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社会起業大学 学長の林 浩喜(はやし ひろき)です。
このROCKY通信では、僕が社会起業家の育成・支援に携わっている中での経験や僕自身の人生での学びや考えをシェアさせていただいています。
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10月6日、1970年代から80年代にかけての最強ロックバンドの1つ、Van Halenのギタリスト、エドワード・ヴァンヘーレン(通称エディ)が癌で亡くなった。もう10年以上も舌癌を患っていたそうだ。何も知らず、当日ニュースで知って驚いたが、まだ現実感がない。エディの方が僕より1回り上だが、同時代を生きたエディに関する思い出は尽きない。彼の出現でギタープレイに変革が起きた。書きたいことは山ほどあるが、今日はその一部を。
まずは1978年に出たファーストアルバム、当時中3だった僕は音楽誌の広告を見て何か直感が働き、迷わずレコードを買った。針をレコードにストンと落とすと、少し間を置いてあの“Running with the devil”のギターイントロが出現し、本当に別世界に飛ばされてしまいステレオの前で完全KOされた。KINKSの名曲”You really got me”のカバー曲なんかも入っていて出色のデビューアルバムだった。今も時々聞いている。持論になるが、グレートになるバンドやアーティストは例外なくファーストアルバムが傑出している。
翌年に出たセカンドアルバムも良かった。一番好きだった“Dance the night away”という明るくポップな曲を、留学していた1994年夏、ロスからサンディエゴへの海岸線のハイウェイを1人ラジオを聴きながら運転していた。そしてその曲のイントロでエディのギターが鳴った瞬間、僕は完全にイってしまった。窓を全開にして爆音で聴き大声で歌った。そのまま翼が生えて空に向かって飛んで行ってしまいそうな「自由」を腹の底から感じた最高の瞬間だった。
そして何より思い出に残るのは、アルバム5150に入っている“Dreams”。 1996年夏から起業準備を進めていた僕は資金調達で苦労していた。いくらベーグルのことを事業計画書をもとに語っても投資家達にわかってもらえない。さすがに強気の自分も凹みがちな1年だったが、来る日も来る日も“Dreams”を聴き続けて自らを鼓舞した。そんなに有名な曲ではないのでファン以外は知らないと思うが、名曲中の名曲だと思う。勇気をくれる歌詞、起承転結のある展開、そして曲の終盤でのエディの目にも留まらぬ疾走感満点のギターソロ。この曲が僕の起業家としての姿勢を決めてくれたと言っても過言ではない。その後設立した会社の社名は、その曲から取り”Dream Corporation“にした。
それ以外にも“Jump”や”Panama“など、聞けば誰でも知っている曲も含めて名曲はたくさんある。そしてエディが巻き起こしたギター奏法の革命は、後進のロッカーたちにとてつもない影響を与えたことと思う。個人的には「ハードなのだがポップでメロディアスなところ」がVan Halenの好きなポイントだ。歌詞にも変に思想や哲学が入っていないので、シンプルで爽快。だからどんな精神状態、体調にある時も気分良く聴ける。そしてエディの縦横無尽なギタープレイがその中心にあることは言うまでもない。
あれだけの大スターだったエディですが、デビュー前はいわゆるオタク系少年だったという話を聞いたことがあります。学校から帰ったら1人ガレージにこもってギターの練習をやっていたそうです。ニキビ面で、対人関係も苦手で、女の子にも全くモテなかったそうです。なんだかアップルのジョブスにも重なりますね。
でも本当に好きなことに迷わず打ち込み、これまでになかった奏法を編み出し、世界中のロックファンを熱狂させたエディは、きっと悔いは残していないのではないでしょうか。1度きりの短い人生を、自分の才能を生かしきって逝ったエディに合掌。
さあ、今日も拳を上げて前進だ!