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社会起業大学 学長の林 浩喜(はやし ひろき)です。
このROCKY通信では、僕が社会起業家の育成・支援に携わっている中での経験や僕自身の人生での学びや考えをシェアさせていただいています。
皆様の起業のお役に立てられましたら幸いです。
週末、社会起業大学の授業の中でHBSのケースメソッドを用い、デザインシンキングについて学んだ。講師は青山ビジネススクールのマーケティングがご専門の黒岩健一郎教授。オンラインではあったが約3時間にわたる熱意溢れる討論が展開され、さながらサンデル教授の白熱教室の様相であった。
デザインシンキング(デザイン思考)とは、論理的思考が主流であり万能とされている感すらある昨今ではあるが、ある意味その対極的な思考プロセスであり、課題に対して特定の解をひねり出すというよりも、より良き理想からの逆算でどういうプロセスを経てそこに辿りつくかという発想だ。
極めて自由な環境を作り出し、どんなことでも言い合えるブレストの場を重視し、複数の選択肢を同時並行で拡散的に思考しつつ、行きつ戻りつしつつ問題解決に向かうというもの。社起大で最近よく用いられるロジックモデルもまさにそれらの要素を大きくはらんでいる。
今回のケースのタイトルは「フェーズ・ゼロ:IDEOによる新サービス導入」というもので、自由で進取の気質溢れる専門家集団からなるIDEO社という世界的デザインファーム(現在博報堂傘下)が伝統的大企業気質のシモンズ社(世界有数のベッドメーカー)のリクエストに応えるべく、フェーズ・ゼロという開発手法を使ってベッド市場における新しいニーズを発見し、そこにマッチした商品を提案するというもの。
そこにはマーケティングやマネジメントといった分野に限らず、企業文化、仕事の進め方、組織力学といった人的な要素もあり一筋縄でゴール到達できるわけではない。
※フェーズ・ゼロ/商品開発にあたり、まず顧客ニーズを発見する為に事前の徹底的なユーザーの観察やブレストが行われ、コンセプトメークの試行錯誤のプロセスに大きく比重を置くIDEO社の画期的な商品開発手法
そんな中で今回非常に面白かったのが、本来マーケティングや戦略にカテゴライズされると思われるIDEO社のケースが、議論の主流が組織行動論になってしまったことだ。
僕はケースを読んでそのまま素直にマーケティングにおける市場の開発、新規ニーズの掘り起こしとして内容をインプットし整理したが、クラスの皆さんは人的・組織的な側面からとらえられた方が殆どで、そっちの方面での議論が大いに活性化していた。それもかなり細かいレベルで。
登場人物のA氏はクライアントの社内力学をもっと考えて仕事の進め方を工夫しなければとか、B氏はクライアントをデザインプロセスに巻き込んでおくべきだったとか、911テロで世相が変わったのだからプレゼンのタイミングを見計らうべきだった等々。皆さん会社組織でご苦労されているご様子が手に取るように伝わってきて、申し訳ないが微笑ましくもあった。
今回改めてケースメソッドは生物だということがよく分かった。参加者のバックグランドや専門性などによって大きくメインテーマが変わってしまうこともあると。そして黒岩先生は無理に流れを引き戻すこともせず、生徒の自主性に任せて伴走されていたところも大変興味深かった。
ついにコロナ第4波がやってきました。収束の兆しが一瞬見えたかと思いきや一転変異種の出現で再度逆戻り。実は昨年の3月に知り合いの医療関係者から「コロナウィルス自体は元々存在していたものであり、インフルエンザと比べても特別に恐ろしいものではない。ただし時間の経過とともに変異種発生の確率は高くなり、その時は大変な事態になるかも知れない」というものでした。そしてその通りとなりました。
ワクチンは大量入荷のニュースが連日流れていますが、変異種に対応能力がどれほどあるのかは試してみないとわからないようです。街の様子を見ると、すでにGW気分が横溢しており、昨年の今頃とは明らかに違います。新宿駅の日中のホームに人っ子一人いないのを何度も目撃して衝撃を受けたものですが、、、
緩んでいるという見方もあるかも知れませんが、対策を講じた上で“WITH CORONA”していると言えなくもありません。この流れからすると、コロナが収束した暁には経済爆発が来そうですね。行動経済学!
さあ今日も拳を上げて前進だ!