよし、スマホいじりするもよし。しかし沈黙も決して悪くないと思った。日常生活では中々ない事なので、逆に貴重な時間にすら感じられる。

 

 

選択した70sロックでかかったアルバムLED ZEPPELIN IV

 

今回の入院は外科手術で、コロナで予定が延び延びになっていたもの。特に不安も無かったはずなのだが、直前の検査では血圧も含めて多くのデータに異常値が出ていた。看護士によると術前ストレスだそうだ。麻酔は全身麻酔だった。

嬉しかったのは、手術室に入って手術が開始されるまでの間、好きなジャンルの音楽をかけてもらえるというサービス。これには嫌が応にもテンションが上がった。迷わず70sロックのチャネルを選択し、思わず手術台でLED ZEPPELIN IVの名曲ROCK & ROLLに合わせてリズムを刻んだ。これなら何度でも手術したいくらいだ。笑

しかし看護士にアクリル製マスクを被せられた後の記憶はない。そして呆気なく「林さん、終わりましたよ」と起こされた。ものの10分ほど仮眠した感覚だ。しかし実際には2時間半経過していた。執刀医はまだ若く、事前説明の時から誠実ながら自信のある口ぶりに好印象を持った。手術には経験も必要だろうが、体力も気力も要るし、集中力も求められる。若さはきっとプラスにも働くはずだ。

強烈に麻酔が効いていたので、意識が戻ってから目眩と吐き気に襲われた。病室に戻ってからもそれは続き、朦朧としつつ半日ほど眠っていた。その後トイレに行こうとしたが、立てない。無理に歩こうとするが、うまくバランスが取れずフラフラだ。全身麻酔恐るべし!

 

 

ザ粗食!不味くて美味い院内食

 

翌日から、トイレ以外は寝たきりだった。唯一の楽しみは3度の食事。量は少ないし、お世辞にも美味いとは言えないものだが、常時空腹なので美味く感じられる。やはり「点滴ご飯」では満足できない。毎食、ご飯、味噌汁、酢の物、野菜の煮付け、そして小片の蒸した様な魚が付く。実際魚は蒸したのか煮たのか焼いたのかわからない調理で、しかもほぼ味無し。これに時々果物が3切れ付く。

規則正しい日に3度の食生活、しかも少量の薄味。これは普段の真逆。まるで禅寺に合宿に来たようだ。しかし、しかしだ。簡素とは言えこれが実に美味いのだ。廊下で配膳準備が始まると食器がカチャカチャ鳴り、僕の腹も呼応するかの様にグーグー鳴りだす。そしてほのかな出汁の香りが部屋に流れ込むともうたまらない。

地味な野菜の煮物は、個々の野菜の味も匂いもよく分かる。味噌汁の出汁も昆布だったり、カツオだったりするのだが、非常によく分かる。魚は冷凍物でいまいちだったが、タンパク質が与えてくれる力は感じることができた。米は噛むほどに甘く、至福。とにかく1600kcalと熱量・分量とも少ないので、有り難みを感じつつ味わって食べた。

明治期に三井物産を創った益田孝が自叙伝で何度も言っていた。粗食が一番だと。その意味がよく分かった。「粗食こそ贅沢」。これは大きな気づきだった。

 

 

病床からの外界の夜景
写真 深夜の病床

 

少しばかり辛いのは消灯後だ。見舞客がいないとはいえ、日中はまだ診療チームや掃除業者、給食業者等の人々による活気がある。しかし夜9時の消灯後は静寂に占有される孤独な時間だ。窓外に目をやると、高層オフィスや住宅にはまだ灯りがあり、暗くなった病棟フロアとは対照をなす。たまに苦痛の呻き声や、看護士にヘルプを求めるベルが聞こえてくるが沈潜した都会の闇だ。

ついつい考えるのは、そんな中で癌や難病の痛み、そして恐怖と戦っている人もいるだろうということ。患者には高校生、大学生らしき若者も見かけるが、病床できっと将来への不安を覚えることもあるだろう。若いので一見元気そうに見えるのだが、ちょっとした表情には不安も翳る。ここはひとつ人生の「意味ある踊り場」と解釈して欲しい。そして治療に専念し、早く治癒されることを祈りたい。各界の大成功者の中には、若き日の闘病経験をバネにした人も多いのだから。


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