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社会起業大学 学長の林 浩喜(はやし ひろき)です。
このROCKY通信では、僕が社会起業家の育成・支援に携わっている中での経験や僕自身の人生での学びや考えをシェアさせていただいています。
皆様の起業のお役に立てられましたら幸いです。
社会課題の構造分析、何とも難しい響きなのだろう。自分は教育サイドに立っている人間なので直感的に何を学ぶのかわかるのだが、一般的には首を傾げ眉間にしわを入れたくなるタイトルだ。今期より社起大でスタートした新しいコースである。
ゴールは2つ。
(1)社会課題を表層的に捉えるのでなく、課題の根本的な真因に到達し把握すること。
(2)その真因に対し、どういう手段を用いて解決し、測定し、どのような世界を実現するのかを導き出すこと
(1)について僕はいつも「マグロの解体ショー」と呼んでいるが数本のナイフを使って課題を類型的に分析してゆく。そして課題を引き起こしている真因にたどり着く。ここまでが作業の半分。マラソン競技の往路。
今度は(2)で、その真因を起点でロジックモデルという手法を用いて最終的にその課題を解決した暁にどんな世界が実現出来るのかというビジョンを構想し、行きつ戻りつしながらその実現プロセスを精査する。マラソンの復路だ。
往路は論理的思考力の鍛錬となり、復路は創造的な力も要求される。トータルで左脳を使って、右脳も使って素晴らしい能力開発につながるコースなのだが、これがなかなか脳力を使うのだ。こういう事に関して初めての人には悶絶モノのコースだがその対価は大きい。仕事だけでなく、あらゆる事象、課題に対応できる懐刀を手にすることが可能となるからだ。
最初にレクチャーでその全体像を把握していただく。プロのコンサルタントでもない限り、この過程は一般的にはご存知ない方が大勢であり、それを知って頂くだけでも価値があると思っている。
約30年前にこういう考え方があるということを偶然ビジネススクールで知った。目から鱗の経験だった。まだ若かったので、これさえあればあらゆる艱難に立ち向かえると興奮したのを覚えている。一般人は普段使っていない脳を駆使するので、苦悩しながらの匍匐前進のようで大変だ。今回のクラスには74歳の経営者の方がおられるが、自分の息子世代に混じってご努力されている姿には、敬意の念を禁じ得ない。
社起大では全体像を俯瞰して頂いた後に、これを複数のケースメソッド(具体事例)を通じて学んで頂く。ソーシャルビジネスをされている団体の活動内容を題材とし、社起大生には自ら仮想当事者となって頂き、その社会課題の解決に取り組む。そして団体トップの方にもクラスに直接ご参加頂き、双方議論を交わし、社起大生は自分の仮説や思考を実地と照らし合わせて検証してゆく。
一方、議論に参加して頂く当該ソーシャルビジネスのトップの方には、新たな視点に気づいて頂き、そこからヒントや学びを得て頂くという対話型のクラスだ。
ファシリテーターは現役の経営コンサルタントであり、またソーシャルビジネスやNPOの支援実績が豊富な社起大OBの斉藤学氏にお願いしている。このクラスは個人として社会起業家やソーシャルビジネスの実現を目指している方々のみならず、ポストコロナの新たなステージを模索されている大企業の方々にも必須のクラスではないかと考えている次第である。
井上尚弥が日曜にトップコンテンダーとの指名試合をベガスでこなした。対戦相手はフィリピンの世界バンタム級1位の選手。試合前の下馬評は9割方はその通りになるのですが、やってみないとわからないのがボクシング。相性は戦略以上に厄介なものなのです。しかし、尚也は強い!そんな杞憂を吹っ飛ばす別次元の強さ。僕も50年ボクシングを見続けていますが、これまでの日本人とはメンタル・フィジカル両面で異次元の強さです。
彼が高校生の時に後楽園ホールで話をしたことがありましたが、まさかここまで強くなるとは思っていませんでした。身体能力もさることながら、マインドセットが普通ではありません。絶対に現状満足せずに常に高み高みを目指し続けるストイックさを持ち併せ、どんな相手にも油断もしないし慢心もしない。間違いなく日本人としては過去最高のボクサーでしょう。
強すぎて雲上人のような存在になってしまいましたが、井上尚弥というボクサーの出現でボクシングというスポーツの国内における位置付けが変わり、後続の若者たちへの影響は計り知れないと思われます。どんな時もサラッとしてクールで聡明な印象の尚也さん、これまでの国内の世界チャンピオン像とも異なります。まだ底を見せていないあなたは、一体どこまで強くなるのでしょうか?
さあ今日も拳を上げて前進だ!