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【 ROCKY通信 】第293回 「さようなら、チープ・トリック」 Vol.2

 

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社会起業大学 学長の林 浩喜(はやし ひろき)です。
 

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【 ROCKY通信 】第293回 「さようなら、チープ・トリック」 Vol.2

開演前にサプライズで武道館のテラスに現れたメンバー

 

 

熱狂の1978年のライブから、もうほぼ半世紀の時が流れた。僕の人生の半分以上が過ぎ去ったわけだ。電撃の初体験ライブから僕の嗜好も随分変わり、のめり込む対象となるバンドも変遷していった。高校生になってからは、チープ・トリックとは縁は遠のいてしまった。その後は時代背景もありモッズ系バンドやパンク系バンドに心酔した。The Who、The Clash、Specials、MadnessからSex Pistols、Ramones、Stooges、Sham69等々。あ、実は隠れABBAファンでもあった。笑 等々、本当に。ここでは書き切れない。もちろんRolling StonesやBob Dylan(ロックからのね)といった王道もちゃんと押さえたし、VAN HALENやAC/DCなんかに熱中した時期もある。好みとしては多少粗野であっても心底を激しいビートで演奏する熱情系直球バンドがずっと好きだ。技巧や知性に走るバンドはあまり好きではない。

 

ウドー事務所によるPR


さて、いよいよチープ・トリックが日本卒業の最終ライブを行うという情報を3月WEB上で発見した。まず行くことだけは即決した。ロック友達のT君にさっそく連絡した。サヨナラコンサート、一緒に行かんね?と。快諾を得て武道館に乗り込むことがトントン拍子に決定した。T君とは必ずしもバンドの趣味が一致するわけではないが、数少ないマニアな話が出来る大事な親友だ。腹ごしらえをして九段下から坂を登り武道館へ。本当に久々だ。観察癖があるので来場者をチェックしてみた。僕より年配者が多い気がした。T君は加齢臭!髪の黒いやつがおらん!と笑っていた。意外にも男女比率は半々。1978年のギャル天国とはえらい違いだ。僕の推測は、当時は女子好みのアイドルバンドと誤解され、隠れファンを装っていた男子が多かったのでは?というもの。会場はアリーナも階段席も満席であった。1万5千人だね。プロモーターの”Farewell Tour”のキャッチコピーは絶大効力だった。

 

ライブ風景


ライブはバンドメンバーとオーディエンスが双方の体力、持久力を確認し合いつつお互いにマイペースで楽しんだ。感動したのはアンコールも含めて2時間の演奏をしてくれたことだ。ヒット曲はもちろん、アンコールも含めバンドの21もの代表曲を惜しげもなく披露した。なんたるサービス精神、何たるタフネス!70代も終盤戦に入ろうかというメンバーのガッツに、俺もシケこんでる場合じゃねえ!と心底思った。選曲は“Hello There”に始まり“Sayonara Goodbye”までほぼほぼノンストップ。楽曲の進行も1978年の“at Budokan”と同じくし、往年のファンが喜ぶ仕立てだった。会場には共に半世紀を過ごしてきた者同士の何とも言えないメンバーとファンの交情があった。バンドメンバーも齢を重ね、動きはスローだしパワーもキレもかつてほどではない。当たり前だよね。以前はステージを走り回ったフロントマンのリックは今や小股のお爺ちゃん歩き。ちょぼちょぼステップ。まるでうちの母のようだ。笑 演奏途中に弦が指にこすれて痛くなったのか、3回ほど顔をしかめて掌を上下に振っていた。リックには悪いが、大笑いしてしまった。かつては巨大ツインギターを弾いて盛り上げたものだが、肩が重さに耐えられないのかシングルネックのギターのみ。十八番のピック手裏剣も無し。でもとてもキュートだった。もう1人のキーマン、ボーカルのロビンも殆ど動かない。直立不動で歌っていた。しかし往年の高音域は再現できないにしても、かなりイイ線いっていた。それも尻上がりに調子が出て来て、ファンの声援も増し増しに。

 

満杯の会場のペンライトならぬスマホライト


会場の熱気もかつてとは異なり、“ライオット状態”ではなくみんなでバンドを見守るという感じ。代表曲、ヒット曲の時はかなり盛り上がったが、メンバーはスタミナ温存で決して無理ノリはしない。9割の観客は2時間立ちっぱなしだったが、腰をさすさすしつつオジサン・オバサンも頑張っていた。80年代に入り失速し低迷したチープ・トリックだが、1988年に復活の狼煙を上げた。“The Flame(永遠の愛の炎)”で天下を獲り初の全米No.1ヒット曲となった。同曲では7割の会場ファンがスマホライトを利してのペンライトが揺らいだ。メロディアスな同曲にはぴったりの情景だった。きっとメンバーは日本のファンの変わらぬ愛を感じ取ったことだろう。

 

21曲を歌い切ったロビン・ザンダー


 

「さよならLIVE」という触れ込みのキャッチフレーズだったのに、ボーカルのロビンが急に妙なことを言い出した。たしかアンコールに入る前だったと思う。「また来るかどうかは君ら次第だよ」と。なんだよ、ウドーの仕込みだったんじゃねーか!とT君と苦笑し合ったのだが、真相やいかに。でもそれはどちらでもいい話だ。僕は今回の武道館ライブをもってチープ・トリックを卒業する。小学時代はクラシック音楽一本槍で、全くロックを知らなかったチュー坊にロックという素晴らしい扉を開いてくれたチープ・トリック。その後の僕の人生はロックと共にあると言っても過言ではない。良き時も悪しき時も、常にロックが僕を励まし支えてくれた。きっと今後も。ありがとう、そしてさようならチープ・トリック。

 

会場を後にT君、そのご友人と


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