【 ROCKY通信 】第130回 世田谷区NPO「フリースクールぼくんち」 訪問手記 | 【公式】社会起業家を育成するソーシャルビジネススクール 社会起業大学

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【 ROCKY通信 】第130回 世田谷区NPO「フリースクールぼくんち」 訪問手記

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いつもメールマガジンをお読みいただきありがとうございます。

社会起業大学 学長の林 浩喜(はやし ひろき)です。
 

このROCKY通信では、僕が社会起業家の育成・支援に携わっている中での経験や僕自身の人生での学びや考えをシェアさせていただいています。
皆様の起業のお役に立てられましたら幸いです。
 
 

【 ROCKY通信 】第130回
世田谷区NPO「フリースクールぼくんち」 訪問手記

U先生の特製おむすび

 

ひょんなご縁で、世田谷区のNPO「フリースクールぼくんち」を訪問することになった。目的は2つ。最初の目的は次女が保育園時代にもっともお世話になったU先生に10年ぶりに再会させるというもの。U先生が「ぼくんち」というNPO施設でボランティア活動をされていることを偶然にも僕の知り合いから聞いたからだ。直前になりその訪問先が不登校の子を受け入れるセカンドホーム施設だと知り、僕自身の学びという目的も付加された。

U先生は、保育園時代は真正面から子供と向き合う姿勢で幼児教育に携わる人だった。現在はフリースクールの活動に参加されている。「ぼくんち」では毎週手作りおむすびを不登校の子たちに振舞う役割。先生は、一人で仕込みから後片付けまで手際よくこなしておられた。そして代表の高橋トール氏は子供と談笑しつつ、実に暖かい家庭のような空気を作られていた。施設には区内から通って来る子や親子が多いが、遠方から来ている子もいた。

 

課外活動 霧ヶ峰キャンプ
創作活動 アートと餃子づくり

 

不登校の子の通う施設は初めての訪問だったが、あっけなく当初の予想は覆った。来ていたのは皆ごく普通の子供たちだった。子供といっても小学1年から高校生まで幅はあったが、ちゃんと会話は成立するし、そのプロセスから協調性を持っているのもわかった。

 

どこでどうなって不登校になったのか?さすがにそこまでは分からなかったし聞くこともできなかった。しかし本人たちもそれほど臆している風でもない。ある小学生は挨拶を交わした後に「僕5年生です。ちなみに不登校です!」と堂々と言っていた。その場にいる姿だけをみていると、どうして学校に行かないのか全く分からない。だから事情を理解していない人間からすれば、ちゃんと学校に行けるのに行っていない、もしくは親が寛容すぎるのではないかとか訝ってしまいそうになる。そこの理解不足も課題だ。

 

でも何の理由もなく、不登校になるはずは無いのできっとそれなりの理由背景はあるのだろう。先生との関係性か、クラスメートとの関係性か、家庭内の何らかの事情等きっと何らかの人間関係に起因する理由があるのだろう。

学校という小さな社会の縮図の中で適応困難になってしまうのは、まだ社会耐性が無い中での精神的なアレルギー反応ではないか。学校の管理に対する、級友たちのちょっとしたイジメに対する、家庭内での不和に対するアレルギー。それらの抗原に対する抗体が出来ない、純粋だからこその真っ当な反応。考えようによっては、子供のうちからしっかり耐性を持っている方がおかしいのかもしれない。

僕はこの問題を語れるほどの知見は持ち合わせていない。このような施設の存在で、不登校の子供たちが「自分らしくいられる場」があることはとても重要だと思う。しかし彼ら彼女らがそうならずにすむ社会がつくれるならそれがベストだ。大人の社会がそのまま子供の社会に縮図として反映されているのだから、原因療法としては大人の価値観の転換にあるのでは無いか。などと帰途考えた。

 

課外活動 楽しい屋外暖炉

 

U先生は、娘と10年ぶりに再会し一目見るなりハグして涙を滲ませていた。保育園時代に3年間も担任した子が大きくなってシンプルに喜んでくれたのだろうが、保育士として自分のしてきた仕事への誇りの感情もあったのではなかろうか。

教育は時間のかかる一大プロジェクトだ。果実が実るまでの道のりは長い。そして成果の因果関係もハッキリしないなかなか難儀な仕事である。有名大学への合格者数を成果として競うのならいざ知らず、人間教育は人としての根を張らせる大事な仕事だが、深い人間愛と忍耐力が無いと続けられる仕事では無いだろう。U先生のような方の存在が必要なのだ。

 

おむすびはコロンとした可愛いかたちで、アンパンマンに出てくる“おむすびまん”そのもの。ボリューミーでかつ美味かった。米は精米からこだわったものだそうで、噛むほどに甘みが出る味わい深いものだった。パリッとした海苔や具材のイクラや梅、昆布との相性も抜群。そして何よりU先生の愛情たっぷりであった。子供たちも実に美味しそうにしっかりとたいらげていた。


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