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社会起業大学 学長の林 浩喜(はやし ひろき)です。
このROCKY通信では、僕が社会起業家の育成・支援に携わっている中での経験や僕自身の人生での学びや考えをシェアさせていただいています。
皆様の起業のお役に立てられましたら幸いです。
社会起業家の条件とは何だろう?
直観で飛び込んだ社会起業家という世界。お会いしたり書物で知った社会起業家の方々は起業の「動機」つまり起点がビジネス起業家とは決定的に異なるのを感じる。多くのビジネス起業家が良い意味でも悪い意味でも野心が起点となっているのに対し、社会起業家は公共心や倫理観がベースとなっている気がする。
前者はいわゆる資本主義の原理に基づき売上、利益を求め企業価値の最大化を求める。後者は損益以上に課題の解決やソーシャルインパクトにゴールを置き、目先でなく社会的役割のために生きる。前者は理屈上規模に際限がないのに対し、後者は取り組んでいる解決がなされれば自己消滅するという選択肢もあり得る有限の世界。
ただ、社会起業家という響きにはなぜか湿っぽさや裏寂しいイメージはない。行動は地道に、しかしアイデアはダイナミックに、正々堂々と歩む生き方を感じる。
では社会起業家とはどういう人たちなのだろうか?どういう条件を兼ね備えた人が向いているのだろうか?セミナー等でもよく聞かれる質問だが、以下ランダムに思いつくことを書いてみる。
1.自己ミッションを社会に向けて意味付ける人
2.ビジョナリーな人
3.長期視点で物事を考える人
4.戦略的思考を持った人
5.常識、慣習にとらわれない人
6.共感力、協働力の高い人
7.公共心、倫理観のある人
8.富、権力、名声といった外的価値よりも内的充足感に幸福や成功の定義を見出せる人
これら全部を満たすことが社会起業家になる為の必要条件という訳ではないし、あくまで仮説に過ぎないけれど、こうして見てみると聖人君子のように思えてくる。ビジネス起業の経験者として、ゴール達成までの時間軸の長さ、そのプロセスでのエゴとの闘いがあるように思う。
ソーシャルインパクトを出すには、通常のビジネス起業よりも超えねばならぬハードルがより多い気がするし、出した利益も経営者やステークホルダーに還元されるビジネス起業に比し、社会起業は優先的に取り組んでいる社会課題そのものに再投資されるというもの。自制心を持って取り組んでゆくのが社会起業家なのだ。だからミッションが、動機が問われる生き方なのである。
僕のスポーツヒーローが先週2人もこの世を去りました。1人は柔道家古賀稔彦。もう一人は名ボクサーのマービン・ハグラー。古賀さんは頭角を現してきた1980年代半ばから応援してきました。それものめり込んで。対戦相手が誰であろうとどんなタイプであろうと関係ない。とにかく自分から仕掛けて、最後は伝家の宝刀一本背負いを決めに行く。
とことん「自分らしさ」を追求した柔道。とことん「自分の強み」を磨き上げた柔道。美しく分かりやすい柔道。相手は一本背負いが来ると分かっていても気付けば畳の上で大の字に。その迷いの無さに惚れ込んだ。古賀さんの試合ではいつも自分も一緒に戦っていました。TV中継を見ながら相手に見立てた椅子をひっくり返したこともありました。笑 それぐらい好きでした。
我々は日本の格闘史に残る至宝を失いました。あまりの急な出来事にまだ事態を受け入れられません。しかし合掌。
さあ今日も拳を上げて前進だ!