企業訪問レポート

株式会社ヴィンテージアイモク

2011年12月3日、愛媛県松山市のヴィンテージアイモク様に訪問しました。ヴィンテージアイモク様は、家の新築時に「古材」を再利用し、環境に配慮した家作りを推進する事業を行う企業です。古い家の保存と再生が課題になっている京都市の出身であるため、「古材」をどのように活かして事業を行われているのか、とても関心がありました。訪問して驚いたことは、社員の皆さんの平均年齢が若いことでした。少数精鋭の布陣ですが、ほとんどが20〜30歳の社員の方々。業界の特性から比較的年齢層の高い方が多いと思っていた既成概念が、簡単に覆させられました。

講演ではまず初めに、企業概要を知るため、井上社長が出演された番組「カンブリア宮殿」を見ました。その後、井上社長のお話が始まりましたが、内容は想像していたこととは全く異なりました。今までの社会起業家の方々のお話は、社会的課題を如何に解決するかという内容に力点が置かれていました。しかし井上社長のお話は、社会的課題を解決するための経済性に力点が置かれたお話だったのです。「年商は少なくても良いが、利益率は上げなくてはならない」「現状の土俵で社会的事業が成り立たなければ、新たな土俵を作るといった市場創造を行えばよい」「参入障壁の等々。「古材」を活かす事業でどのような社会的課題が解決するかという内容のお話と思っていた私には、良い意味で裏切られました。

井上社長の源流には、「人と同じことをやっていても事業は回らない」という信念があるとお話を聞いて感じました。例えば、廃材として取り扱われていた「古材」を扱うことを決めた時には、会社の全社員が反対し、辞職したそうです。しかし既存の木材業では、安い海外産の材木に押され将来的に事業として成り立たたなくなる可能性が高いため、大きな変革を起こさなければならないという信念があったからこそ、全社員が辞職するという事態も乗り越えられたのだと思います。お話の中でも、「皆が良いと言う方向ではなく、皆がダメと言う方向を向くことが大切。」「毎年新しいことを行うことが必要。現在成功しているものも、2〜3年後には普通になる。」と仰っていました。

最も印象に残ったのは、「利益第2主義」という言葉です。厄介者である「古材」を買うことで、材木同業者が喜ぶ。その買った「古材」を売ることで、お客さんが喜ぶ。その結果として会社に利益が生まれる。すなわち、「ビジネスは儲けるためにするのではない」という方針を貫かれているのです。

近年は成果主義の浸透で、どの企業でも直近の成果を求められる傾向があります。しかし井上社長は、「直近の目線で成果を求めず、長い目で成果を判断する」ことを徹底されています。その根底には、「未来の子どもたちに何を残せるか」という想いがあります。自らの子どものため、周囲の子どものため、日本の子どものため、それぞれの視点で事業を見た時、どのようなことができるのかを考え、事業を推進していると仰っていました。講演が終了すると、実際に「古材」が使われ建築された井上社長のご自宅を訪問しました。概観は洋風ですが、内部は古民家の梁を「古材」として活用して、天井に張り巡らされ、和風の趣が感じられる造りでした。

?