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社会起業大学 学長の林 浩喜(はやし ひろき)です。
このROCKY通信では、僕が社会起業家の育成・支援に携わっている中での経験や僕自身の人生での学びや考えをシェアさせていただいています。
皆様の起業のお役に立てられましたら幸いです。
2月に入り3度にわたる山口県周南市における公開講座を実施させて頂いた。タイトルは「社会起業家入門講座」というもの。主催は「周南創生コンソーシアム」という産官学で構成された地域団体で、周南市が後援についてくださった。
ご参加いただいたのは山口県東部地域にご在住の産官学の皆さん、政治家、女性経営者やシニア起業家、これから社会起業家を目指すことになるかもしれない普通市民の方々まで多くの人々が参加してくださった。仕事だけでなく年齢も性別も実に多様であり、意図していた通りのまさに「ダイバーシティ」の体をなしていた講座となった。
今回、現地開催を予定していたのだが、同地域でのまん防の延長もありオンライン開催となった。多様な参加者がいる中でパソコン操作、僕との画面越しのやりとり、グループワークでの初対面同士のコミュニケーション等心配は山積みだった。そしてこれは想定していたことだが、参加者は「社会起業家」という言葉を殆ど知っておられなかった。
しかし皆さんオンラインでのクラスにも問題なくついて来てくれ、回が進むごとに双方楽しみながら進行することができたと思う。また社会起業家という概念も、皆さん潜在的にそういう指向性を持っていたからだと思うが、説明するとすんなり受け入れてくれたのが印象的だった。そして多くの方々が身近に起きていること、自らの体験を通じて社会課題をすでに「自分ごと」として認識されているのに驚いた。それぞれの方が、それぞれの取り組みたい社会課題を参加時点で持たれていたのだ。
例を挙げると、防災のプロによる防災対策への自助意識を向上させるシステムの開発、海外アーティスト招聘による国際関係人口の増加プラン、就活に苦労する地元高校生と地元企業のマッチング活動等々いずれもが発案者の「アツい動機」に支えられていた。
グループワークも活発に行われ、皆さん初対面同士なのにも関わらず、堂々と自らの持論や価値観を述べられまた傾聴もされていた。フィードバックも本心からのコメントをされていた。これぞ民主主義の原点だと本当に感心してしまった。
また今回はビジネス領域には踏み込む予定にしていなかったのだが、最終発表の時には皆さんそれらしきことも言及されていて、これにも驚かされた。短時間での最終発表であったが、多くのアイデアが表出していた。画面越しに聞いていて「AさんとBさんのアイデアを組み合わせたら、さらに良い事業が生まれるのでは!」という場面も多かった。
この度の講座で参加者の方々と主催側でシェアできた大きな収穫は、「対話」の大切さ、そして「つながり」の重要性を再認識できたことである。これらは講座の第一目的だったわけでは無いが、皆さんも僕も心で感じ口にしていた。案外こういうところに地方創生や地域復活の鍵があるのだろう。そしてそれは日本復活の鍵そのものかもしれない。
参加者の皆様、本当にお疲れ様でした。そして周南創生コンソーシアム、周南市の皆様、このような場を設けて下さり有難うございました。また取材してくださったTV・新聞各社の皆様有難うございました。