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社会的企業用語集

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寄付

寄付(きふ、本来の用字は寄附。寄付は代用字)とは、金銭や財産などを公共事業、公益・福祉・宗教施設などへ無償で提供すること。災害の際に被災地・被災民へ送られる義捐金も寄付の一つである。経済において、寄付は福祉に係る費用の一部を担う重要な経済活動でもある。また、宗教施設に寄付することを寄進と称することもある。
なお、法律用語では「寄附行為」は財団など団体の規約のこと、設立時に寄付された金品(基本財産)の運用の規約という意味から。たとえば財団法人日本相撲協会では勝負規定を寄附行為細則の一部として定めている。

概要

寄付は、寄付者が自らの意思に基づき金銭・財産を対象機関・施設へ無償で供与することで行われる。寄付の多くは、公共事業や公益機関、福祉機関、医療機関、教育機関、宗教施設などに対して行われている。これらの事業・機関・施設は、公共的・公益的な社会役割を担っているが、安定した収入源を持たず、そのため、寄付を主要な収入源の一つとしていることが多い。世界の多くの地域では、寄付が福祉の一部を担っており、社会の中で重要な地位を占めている。

寄付の方法

寄付の方法にはいくつかある。寄付者が受益者へ直接寄付する方法もあるが、多くの場合、寄付者と受益者の間に仲介者(慈善団体など)が介在する。仲介者がいる場合、寄付金などが寄付者の意思どおりに行われるか、という問題が生じる。日本では、一般に寄付者と仲介者とに信託関係が発生すると考えられている。また、仲介者がいる場合にもう一つ留意すべきことは、寄付した金銭・財産の一部が仲介者の諸経費に充てられることである。寄付の全額が受益者へ渡されるとは限らない。

募金など公募で行われる寄付活動もある。日本の中央共同募金会が主宰する共同募金などがその一例である。この他、安価な商品を購入する方式の寄付もある。例として日本の結核予防会が実施する複十字シール運動などがある。

ネット上ではクリックするだけで一円を募金できる、クリック募金もある。ユーザーが1回クリックすると、ユーザーに代わりスポンサーが1円非政府組織や国際連合児童基金などに寄付する。ユーザーの負担金は0円である。

以上のように寄付には様々な方法があるが、寄付者の自由意思に基づいて寄付することが重視されている。ただ、現実には自治会や町内会による集金などで事実上強制的に寄付させられることもあり、一部で問題になっている。2007年8月24日に大阪高裁は、各種寄付分を自治会費に上乗せして徴収することを決議した滋賀県甲賀市内の自治会に対し、寄付を強制するもので違法とする判決を下した。

寄付される対象

寄付により運営される事業・機関・施設には種々あるが、大部分が公共的・公益的な社会目的を持った組織である。上記の中央共同募金会のように寄付それ自体を目的とした機関も存在する。寄付は福祉目的で行われることが多いが、学校や寺院・神社・教会などの運営を目的として寄付がなされることも少なくない。例えば、アメリカ合衆国では大学へ卒業生から多額の寄付が集まり、大学運営の主要財源となっている。また、タイ王国では民間の寄付によって小学校などが設立・運営されている事例が非常に多数ある。

この他、何らかの目的を達成するため、純粋に寄付だけによる運営を目指す団体もある。企業などから資金提供を受けた場合、自由な活動に支障が出ることも懸念されるため、目的に賛同する無名の人々からの寄付により自由な活動を担保しようとするものである。一部のフリーソフトウェアがこの方式を採用している。また、利用者が開発者へ寄付するライセンス形態をとるドネーションウェアというソフトウェアも存在する。

寄付と課税控除

寄付は無償でなされるものであるから、被寄付側から見ると寄付は純粋な所得となる。通常、所得は課税の対象となるが、多くの国・地域では寄付活動を推奨するため、特定の団体・機関に対する寄付を非課税としたり課税控除の対象とする制度を設けている。特定の団体・機関を選定する基準は国・地域によって差異があるが、公共・公益目的を持った団体・機関が選ばれることが多い。こうした団体・機関への寄付を通じて脱税・租税回避がなされることを防ぐため、厳しい基準が設けられていることも多い。また、政治汚職を防止するため、多くの国・地域で政治家・政党への寄付(政治献金)に厳正な規制がなされている。日本では、政治家による寄付も禁止されている。

所得控除の対象となる寄付
日本では、個人が次のような場合について、確定申告を行うことで「特定寄付金」として、寄付金控除(所得控除・特定寄付額の合計ー5000円)の対象となる。

国や地方公共団体、日本赤十字社、その他の政治団体で一定のもの、一定の公職の候補者など特定の団体に対する寄付金
指定寄付金・特定公益信託の信託財産とする為に支出した金銭。
"特定公益増進法人"・認定NPO法人への寄付金

政党若しくは政治資金団体への寄付の場合は、政党等寄付金特別控除(税額控除)となり、((寄付額の合計ー5000円)×30%)の税額の控除が受けられる。また、寄付金控除(所得控除)と比較して、どちらか有利な方を選ぶ事が出来る。

寄付文化

世界的に見ると寄付の社会への浸透度も国・地域によって大きく異なる。2000年頃の状況を見ると、アメリカでは年間2000億ドル(約20数兆円)を超える寄付が行われているのに対し、日本では約1000億円程度にとどまっている。両国とも世帯ベースでは約70%の世帯が寄付を行っているが、世帯当たりアメリカは約17万円、日本は約3000円と寄付金額に大きな格差が見られる。こうした格差は、宗教観・社会意識・税制の違い前述の通り、寄付金には非課税な国も多く、アメリカにおいては非課税な上に、市民や一般のために奉仕する事は尊敬の対象になると同時に、寄付をしない資産家・企業は徹底的な批判に晒される。に起因すると考えられている。また、アメリカは所得格差・資産格差が日本に比べ大きく、小さな政府志向のため医療保険制度など公的福祉が未整備のため、民間による所得の再分配の重要度が高いことも要因になっているが、たとえば日本や諸外国に比べてジニ係数が非常に高く、ほとんど再分配がなされていない。アメリカの他、一部の欧米諸国やイスラム諸国、タイ王国など、敬虔な信徒の多い国・地域では社会活動に占める寄付の役割が非常に大きい。

寄付と宗教

天道思想
現在の中国がある地域において、収穫物は天より人が預かっているものであり、その預かり物を個人の意思で濫りに使うのは王でさえも許されないとの思想があった。

寄付の歴史は、宗教と非常に強いつながりを持っている。宗教活動それ自体は生産を伴わないため、宗教活動のための費用を何らかの方法で調達する必要がある。そのため、ほとんどの宗教では信徒から寄付が集められることとなった。多くの場合、こうした寄付は(例えば日本では寄進やお布施などと称されたが)、一義的には神や仏に対して捧げられるものと認識されていた。

また、ほとんどの宗教では、貧困者救済などのための寄付が奨励されている。これをイスラム教ではサダカ(自由喜捨)やザカート(制度喜捨)といい、仏教では喜捨という。キリスト教でも喜捨的な寄付が広く行われているが、これらの他の宗教にも、喜捨的な寄付は半ば普遍的に見られる。以上に見るとおり、近代以前の世界において、寄付は、非常に強い宗教的背景を持ちながら実施されていた。

近代に入り、欧米諸国で貧富差の拡大が顕著となっていくと、キリスト教精神に基づいて各種の慈善(チャリティー)が行われ、社会福祉の一翼を担うようになった。寄付も慈善の一環として実施され、福祉の一環に位置づけられるようになった。欧米諸国の中でも、アメリカ合衆国や連合王国などでは自助の精神が強く、政府に頼らず民間での寄付が盛行したが、北欧諸国などでは政府が福祉を担うという社会意識が比較的強く、民間の寄付は英米ほど盛んとはならなかった。福祉部門に係る負担を民間の寄付が担うか、政府が担うかという差異がここに現れている。なお、年末の募金活動「社会鍋」を行なう救世軍も、イギリス発祥のキリスト教会である。

日本の寄付文化

奈良時代の頃から、利水・治水や橋・道路建設などの公共事業のため、仏教僧が民間から奉加(ほうが)と呼ばれる寄付を集める勧進が行われていた。中世は自力救済の時代であったが、民衆の間に頼母子講などの相互扶助が始まった。これは集団で金銭を貯蓄し貧困者などに順番で供与するという、寄付と同様の機能を持った相互扶助であった。近世に入っても相互扶助の伝統は継承された。

江戸期の大阪には、「きたのう貯めて、きれいに使う」という精神を美徳として持っていた。そのため、大阪の八百八橋は皆町人の寄付で作られたといわれる位である。
この「きたのう貯めて、きれいに使う」の言葉の意味は、一言で言えば、商売上の勘定と、公共への支出の勘定は別であるという意味である。つまり、商売上はきたないといわれる程に無駄を省いて、倹約に倹約を重ねて資本を蓄えるのが商人の美徳だが、しかし、商売から離れれば、人として、世のためや人のためにはできるだけの事をやるのが美徳であるとの価値観のことである。
この様な精神は明治以後にも続き、中ノ島公会堂の公共施設や美術館、小学校などが市民の寄付で作られた。しかし、第二次大戦で大阪が灰燼に帰し、商業の中心が東京へ移ると、このような精神も「お上中心」の消費都市である江戸文化の延長の東京では「下らぬ」ものとなり、日本全体には広がらなかった。

明治になり社会構造が大きく変わると、相互扶助に代わって寄付が盛んになっていった。第二次世界大戦以前は、皇室や財閥などによる寄付が寄付総額の30%にのぼるなど、福祉のかなりの部分を寄付が担っていたが、大戦後は福祉国家が理想とされるようになると、福祉は政府が責任を持つという意識が広がり、寄付の相対的地位は低下していった。それでも1995年の阪神・淡路大震災の際は、未曾有の災害状況に多数の義捐金が寄せられ(しかし、被災者個人に渡すことが出来ないとされたため、殆どがプールされたままで、役には立てられなかった)、その結果日本における寄付総額が前年の2倍に増加した。2000年頃からは、ゆるやかな連帯による社会の再構築が日本各地で模索され始めた。そうした運動を支えるNPOへの寄付が、現実的な寄付金の必要とされる人への交付という点からも注目されるようになっている。

義捐金

「義捐」(ぎえん)は明治時代につくられた和製漢語である。「義」は、国家・社会など、公のために力を尽くすの意であり、「捐」は、すてる、すてさるの意である。すなわち「義捐金」は、公のためにすてる金を意味する。戦後の国語国字問題で「捐」が当用漢字に採用されなかったため、「義えん金」と混ぜ書き表記する。一部で「義援金」という表記が見られるが、これは新聞協会による独自の基準で定めた代用表記である。夏目漱石の「吾輩は猫である」に、猫が「義捐を取られる」と口にする苦沙弥先生を「変なことを言うものだ」と笑っている場面がある。

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