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社会的企業のご紹介

社会起業大学では、本業を通じて社会の問題を解決する企業を応援しています。
今回は鹿児島県にあるラグナー出版をご紹介いたします。
ラグーナ出版は鹿児島県の精神病院の、患者、看護師、医師が集まり設立した会社です。
メンタルヘルスに関する本の出版と精神障害者の自立支援を行っています。


ラグーナ出版

設立経緯

株式会社ラグーナ出版 代表取締役社長 川畑善博様

ラグーナ出版は、2006年、当時、川畑社長が精神保健福祉士(PSW)として勤務していた鹿児島の精神病院の入院・外来患者、医師、看護師が集まり、文芸誌『シナプスの笑い』を刊行したのが活動の始まりだったと言います。


『シナプスの笑い』は、精神障がい体験者による文芸作品・病気の体験記、病気への対処法を話し合う座談会、精神科医療に関する話題などが掲載された雑誌です。


この本は次第に多くの賛同者、読者、投稿作品が集まる雑誌へと成長し、当時はNPO法人での活動でしたが、それならば本格的な仕事としていこうと、2008年「株式会社ラグーナ出版」設立となりました。


ラグーナ出版は精神病の早期発見早期治療につなげるべく、メンタルヘルスに関する図書の刊行から始まっていますが、病気が治ったから働くのではなく、働くことで回復をはかれる職場作りも使命であると考え、就労継続支援A型事業所として会社を設立し、精神障がいを抱える方々とともに、本作り、会社運営を行っています。


川畑社長は病院勤務、そしてラグーナ出版の事業を通じて、たくさんの精神障がいの方々と接していらっしゃいましたが、働くこと以前に、社会や人に対する恐怖・不安のために外に出られない方、働く自信のない方が少なくなく、そんな方々が社会へ踏み出す勇気を得られる場所はないかという思いも強まっていったようです。


そこで2011年4月、精神障がい者のための自立訓練(生活訓練)施設「サポートネットラグーナ」を新たに開設しました。ここではまずは生活を楽しみ、その中で自分の適性や強みを見つけ、社会の中へ踏み出すきっかけとなって欲しいと願っていらっしゃいます。


精神障がいを抱えた方には、社会的な支援が他の障がいと比べてもまだまだ足りないうえ、いまだ障がいに対する偏見の存在などで決して暮らしやすい世の中とはいえない状況です。ラグーナ出版は、そのような精神障がいを抱えた方々が、社会に温かく支えられ、少しでも暮らしやすく、ともに成長できる社会を作ることを使命とし、これからも様々な活動しています。

ラグーナ出版が行っている精神障がい者支援

就労継続支援A型事業

就労継続支援A型事業所 ラグーナ出版

統合失調症、躁うつ病、適応障害、強迫障害、アルコール依存症、不安障害を抱える方々が、精神科医、精神保健福祉士を含む7名のスタッフのもとに、充実感を感じながら働いています。
「あせらず、ゆっくり、確実に、健康に」をモットーに、 利用者の体調を十分に配慮しながら、就労をサポートしています。

【業務内容】

出版事業、製本工房事業、印刷物制作事業、小売事業

自立訓練(生活訓練)事業

自立訓練(生活訓練)事業所 サポートネットラグーナ

障害者自立支援法に基づき、精神障がい者に対して、 それぞれの目標に向かって、自立した日常生活や社会生活を送ることができるように個別支援を行います。
精神科の病院、クリニックにかかっている方で、外に出ることが不安な方、安定した日常生活を送るために必要な知識を勉強したい方、自分の適性を見つけたい方が集う場所です。

【プログラム内容】

グループワーク(SST、心理教育)、スポーツ、時間の使い方を学ぶ、
苦手な乗り物・場所を克服する、英会話、マナー講座、個別支援など。

事業内容

就労継続支援A型事業

メンタルヘルスに関する雑誌や書籍を中心に刊行しています。
心温まる本、精神保健福祉の進展に役立つ本作りを目指します。

製本工房事業

製本家の指導員を中心として、手作り本の制作、古書の修理などを行います。
その他、紙や布を用いた手作りグッズの制作なども行います。

印刷物制作事業

出版の経験と技能を活かし、病院関係の広報誌、パンフレット、名刺などの印刷物の制作も行っています。

小売事業

当社の刊行物、工房で制作された手作り本、グッズなどを、直営ショップ「ギャラリーリブリ」やホームページのオンラインショップにて販売しています。

刊行物のご紹介(一部)

シナプスの笑い

創刊当初は、「退院の仕方」「薬物療法」「幻聴の体験をきいてみました」「心の病の早期発見の重要性」などの医療の問題が中心でしたが、号を重ねるうちに「就労」「親しくなること」「見えない病ゆえの悩み」、共同通信社の記者を迎えての座談会「精神病と犯罪」など精神障害を抱えながら地域で暮らす問題、また、戦争被災地で芸術支援活動を行っているエクトル・シエラ氏を迎えた座談会「心の平和」、映画「精神」の想田和弘監督のインタビュー、心を規定する言葉について深い洞察を加えた文字文化研究所副所長の山本史也氏の記事など、精神疾患と向き合うなかで心の不思議さを実感し、心の健康とは何か、豊かさとは何か、という心全般の問いへと広がりました。

A5判(148×210ミリ)100頁 定価800円(税込)H23年6月刊(14号)

勇気をくれた言葉たち 〜 精神病体験を救ってくれた言葉 〜

人の一生の中で、5人に1人は何らかの形でかかるといわれる精神病。
52名の精神病体験者から、72の言葉を集めました。病気の孤独や絶望から救ってくれた言葉、身近に転がっているけれど大きな意味を秘めた言葉・・・。
現在精神病に苦しんでいる方、そのご家族、医療・保健・福祉関係者、そして心の病と健康に関心のあるすべての方に送るメッセージ!

四六版(128×188ミリ) 96頁 定価998円(税込) H23年7月刊行

学童交差点

大学卒業後、高校国語教師となるが、わずか1年で統合失調症を発症した著者。現在交通委員として交差点に立ち、小学生の通学を見守っています。その子供たちへの思いを綴った心温まる詩集。
前書きより:天は我を見放したか、と悲嘆にくれた時期もあったが、今は交差点に立つことが無上の喜びである。紆余曲折を経て、子供たちへの想いを綴った詩集を出版できることが、たいへん嬉しくありがたい。

A5版(148×210ミリ) 94頁 定価1,000円(税込) H23年4月刊行

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