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社会起業大学 学長の林 浩喜(はやし ひろき)です。
このROCKY通信では、僕が社会起業家の育成・支援に携わっている中での経験や僕自身の人生での学びや考えをシェアさせていただいています。
皆様の起業のお役に立てられましたら幸いです。
先月末、第6代柏市長 秋山浩保さんを社起大特別セミナーにお越し頂いた。既に3選を果たした秋山さんは、市の財政の成果だけ見ても債務残高が2,155億(H 21)→1,488億(H30)、基金積立高が 169億(H24) →385億(H30)となっている。旧友が立派な実績を残され、そして何より市民からの絶大な支持を得ているというのは心底嬉しかった。
秋山さんはビジネスの手法を行政運営に持ち込んだのが成功要因である。大学卒業と同時に米系一流コンサルティング会社に入り経営学の基礎を叩き込まれる。戦略立案の立て方から、資料作成、そしてクライアントへのプレゼンテーションに至るまで。辛い経験だったがそこで足腰ができたという。その後リアルビジネスの世界に入り主にリテール、サービス系大手企業の社長や役員を経験する。そこには企業再建も含まれている。そして理論と実践の両面から経営を知ることとなった。
さて今回の講演では、行政自体の抱える課題に大いに触れられ、我々もその実情・内情を知ることとなった。そして社会起業家というプレーヤーが本当に世に求められているということを熱く語ってくれた。秋山さんの論旨をざっくりまとめると、下記内容である。
1.社会は「市場」「行政」「コミュニティ」から成り立っているが、それらに変化が生じた為に社会課題が噴出している
2.その変化とは、・コミュニティは衰退の一途で社会課題の解決に力を発揮できず、行政依存の傾向に・市場は行き過ぎが叫ばれ、新たな社会課題を引き起こしている・行政は巨大化し、画一的、遅い対応といったネックから社会課題の対応を一手に引き受けることは不可能に
3.「社会起業家(ソーシャルビジネス)」という第4の柱が求められている
社会起業家は、これまでの市場型起業家や通常の民間事業とは、事業の応援者が多方面にわたり存在することが異なるという。そして、社会起業家の理念に賛同して、それを応援するということが、SDGs時代の新しい社会のあり方と言われる。そのポイントとしては「儲かる」ことで注目されるのでなく、「凄く熱い人だ」ということで注目されることになるとのことである。
話を聞いていてふと思ったのだが、秋山さんこそは社起大が考える社会起業家なのでは?と。SEC METHODにもピタッと当てはまる。「自分らしさ」はビジネス分野での知見や郷土愛であり、それを柏市の再興という大きな「社会課題」に結びつけてソーシャルミッションとし、その解決にビジネスの手法を市政に生かして解決する、、、
彼は市長であると同時に紛れもない社会起業家だ。一政治家としてだけカテゴライズするのではどうにも文脈的に収まらない。選挙時期だけ街を走り回っている職業政治家とは完全に一線を画している。社会起業大学も環境、福祉、教育、医療、地方創生等々あらゆる分野で秋山さんの言われる「第4の柱」となる人財を今後とも輩出してゆきたいと思う。
※アーカイブ内では、社会起業家になる為には?起業において行政とうまく付き合う方法とは?行政の抱える課題とは?市長の仕事とは何?などなど興味深いトピックが満載です。ぜひ一度ご覧になってみてください。
【学長特別対談アーカイブ ゲスト:柏市長 秋山浩保氏】
https://360-vr.sakura.ne.jp/sec/20210526_sptalk
初めて出会ったのは秋山さんがまだ20代後半だった頃だと思う。当時急拡大を続けていたフォーシーズ社(ピザーラで有名)の常務だった。白顔の美青年だった。笑 グロービスの仮屋薗氏の紹介だった。「この人はきっと林さんの力になってくれる人だから」と言われた記憶がある。
そしてその後”BAGEL&BAGEL”の監査役として10年以上も貢献して頂いた。1度だけ、将来の夢について語りあった事がある。秋山さんは実力を買われてプロ経営者として巨大企業の経営をするのかな、と思っていた。ところが彼は「実は市長になりたいんだ。地元柏の」と言われたのを今でもハッキリと覚えている。その後夢を叶え、実績も残され、次は何をされるのだろうか?熱い秋山さんの次なる夢を聞いてみたい。
さあ今日も拳を上げて前進だ!