企業訪問レポート

株式会社パン・アキモト

5月27日、社会起業大学のスタディーツアーにて総勢17名で、パン・アキモトを訪問しました。パン・アキモトは那須高原の麓のベーカリーとして昭和22年開業し64年、今でも地元の方達に愛されるパンを作り続けており、昨今では、パン屋さんという枠を超えた社会貢献活動をされ、数々の賞を受賞されています。 今回の日本で起きた未曾有の事態にも自らを奮い立たせ、献身的な活動をされている秋元社長。ガイアの夜明けでも特集を組まれるほど秋元社長の社会問題に取り組む熱い思いは多くの人達を感動させています。 私達、社会起業大学メンバーはそんな社長にお会いでき、直接お話を聞ける機会を大変楽しみにしており、また忙しい中、お時間を作って頂いた社長を初めとするパン・アキモトの社員の皆様に厚く御礼申し上げたいと思います。
早朝、東京からバスを走らせ、パン・アキモトへは10時半ぐらいに到着しました。まず秋元社長にご挨拶をしてから、一同工場見学へと向かいました。私はガイアの夜明けをテレビで見ていたので、テレビに取り上げられるぐらなのだからきっと大きな工場なんだろなと想像をしていましたが、実際はとても小さな(すいません)アットホームな雰囲気が漂う工場でした。従業員は55名ほどと聞いてましたが、皆さんとても生き生きとして、素敵な笑顔で対応してくださる姿がとても印象的でした。私は改めて、仕事の内容は、会社の大きさに関係なく、社員の一人一人の力とそれを結びつける社長のリーダシップなのだと考えさせられました。少し余談になりますが、私が社会起業大学に入って良かったと思う一つに、日本にはこうした中小企業で輝いている会社が沢山あることを知り、そこから多くのこと学ばせてもらう機会を得たことです。そこにいる多くの経営者の方達は皆、人間力があり、人として、正しい生き方をされていて、自分の座標軸をしっかりと持っている方達でした。日本にはまだまだこうした経営者の方々が大勢いることを知り、私達はたくさんの勇気をもらうことができました。
話を工場見学のほうへ戻させて頂きますと、この工場では、日常食べる色々な種類のパン以外に、パンの缶詰めを作っています。後ほどこのパンの缶詰めについては話をしたいと思いますが、このパンの缶詰でパン・アキモトは特許を取り、世界へとマーケットを広げています。この工場ではこの缶詰めに貼るラベルも手作業で作成しており、社員の方達が心を込めて仕事をしているのがわかりました。 この小さな工場から世界中にパンの缶詰が届けられていると思うと感慨深いものがあります。 工場見学を終え、私達は社長の講演を聞くために、場所を公民館の会議室のほうへ移動しました。ここで約1時間ほど、秋元社長より、いかにしてパンの缶詰が生まれまた普及していったのかをお話頂きました。そこには社長の社会貢献活動に寄与したいという熱い思いと、社会性と利益性をいかに上手く両立させ継続させるかのヒントがありました。 秋元社長は平成7年、阪神大震災のときに支援に送ったパンが日持ちがしないため、多くのパンが捨てられてしまったことをきっかけに、長期保存ができ、かつ出来たてのような美味しいパンを作れないかという強い思いから、パンの缶詰が生まれました。缶詰の中でパンを包む紙に特殊加工をすることにより、出来立てのようなやわらかいパンが3年間も保存できるというまさに夢のようなパンの缶詰が出来上がったのです。パン屋さんで特許など私には考えられなかったのですが、秋元社長のパン屋さんという概念を超えたアイデア、創造力はすごいなと思いましたし、それを実現できるまでの努力は並々ならぬものだった思います。 日本以外にも、台湾、アメリカでも特許を取り、ビジネスとしても優位な体制を作りあげることに成功されています。
そして平成21年には「救缶鳥プロジェクト」を立ち上げ、世界中の飢餓に苦しむ人達の救援活動に乗り出しました。簡単に説明すると、お客様に賞味期限が近づいた「パンの缶詰」を新しいものを購入してもらうことを条件にアキモトが下取りして、アキモトが下取りした「パンの缶詰」を食料難の地域に義損物資として届けるとういう保存食のリユースシステムである。このシステムはパンの缶詰を提供する顧客にも次回購入分より値引きがあること、処分費用が発生しないこと、そして飢餓救済に貢献できるというメリットもある。まさに利益と社会性の両立が可能なビジネスモデルとなっている。そして、ここでも私が感じたことは社長の熱い思いと周りの人達を巻き込む共感資本がビジネスモデルと上手くマッチングしているという点である。"アキモトのパンで世界中に元気と笑顔を届けたい"という秋元社長の熱い思いが色々なアイデアとなり、実現し、行動し、沢山の人の共感を得ることで世界へとマーケットを伸ばしてゆく。文字にすると簡単にできそうであるが、実際は経営と社会貢献という両輪を付けての活動は大変な努力の上に成り立つものであると思います。 今回の東日本大震災でも社長は自ら現地に赴き、パンの缶詰を1万缶無料で配布することをやってます。これもきっと社長の思いに共感する人達の熱い思いの表れだと思います。 社長は将来「救缶鳥」を100万缶世界中に届けたいという夢があると目を輝かせて語ってました。息子さんお二人も事業を継承されており、きっとそう遠くない将来、実現できるのではないかと思います。 東京以外での企業訪問は今回が初めてでしたが、個人的にも震災後は遠出をしておらず、那須高原の新緑にも触れることができ、本当に良い経験をさせて頂き、ありがとうございました。
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