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社会起業大学 学長の林 浩喜(はやし ひろき)です。
このROCKY通信では、皆さんが、人生やビジネスのヒントとなるようなお話をさせていただければと思います。
皆さんのお役に立てましたら幸いです。
開会式のセーヌ川(引用:Franceinfo: sport (AFP))
パリオリンピックが終わった。毎日見ていたわけじゃないけれど、ネットニュースを中心にちょこちょこ確認していた。まずは前半戦。柔道で稼いで一瞬金メダル数が1位になった。その後8位に落ちたが、後半で盛り返して今回は金20の3位で終了!これには参った。まさかこんな日が来ようとは、、、それも開催国のフランスを抑えて。金でなければ喜べない感じになってしまい、選手達には申し訳ない気持ちになる。
細かく見れば獲った種目の軽重も含め議論の余地はあろうが、そんな話は抜きにして感じたのは日本の若者たちのメンタルの強さだ。アウェーでも堂々と力を出せるのが凄い。きっとスポーツ界もメンタルトレーニングを積極的に取り入れてきたのだろう。また大谷翔平を筆頭にメジャーで日本選手が華々しく活躍しているという心理的なプラス効果もあった気がする。どの競技でも初出場選手も勝つから敬服だ。ソウル五輪あたりまでは東西冷戦の残り香もあり、政治的な国威発揚にオリンピックを利用していたロシアほか東欧諸国の不気味なまでの強さが目立った。選手達はロボットのように強く、無表情で子供心に怖かった。その頃の日本選手はどこか委縮してしまい、普段通りの力を出せずに会場の雰囲気に呑まれてしまい期待されていても勝てないことが多かった。それを見続けてきただけに、パリオリンピックには隔世の感がある。
レスリンググレコ競技 金メダル文田健一郎選手 (引用:NHK NEWS WEB)
今回の収穫は、種目としての初金や半世紀ぶりの金といったものが目立ったことだ。フェンシング、やり投げ、レスリングのグレコといった伝統種目からからブレイキン、スケボーといった新種目まで。個人的にはレスリングのグレコローマンで文田、日下の2人の男子が金を獲ったこと。グレコは腰から上の上半身だけでガッツリ組み合って戦う競技で、まさに上半身の物理学的強さを競うような種目。欧米系人種に比べて体幹や上半身の筋力の劣る日本人には不利な種目なのだが、それを2個も金を獲るとは、、、ロス五輪以来の40年ぶりだそうだ。ロス五輪は東欧諸国がボイコットしたので、今回のメダルの価値はそれ以上だ。またフェンシングで金メダルを獲ったのにも驚いた。欧州の伝統競技であり、競技人口の少ない日本の選手が男女とも個人団体でメダルを獲得するとは、、、
パリの街自体をフィールドにしてしまった開会式から、多くの競技会場の雰囲気も良かった。市民のウェルカム色が他国選手も包み込まれたかのような。もちろん市民はフランス選手に声援を送るのだが、他国選手の健闘も讃えた。国際的には一部まだ戦争は続いているがこれも旧冷戦時代には無かった構図だ。メダルを争った選手同士も、表彰式の壇上では長年の友であるかのような振る舞いをしていた。内心本当かよ?と疑念も湧いたが、彼らの表情からは何の演出も感じられない。立派なことだと思う。時代は本当に変わったのだろう。
柔道団体戦男女混合 苦杯の涙(引用:毎日新聞)
1つだけ、パリオリンピックで最も悔しかったことを。柔道の団体だ。男子体操団体とは対照的だった。勝てた試合を落としてしまった。これはライブで見ていたのだが、不甲斐ない逆転負けに深夜「怒りの絶叫」をしてしまった。笑 キーだった阿部一二三選手も負けてしまい、メディアを通じてチームの敗戦を涙ながらに謝ったという。勝負事なのだから負けることはあるし、それは仕方ない。ただ一人一人が本気で勝負に行って負けたのなら、という注がつく。
敬愛する広島カープの故津田恒美の名言「弱気は最大の敵」だ。個人戦で多くのメダルを獲得し勢いもあったので、団体では東京の仇を取ってくれるものと思い込んでいたが、斉藤の敗戦で流れが変わってしまった。偉大な父故斉藤仁さんと比べられて可哀そうな面もあるが、絶対王者リネールに思い切って勝負に行って欲しかった。才能・実力はあるのだから、精神面を強化して是非頑張ってもらいたい。
と、ここまで柔道団体のことを批判的に書いたが、昨夜ニュースで内情を知った。個人戦で多くの中心選手が怪我で団体戦に出れなくなり、ベストのチーム編成が出来なかったというのだ。結果的に多くの選手が自分より10キロとかさらにそれ以上大きな相手と対戦せざるを得なかったというのだ。自分も体重制のボクシングをしていたからわかるが、2、3キロの体重差でも大きなパワーハンデとなる。そうだったんだね、日本チームのみんな。だからといってフランスチームの金メダルに土が着く話では決してないが、盟主阿部の敗戦すらも納得がいった。
あとムハマド・ユヌスさんの仕掛けたソーシャルビジネスが、パリオリンピックでどのような成果を残せたのかとても気になる。その後の情報を待ちたい。
さて、これからパラリンピックだ。この良いパリのウェルカムな雰囲気を楽しみつつ、日本選手団の皆さんメダル目指して頑張ってください!