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サンタなんていない!という人に贈る 考え方ひとつで叶えられるファンタジー 清輔夏輝さん
<清輔 夏輝さん プロフィール >
千葉県生まれ福岡県育ち。国立高専卒業後、ITフリーランス&ブロガーとして独立。ヒッチハイクで日本を3周し、2007年にマイ箸から始めた「エコわらしべ長者」(物々交換)で風力発電機を取得しメディアに注目される。2008年「チャリティーサンタ」を立ち上げ、途中、人生修行のために(株)サイバーエージェントで営業マンをやりつつも、累計1万7千人の子どもたちにプレゼントを届ける全国組織に。2014年にはNPO法人化し、想いやりがつながる社会を目指して今なお事業拡大中。「ソーシャルビジネスグランプリ2011」で審査員特別賞、「ドリームプラン・プレゼンテーション世界大会2011」で共感大賞を受賞。クリスマスイブのエピソードをまとめた「サンタクロースが届けてくれた心温まる物語(あさ出版)」監修。

「サンタクロースのような想いやりのある人」を増やしたい

※2015年のクリスマスイブは(株)ミクシィとのコラボも実現。ボランティア社員約70名がサンタになって子供たちにプレゼントを届けました。

 6歳の時、クリスマスケーキを届けにサンタが家にやってきたのが、僕にとって初めてのサンタさんとの出会いでした。地域の障害者の作業所を応援していた父と祖父。その作業所がクリスマスケーキの製造・配達をしていて、配達する職員さんがサンタ姿になりケーキを届けてもらったのだそうです。
 このときの記憶が元となり、2008年、23歳の時に「チャリティーサンタ」の活動をはじめました。クリスマスの夜にサンタに扮したボランティアたちが、親御さんから預かったプレゼントを自宅の子どもたちに届けます。プレゼント配達の依頼時に寄付していただいたお金は、発展途上国や被災地の子どもたちのために使われるという仕組みになっています。子どもを笑顔にすることはもちろん、「サンタのような想いやりのある人を増やす」ことを目的として活動しています。
 初年度は200人のサンタで始まったこの取組も、年を追うごとに参加人数が増え、これまでにプレゼントを届けた子どもの数は累計で17,377人、サンタのボランティアは10,109人、16の都道府県で25の支部を持つ、全国組織にまで広がりました。ボランティアの方のご協力がなければ続かない事業ですが、参加した方からも「感動した」というお声をたくさんいただいています。
今後はこの「サンタ活動」の幅を広げ、他のNPOとのマッチングイベント等を開催することで、サンタ経験者が単にクリスマスにプレゼントを届けるだけでなく、より多くの社会貢献に携われるような仕組み作りもしていきたいと思っています。

見知らぬ人から受けた恩を、次の人へ「恩送り」

 学生時代、ふと思い立ってヒッチハイクで日本を一人旅しました。(その後、日本3周するほどハマることに。) そのとき出会った大人たちに想像以上に親切にしてもらい、自宅に泊めてくれる人、「志」と書いた封筒にお金を包んで渡してくれる警察官もいました。しかし、せっかく助けてもらっても、すぐに別れてしまうので、そのお返しを十分にすることができません。たまたまある和尚さんに出会った時にその悩みを話したところ、「恩送り」という考え方を教えてもらいました。つまり、いただいた恩はその相手ではなく、次に助けを必要としている人に与えればよいとのことだったのです。
 その考え方に目を開かされた僕は、それから出会った人たちにどうしたら恩返しができるのか、よく考えるようになりました。ヒッチハイクの楽しさをもっと皆んなに知ってもらいたいと思い、2008年に「日本ヒッチハイク協会」なるものまで作ってしまいました。毎年のように、みんなでヒッチハイクするイベントを開催したりもしました。
 また、「エコわらしべ長者」という物々交換を繰り返していって、最終的にはエコカー取得を目指すという企画を試みたのですが、最終的にはエコカーより高価な風車(風力発電機)になり、TVやラジオなど多数のメディアに取り上げられました。しかし、どれだけニュースになったとしても、見聞きする情報だと皆すぐに忘れていってしまう。やはり「強烈な体験」でないと、「自分ごと」として捉えられないのではないか、と考えるようになりました。それもあって、参加者がみんな主人公になれる「チャリティーサンタ」を始めようと思ったのです。
僕たちは、「サンタ」を、「誰かを笑顔にしたい気持ち(またそのための行動を起こせる人)」と定義しています。プレゼントを届けるという小さな活動でも、多くの人が関わっていくことで、身近に起こっている問題や、世界で起こっている問題が、もっと解決しやすくなるのではないかと信じています。

社会起業大学でソーシャルへの想いを取り戻す

 次に、社会起業大学に入学したきっかけをお話ししたいと思います。僕は高専卒業後、1年建築設計事務所で働いた後、IT分野で独立したので、ちゃんとしたビジネス経験がありませんでした。チャリティーサンタの組織が成長する一方で、今後の自分と組織の成長のためにも、3年間限定で、企業での修行を積もうと思い、25歳の時サイバーエージェントに入社しました。ビジネスマナーや企業文化など自分がこれまであまり触れてこなかったことも多く、毎日吸収することがいっぱいでとにかく忙しい日々でした。チャリティーサンタにかけられる時間が圧倒的に少なくなってしまい、組織がばらばらになってしまう危機感すらあるような状態になっていました。
 そんなとき、友人から教えてもらったのが社会起業大学です。まとまったお金を自己投資することもあり、この学校にいる時間だけは、チャリティーサンタ含む、ソーシャルビジネスのことを考える時間としよう!と自分に約束させたのです。
 その頃はこの学校も設立されたばかりで今のようにカリキュラムに沿って授業を進めるというよりは、外部のNPOや社会起業で活躍されている方を招いてお話を聞くということが中心になっていました。それでも20?30人くらいの社会起業家のお話を聞くうちに、ドライなビジネスマン生活にもチャリティーサンタに費やす時間とのバランスが戻っていきました。
 卒業後に行われた「第3回ソーシャルビジネスグランプリ」ではファイナリストにも選ばれ、チャリティーサンタについて500人の方の前でプレゼンしました。結果、「審査員特別賞」を受賞することもでき、半年間の学校生活を終える頃には、会社員とサンタの活動の時間のバランスもとれるようになっていきました。

組織の拡大に伴って見えてきた経営課題

 起業は全く未知の領域に踏み込むようなものです。これまで保守的な組織の中で働いてきた私にとっては、たくさんの困難の壁を見ると思わず立ちすくんでしまうこともしばしばです。そんなとき、この学校で知り合った仲間に相談することで、どうにか道を見つけ出し、また前に進んでいけるように背中を押してもらっています。
 アフリカのために、自分自身のために、時に仲間の力を借りながらも着実に前進していきたいと思います。

社会起業大学は、”人生の選択と集中” ができる場所

 僕にとっての社会起業大学は、人生の「選択と集中」をかけるための場所でした。あの頃の僕は初めてビジネスマンの世界を経験し、ドライな感覚、スピード感についていくのに必死で、周りを想いやることを忘れそうになっていたのかもしれません。社会起業大学では講師、生徒ともに幅広いセクターから参加し、それぞれ強い想いを持った方が多く、良い影響を与えてもらったと思います。人生いろいろな経験も必要ですが、僕にとっては「恩送り」から始まった「サンタ活動」、そしてそこから生み出していく「想いやりの連鎖」を社会にもっと広めていくことが、自分にとって何よりも大切なミッションだということに気付かされました。忙しいビジネスマンが自分のやりたいことを見出すために、短期集中で通う場所として、この学校は有意義な選択肢の1つではないかと思っています。


撮影・記事 堀口美紀 http://mikihoriguchi.com/blog/

卒業生のインタビュー

2010年の開校以来、卒業生はすでに400名を超え、多くの社会起業家を輩出しています。

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