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社会起業大学 学長の林 浩喜(はやし ひろき)です。
このROCKY通信では、僕が社会起業家の育成・支援に携わっている中での経験や僕自身の人生での学びや考えをシェアさせていただいています。
皆様の起業のお役に立てられましたら幸いです。
今週、ソーシャルインパクト投資について第一人者の方からの学びがあった。日本ではここ数年で議論されるようになった概念で、先発する欧米に取り残されることないよう今後拡大されてゆく投資分野になるようだ。因みに世界のインパクト投資額は75兆円でこの4年で約50倍に拡大している。日本のそれは4500億で0.6%相当だ。本で読んである程度は知っていたが、プレーヤーの方から聞いた実際の話は少し異なっている印象だった。
ソーシャルインパクト投資とは、社会的なリターンと経済的なリターンの双方を目指す投資であり、社会課題の解決を図りつつ収益も追うというかなりハードルの高い投資スタイルだ。逆に投資を受ける側からするとこれもハードルの高い増資となるように聞こえた。というのはインパクト投資ファンドの場合も従来型ベンチャーと同じく基本は上場を目指すこととなり、その基準も従来枠と同じものとなるとのことで、増資を受ける側の経営者および従業員は相応の覚悟と高い志が必要になるからだ。(現在ソーシャルセクター向けに異なる基準を設ける為の委員会や勉強会が国や大手金融機関らにより行われているそうだ)
ソーシャルインパクト投資の潮流は、世界的には2013年のサミットで英国がソーシャルインパクト投資を推進するために加盟国に呼びかけたのに端を発する。日本でもここ数年はESGやSDGsの文脈での投資が後押しとなり大手金融機関やVCも参入しているそうだ。しかし参入各社も日本にフィットする形でのインフラを作るべく、まだまだ手探り状態で試行錯誤中とのこと。肝となるべきソーシャルインパクトの評価方法は、投資事例の増加に比して徐々に固まってきているそうだ。先週月曜日のメルマガでも書いていたロジックモデルにおいて、その事業に相応しいKPIを設定し定量測定を行うのが基本。そしてもし既存市場と同じモノサシを当てるのであれば、最終的には結果として生まれたソーシャルインパクトをどう金額評価に換算するのか?という方向へ向かうのかもしれない。僕の知識、理解不足もあるし、まだある種混沌としている現状もあるので判断するには早いが、単純にモノサシが2本になるぶん従来型のエクイティ投資以上に難易度が上がりそうな気がする。
先週水曜に社起大で行った阿久澤剛樹氏による特別講演「里山アセットマネジメント」にはその後多くの皆様からコメントを頂戴しました。特に響いていたのは自分のミッション再確認、自分の無形資産(知見や人脈等)を異分野で活かすという発想、ライフステージの中で起業のベストなタイミングを模索し実行したことなどでした。アーカイブもご用意する予定がありますので、見逃された方は是非ご覧ください。
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さあ今日も拳を上げて前進だ!