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社会起業大学 学長の林 浩喜(はやし ひろき)です。
このROCKY通信では、僕が社会起業家の育成・支援に携わっている中での経験や僕自身の人生での学びや考えをシェアさせていただいています。
皆様の起業のお役に立てられましたら幸いです。
先週読んだ新聞によると、宝くじが売れなくなっているという。こんな不景気な世相で、みんな逆転人生狙って飛びついているのかと思いきや、10年前のピークに比べて70%台だというではないか。しかも買っている人の半分近くは60以上のシニア層だそうだ。僕も以前買った時期があるが当たったことは一度もない。
以前から何となく聞いてはいたが、宝くじの収益金は社会課題の解決に使われるそうだ。宝くじの広報サイトを見ると、「発売元の全国都道府県及び20指定都市へ納められ、高齢化少子化対策、防災対策、公園整備、教育及び社会福祉施設の建設改修などに使われています」とある。つまり、、、これは立派なソーシャルビジネスなのだ。
しかし考えてみれば、宝くじはすごいビジネスモデルだ。くじを売り出した時点では、当選賞金はまだどこにも存在していないが、一般庶民が先行して買ってくれた売上の一部(約47%)が賞金に回されるというもの。完全なノーリスクビジネスだ。テラ銭が国に上がっているのなら、これは公営賭博だ。笑
しかし、新聞でも識者が言っていた通り、もしその収益の一部(約40%)が大義のために使われていることを周知できれば、宝くじの購入は社会貢献につながる意義ある行為となる。よって購買行為自体がまた違う展開になると思う。つまり、一攫千金が第一目的ではなく、社会貢献への間接参加が第一目的になれば、ということだ。
僕はかつて起業資金に困った時代があるので、宝くじを買ったことは何度もある。しかし、わざわざ空いていそうな売り場を選んで周囲を見渡してから買っていた。笑 多分僕の中ではなんだか恥ずかしい行為だったのだと思う。
宝くじに関する記憶に残っている身近な話を3つ。
大学時代に家庭教師で通っていた家のご主人は、お金持ち仲間で出資し合って莫大なタネ銭を募り、それで連番でまとめ買いしていた。千万単位のアタリ券には何度か当たったようなことを言っていた。そして山分け。そんなやり方もあるんだと感心したが、地引網みたいでなんだかつまらない気もした。
もう一つは知人の会社の同期が、年末ジャンボで連番1等賞(10億円)をヒットした話。当選確率にして2000万分の1!飛行機事故死で11万分の1(当選はその182倍の難度)、落雷死でも70万分の1(当選はその28倍の難度)だという。つまりいかに1等を当てるのが奇跡的な数字かということ。その当選者は知人以外にはその奇跡については語らず、ひっそりと勤めていた会社を去っていったそうだ。そして、今となっては音信不通だそうだ。
普通の人間がそうなると、多分人生が狂ってしまう気がする。彼の人生は一体どのようなものとなったのだろう?とても興味深い。映画に撮りたいテーマでもある。宝くじに当たった人を4人ぐらい選んで、ドキュメンタリーでその後の人生を追うオムニバス形式。ちなみに意外だったのだが、調べてみると当選者の使用使途は圧倒的1位が貯蓄で、43%だという。日本人らしいが、なんだかちょっと寂しいな、、、
最後に小さな話を。30年前の話だが、結婚式で最後の引出物がわりに宝くじをくれた友人がいた。とてもユニークで、こんな使い方もあるのかとある意味粋に感じた。当選くじである保証は当然全くないのだが、なんだか幸せのお裾分けをしてもらった気分で暖かく嬉しかったのを覚えている。
さて、主宰している社会起業大学の学生たちにはこれまで言ってきた。
宝くじ買うな!と。
偶然に賭ける人生よりも、自分の意志で拓く人生の方がよっぽど楽しく、成功の実現性も高いのだから。
でも宝くじに社会貢献性もあるのなら、少し考えを変えてもいいかな、、、
宝くじ、買ってもいいよ!と。笑