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【 ROCKY通信 】第13回 Entrepreneurshipは先天性か?

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いつもメールマガジンをお読みいただきありがとうございます。

社会起業大学 学長の林 浩喜(はやし ひろき)です。
 

このROCKY通信では、僕がベーグルというパンの専門店 “BAGEL&BAGEL” を90年代後半に起業してからのストーリーとそこからの経験や学びを御紹介させていただいております。
皆様の起業のお役に立てたら幸いです。
 
 

第13回 Entrepreneurshipは先天性か?

“Entrepreneurship” 起業家精神は、一般的に思われている通り先天性のものなのだろうか?それとも後天性でもあり得るのか?つまり学べるものなのか?

結論を先に言おう。後天的に学べるものである。
まずは起業家の定義を。ビジョンを抱き、ビジネスアイデアを考案し、経営資源を調達し、新たな市場を創出する人々のことである。社会起業大学の標榜する社会起業家は、このビジョンやビジネスアイデアに社会性が目的となる、或いは加味されたものだ。

さて、起業までのプロセスをざっくり書くと下記のようになる。
① ビジョンの想起
② ビジネスアイデアの考案、発見
③ ビジネスプランの草稿
④ テストマーケティング
⑤ 経営資源(ヒト・モノ・カネ)調達
⑥ 起業

初めての人は少し大変かもしれないが、この殆どのプロセスを学ぶことができる。以前にも書いたが、MBAやMBA的なるものがビジネス界の一大潮流になる1990年以前は、起業という言葉は存在せず独立とか脱サラとか言われていた。洋の東西を問わず、起業家(以前は企業家と言われていた)として成功をおさめ立志伝中となった経営者も、昔は実地でビジネスを学びのし上がっていったのだ。ビジネス経験はあった方が良いが、別に無くても構わない。最も大事なのはビジョンとアイデアである。(①②は順序が逆でも良い)

その昔は経営学部も無かったので、体系化されたものを学ぶということはできなかった。経営学とは経営を後付けで整理し体系化したものだ。僕が留学していた時代もEntrepreneurshipは最新分野で、ビジネススクールでもまだ体系化ができておらず、まだ水物的な扱いだったような気がする。授業内容はOB起業家の訪問講義のみだった。それは経営の集大成であるばかりでなく、そこには属人的な思想・哲学(①②)や人間力的な要素(⑤⑥)もあり、体系化しにくい領域だからだ。上記でいうと、①②が大変な箇所でここが何も無いところからやるとなると産みの苦しみを味わう。実はビジネススクールではここは教えてくれない(社会起業大学ではお手伝いしている)。しかしここをしっかりしておかないと、起業した後の継続性が覚束なくなる。

それ以外の③〜⑤は、多くの書籍が出版されているしセミナーなども開催されている。もちろん社会起業大学でも③を中心に指導させて頂いている。

実は…唯一学べないものがある。⑥でJUMPする際の勇気、覚悟、決断だ。誰しも失敗するのが怖い。だからせっかく準備を⑤まで進めても、直前で「やっぱりやめておこう」「あと3年は待った方がいいかも」となる人が出てくる。「何もしないことが1番のリスクだ」と訳知り顔で言われる方もいるが、当人にとってみればそんな簡単に割り切れるものでは無い。ここがEntrepreneurshipの最後の関門なのだが、エネルギーとパッションでJumpするもよし、深い内的動機に正直に向き合いJumpするもよし。起業のプロセスはロジックだが、最後は人間力に関わる問題だ。

しかし敢えてここで一つ問題提起したい。「失敗の定義」って何なのだろう?
 
 

編集後記

またまた破産話ですが、アメリカでJCペニーに続きハーツレンタカーがチャプター11(日本の民事再生)申請となりました。ハーツは、僕のお気に入りのレンタカー会社でアメリカに住んでいた時も帰国後に出張した際も飛行場を降り、ゲートを出たらまずあのHertzと書かれた黄色い看板を探すのが最初の仕事でした。他にも選択肢はたくさんあるのですが、僕の同社へのロイヤリティーはなぜか絶大なものがあり、レンタカーといえばハーツでした。ウーバーやライドシェアといった新手の競合が業界外から登場し、あっという間に古いビジネスモデルになっていたようです。まさにポーターの5Forcesの世界です。レンタカーというビジネスモデルが旧態化した以上、リストラして一時的に黒転しても未来は無い。2兆円という負債額は壮大ですが、新たなビジネスモデルを創造して復活して欲しいです。さあ、拳を上げて前進だ!


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