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「悔しい」という感情から意外な自分に気づく。女子高生がMCバトルに夢中になる漫画「Change!」

ラップといえば皆さん何を思い浮かべますか?

私にとってはあの渋谷のスクランブル交差点でパフォーマンスしてる人が一番身近です。

が、なんともこれでは遠いです・・・。

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私はこれまでラップと縁のない人生を歩んできましたが、最近読んだ「Change!」という漫画で、初めてラップの空気を味わいました。

主人公の「しおりはいわゆる箱入りのお嬢さま。

伊勢物語な古文をたしなむ、大人しい女子高生。

しかし、ひょんなことから渋谷のクラブに行くことになり、MCバトルという新たな世界に足を踏み入れていきます。

MCバトルは、2人一組で先攻後攻に分かれ、ラップを仕合い、どちらがより観衆の心を熱くさせたか、勝ち負けを競うラップバトルです。

大人しく、目立つことが苦手な女の子が、観衆の目にさらされながら相手と1対1でガチンコにぶつかり合うときに、いったい何を感じるのでしょうか?そしてどのように動いていくのでしょうか?

しおりはどんな言葉を刻んでいくのか。ついていきたくなる主人公です。

また、「Change!」はキャラクターだけでなく、音がにじみ出る演出が魅力的です。

音楽系の漫画は個人的にとても好きなのですが、どうしても演奏シーンを言語化することができず、勢いや具体的な空気感のインパクトが物足りなくなることもあります。

しかし、「Change!」を読んだとき、はじめて頭の中でリズムが流れました。ラップのセリフが全部表現されているので、リズム、さらにその裏に流れているBGMにまで飲み込まれるような漫画です。

一気に引き込まれたとき、ラップを食わず嫌いしていたなと反省しました。

これまで、何やチャラチャラしたものやなと思い、まじめな私はどうやら無意識に避けてきたようです。

相手の言ったことにすぐに即興で言葉を選び、韻を踏みラップにして返すなんて芸当、コミュ障の僕にとっては遥かかなた遠い世界だと思ってました。

しかし、この主人公はまさに、私と同じく引っ込み思案でルールを破るなんて到底出来なさそうなまじめさん。そんな子でも、「まじめ」からは正反対なところに才能があるもんだと、判明したりするのです。

私も昔はてんでセンスがないと思っていたことにも、実が意外にセンスがあったりするというのが判明しました。ピアノなどの音楽もやればできるもんだと思いました。

写真なんかは数年前まで撮るのも撮られるのも嫌いでしたし、ピアノも12歳までやっていた時は早く辞めたくて仕方ないぐらいだったのに不思議です。

皆さんもどうですか?
実は意外なことに向いてたりしたことはありませんか?

「それでも俺には才能がない!」とか、「まだそんな経験ない!」という方、周りの人から見れば実は才能だったとか、向いてたことだったとかがあります。これが盲点の窓や、未知の窓です。

自分のまだ気づかぬ才能を知るには、憶するのではなく、なじみのないことを試してみたり、周囲の人たちに本気のフィードバックをもらう必要があります。

その瞬間はキラキラ輝いた綺麗なワンシーンではないかもしれません。

「Change!」のしおりは、最初にMCバトルで対戦した時に、頭が真っ白になりそうな極度の緊張感の中、怖い思いをし、打ちのめされました。

けれど、それでもラップで返した気持ちいい瞬間と、「負けて悔しい」という抑えきれないな想いに気づいて、ラップの道に入っていきます。

何かするのが億劫だったり、できない・苦手だから怖いものってありませんか?

けれども、そういった中に案外向いてるものや、求めている世界があるのかもしれません。

皆さんもまだ見ぬ自分がいるのではないでしょうか?

そんな世界を歩むきっかけや、支えになる一冊だと思います。

1話試し読みもできるのでぜひ。


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