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社会起業大学 学長の林 浩喜(はやし ひろき)です。
このROCKY通信では、僕が社会起業家の育成・支援に携わっている中での経験や僕自身の人生での学びや考えをシェアさせていただいています。
皆様の起業のお役に立てられましたら幸いです。
先週末、社起大23期の修了式が無事執り行われた。継続するコロナ問題にオリンピック騒動であっという間の半年間だった。本当に早かった。そのような中、紆余曲折ありつつも皆さん社会起業家になるべく前進され、より良き未来、社会そして自己への羅針盤を手に入れられた。社起大史上最もタフなカリキュラムとなった今期だが、皆さん本当によく頑張ってくれたと思う。ここに御礼の意を表したい。
今期の生徒さんの事業計画書の特色は「ご自身の強みを生かした、本当に取り組みたいこと」が多かった印象である。国際的ソーシャルビジネスのコンテンツも多かった。期中ではやりたいことをビジネスモデルとして表現するのに皆さん本当に苦労されていたが、ラスト1ヶ月で追い込んで形にしてくれた。苦手意識を持たれることの多い財務のパートに関してもそつなく仕上げてくれた。
そして統合アクションとも言えるプレゼンテーション資料の作成及びその実地プレゼン演習については、当初は皆さんあまりにも情報を詰め込みすぎて収拾がつかなかった状態から、ラスト2週間で見事にソリッドなものに仕上げてくれた。特にラスト1週間の追い込みは驚きを伴うものであり、多分ご本人たちが最も成長と満足を感じておられるのではなかろうか。
そして現役トップクラスのベンチャーキャピタリストの方々の前での本番プレゼンテーション。皆さん自信を持って素晴らしい成果を披露してくれた。その全てをここでご紹介したいくらいだが、紙面の都合上、またプランの守秘義務上、受賞された生徒さんのプレゼン内容を簡単に列記してみる。
賞には3種あり、最高賞であるSEC ROCKY賞、理念にSEC AXIS賞、共感賞であるSEC EMPATHY賞、そして今回は臨時の特別賞としてSEC SPIRITS賞がそれぞれ4氏に贈られた。
社起大でもっとも栄誉ある賞。今回選ばれたのは「グリーフケア」というソーシャル市場の創造に取り組もうとされているHM氏。入学時からソーシャルミッションにブレがなく、その思いの強さをビジネスプランの域まで見事に表現された。今後、市場の拡大も想定される中、優しく思いやりに溢れるHM氏の奮闘に期待したい。
今回は北九州市から完全リモートでご受講されたNT氏。プランは独居老人のデイケアサービス。ポイントは空き家を活用してのプランであること、子供達と交流するという役割があること、心のこもった食事メニューを食べられること等。新規事業として取り組まれるこのビジネスプランに対するNT氏の覚悟は本物だ。
クラスメートから共感度の高かったIM氏のプランは、日本文化の一般普及活動を通じて日本人の持つ本来の精神性を呼び覚ますと同時に心の健康を取り戻そうというもの。一見社会課題解決なの?と思われる方もいるだろうが、文化という社会資本の持続と個人の精神的健康の獲得というユニークな掛け合わせが共感のポイントであった。
贈られた特別賞は、現在障がい者施設に勤務するNT氏。業界では経営効率の観点から障がい者の方々を分類セグメントしているが、NT氏は様々な方々を一緒に支援すべきだという信念を実現すべく、新しいタイプの障がい者支援施設作りに取り組む。その本気度の純度があまりに高いため、蒸留酒のスピリッツに例えて贈られた賞。
ご卒業された皆様、どのような道を歩もうとも、ソーシャルミッションを決して忘れずに生きていって下さい。それがあなたの人生の新たな北極星となります。