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【公式】社会起業家を育成するソーシャルビジネススクール 社会起業大学

花岡 洋行さん

日本最大のNPOを築いたカリスマリーダーのもとで見える世界

僕は今、「あしなが育成会」という、親を亡くした子供たちの進学をサポートする民間団体で会長室長を務めています。50年前の活動開始以来、街頭募金と”あしながさん”と呼ばれる匿名の寄付者からの寄付金で、約9万5千人の遺児たちが高校大学へ進学するのを助けてきました。今は年に数十億円を集める、日本では最大規模のNPOだと言えます。近年は海外にも拠点を広げ、アメリカ、ウガンダ、セネガルにも事務所を設立しました。アフリカ49ヵ国の遺児学生を世界の大学に留学させ、彼らが将来自国に戻りリーダーとなる事を目指す”100年構想”を始めるなど、活動の対象を世界の遺児たちへと広げていっています。

僕が今秘書を務めている玉井会長は、この団体の創設者であり、全てのプロジェクトを率いてきたカリスマ的存在です。今年80歳ですが毎日睡眠を3時間しかとらず、また2ヶ月に1回は海外への出張を強行軍でこなすような体力の持ち主です。発想も大胆で、行動力が常人離れしている、一言で表すと「怪物」のような人です。しかし、現在の社会情勢や人間の歴史を捉えることを大事にするという意識が強く、20年先、30年先を見越した時代の流れを掴む力があるからこそ、誰も思いつかないような大胆な発想を生めるのではないかと思います。

さらなる成長を求めて、会社の歯車からの脱却

僕が社会起業に興味を持ったのは、大手物流企業に勤めていた時のことでした。ある時、海外拠点立ち上げのため1年間インドに派遣されたのですが、主力の日本人は僕一人で、インド人100人を相手にするというハードな環境でした。毎日寝る時間もなく、日本人からもインド人からもクレームの嵐でしたが、この環境の中で1年間生きのびたことが自分への自信になりました。ところが赴任を終えて帰国し、日本で一営業マンとしての仕事に戻ると、営業数字を追いかけ、機械的に業務をこなしていくことに、何とも言えない虚しさを感じるようになりました。
目の前の営業活動を頑張って利益を追求した結果、得られるものはなんだろうとも悩みました。株式会社である以上、会社は株主の利益に目が行きがちになります。株主の利益が顧客の利益である場合は良いですが、しかし大抵の株主は、自分が損をしそうになったら急いで株を売ってしまうでしょう。また、倒産しそうになったら会社を救おうとする株主が、今の世の中どれだけいるでしょうか。そこには、自分の考える愛情や信頼のある関係性が無いと考えたのです。

僕は結局、資本家のために働いているだけなのだろうか? 誰かの笑顔のために働きたい。そんな考えが頭を離れなくなり、”社会起業”でネット検索して、最初に見つけたこの学校に飛び込んだのです。

自らの限界を超えるため、とにかく一歩前に進む

在学中は同期の仲間たちと、NPOや企業のCSR部門を訪問し、ビジネスと社会貢献を両立させることは可能なのか、またそれをどうしたら持続できるのかを検証し合いました。また、クラスメイトと語り合ううちに、自分の「志」も明確になっていきました。僕には、小学校時代の経験から、不公平なことを是正したいという強い想いがありました。でも、6人に1人の日本の子供が貧困層という、過去に類を見ないほど格差が広がっている状態では、国内ですら公平な環境があるとは思えません。さらに世界を見渡せば、食べ物や住むところもなく、読み書きができるような環境にいない子供たちもたくさんいます。社会を動かしている政府や企業、または国連のような国際機関でも、結局は各国のエゴがぶつかって意見がまとまらず、その理念と実際の行動に大きな乖離が見えるのです。結局この現状を変えられるのは「市民」でしかないと思うようになっていきました。その結果として、市民を巻き込んだ形での社会変革の仕組みをつくりたいと思うようになったのです。

そこで「スマイルフォースマイル」という、商品を購入した人が笑顔の写真を撮ってウエブサイトにアップすることで、協賛企業が貧困国へ寄付をし現地の人の笑顔を作り出すというビジネスコンセプトを考えつきました。しかし実際にビジネスモデルを作ってプレゼンしてみたところ、宣伝方法が明確でなく、また肖像権等の問題もあり、クラスでかなり鋭い指摘を受けることになりました。何よりも、当時の僕には起業してやっていくための人脈や、NPOでの経験、社会を見る能力など、基本的な要素が足りていないことを痛感することにもなりました。そこで、まずはもっと経験を積もうとNPOへの転職を決意したのです。登録した転職エージェンシーにたまたま採用広告を出していたのが「あしなが育英会」でした。これまでの活動や大きな実績をみて、ここなら自分の将来に向けて一歩前へ進むことができるのではないかと思ったのです。

会長と共に、ひとりでも多くに笑顔をもたらすために

採用された当初は「国際課」というところに配属されたのですが、2ヶ月くらいして、会長本人からの打診により、急に会長秘書として異動することになりました。秘書の経験もない自分がなぜ選ばれたのかと不思議で仕方なく後で尋ねてみたところ、会長は軸がぶれない僕の人柄をみて選んだようでした。会長のように大きなプロジェクトを動かすような立場の人にとっては、「誠実であるか」「信頼できるか」ということが重要なことのようです。

会長からは「毎日主要5誌の新聞を隅々まで読むように」と言われています。新聞5誌を読むには平均1時間半かかりますが、読む習慣をつけたことで会長や他の要人の方がなされる判断基準が少しずつ見えるようにもなってきたように思います。世の中の動きなど知らなくても理想を持って頑張りさえすれば、どうにかなると思ってしまいがちですが、現在の世界情勢、そして歴史を学んでおくことが、先を見据えた判断力を養う上でとても重要なのです。今起きていることは歴史上何度も繰り返し起きていて、自分の経験からしか判断できない人は周りが見えてないのだ、と会長はよく語っています。
これほどのバイタリティを持っているカリスマリーダーを支えるのは、正直とても大変なことです。しかしこの生活を2年間続けてこられたのも、「遺児支援を通じて世界を変える」という同じ志を持っていることや、ただのお涙頂戴ではない冷静さも持ちつつ事業を押し進め、50年間に渡って拡大させてきたことへの尊敬の気持ちがあるからだと思います。

僕は常に現場にいるわけではないのですが、それでも遺児の学生が国内外で活躍しているのを見ると、自分の仕事の意義を深く感じることができます。例えばあしなが育英会では、ウガンダを始め、トルコ、フィリピン、ベトナム、中国、メキシコなどの大学、現地団体との提携プログラムがあり、日本の学生は誰でも望めば1年間海外で働くことができるのです。英語や現地の言葉を学び、海外での就業経験を持つことで、彼らには自信がつき、将来生きていくうえでの大きな糧となります。僕が前職で見失ってしまった「誰かの笑顔」が、心に思い浮かぶ瞬間でもあります。

社会起業大学は”夢を叶えるためのスタートライン”

僕にとって社会起業大学とは、本当の自分が見えてくる場所、叶えたい夢がわかる場所です。ここでの人間関係は、会社のように自分の役割を演じるものではありません。対等な人間関係の中で自分をさらけ出し、夢を語り合える環境は、人としても成長できる場なのではないかと思います。

同期の仲間たちとは今も年に数回集まって親睦を深めています。知り合いを紹介されて、結婚相手と巡り合った仲間も中にはいるんです。ここで出会えるのは、真に叶えたいことへの熱い想いを、ためらうことなく共有できる、かけがえのない仲間たちばかりです。

(撮影・記事 堀口美紀 http://mikihoriguchi.com/jp/ )

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