インタビュー

CSRを通じて、ビジネスパーソンが社会の中でやりがいと使命感を実感できる社会づくり

山田由美子さん

都内大手企業 CSR推進委員会事務局長
山田由美子(やまだゆみこ)

「仕事」にやりがいと使命感を見いだせない人が増えています。CSRを推進することで「日々の仕事を通じて社会をよくする」働き方や職場、会社を増やしていきたい。ビジネスという手段で、困っている人を助け社会を少しずつでもよくすることができれば、社会も会社もめぐりめぐって自分自身が幸せになれると思うからです。
社会課題・仕事現場や働き手の疲弊、モチベーションの減退
・社会課題の多様化、複雑化
・企業と生活者の距離感
働くひと一人ひとりが原点に立ち帰り、仕事の価値を再発見する。そして生活者視点で社会課題(生活者目線)で仕事をデザインし直そう!

2005年、株式会社野村総合研究所の調べによると、「仕事に無気力感を感じる人」は全体の75%。
「現在の仕事を通じて社会的使命を感じる」と答えた人は30%以下にとどまり、“2010年の経営戦略は働くモチベーション再生”と提言されました。


それでは、2010年以降の現在どうなったでしょうか。
社会起業大学の調べによると、公私を問わず「社会貢献したい」と感じる人が全体の90%に達するのに対し、社会貢献実感のある人は半数以下となりました。

活動内容ボトムアップによる自社のCSR推進

CSRの進め方は、会社によって様々です。その会社の本業、強み、歴史、社風、その会社の置かれている状況などで、様々に違ってきます。私たちの会社では、「ボトムアップ」を大切にしながら、以下のコンセプトでCSRの推進を進めていきます。

○CSRマインドの醸成、一人の意識改革ひとり
  CSRの実践者である一人ひとりの意識改革とCSRマインドの醸成が最も大切と考えています。
  自分の仕事を俯瞰することで、仕事の社会的価値(役割や社会的使命)を再発見すること。
  その上で、社会課題(生活者目線)で仕事を見つめなおすことで、仕事のやり方をより良い方向に変え
  ていくことを目指します。

○全員参加型プロジェクトの推進
  “一人ひとりが主役”を合い言葉に、多くの人が参加できるプロジェクトを推進します。

○コミュニケーション
  社内コミュニケーションを通じてCSRを共有していくこと、社外の方に知っていただく
  ことで独りよがりなCSRに陥らないことを目指します。

活動内容詳細

2010年秋以降に取り組んできたこと。

<ボトムアップによる推進>
1)CSRマインドの醸成
 ・人事研修(新入社員研修や管理職研修)へのCSR研修組み込み
 ・社内勉強会の企画実施  2011年度〜 他社を招いての「他社事例から学ぶCSR」
              2012年度〜 社会課題からCSRを考える勉強会
 ・各部署ごとにヒアリングを実施し、CSR取り組み報告を集約
  →社内表彰とともに外部専門家からの評価の実施。

2)全員参加型の取り組み活動
 ・社内横断的な委員会組織、分科会の設置
 ・全社的プロジェクト「キャリア教育支援プロジェクト(仮称)」立ち上げ
  →プログラム策定から分科会メンバーに関わってもらい、参加社員を増やす
   「@見る」「A体験する」「B聴く 」の3ステップ
  @お仕事の内容が分かる動画を社内制作4本
  A業務フロアの見学、体験は、各部署からの理解と協力で成り立っている
  B現場社員からのお話

仕事について語り、現場を見た子どもたちから「真剣な大人の姿に感動しました」「ありがとう
ございました」などのメッセージをもらうことで、社員のモチベーション向上や仕事の使命感の
気づきにつながる。

3)インターナルコミュニケーション
  進捗フェーズに合わせてコミュニケーションツールを増やしていく。
  イントラネット、ホームページ、フェイスブック、簡易版CSRリポート等を組み合わせて展開。

メッセージ

現在の会社に2009年に入社し、偶然、現在の所属部署に配属されました。事業計画に盛り込まれているものの、CSR推進が手つかずだったため、希望して担当につきました。

2010年10月に社会起業大学に入学した時は、自分がなぜCSRに取り組むのかわからなかったのですが、事業計画を策定する過程で自分自身と向き合いながら理由が見えてきました。前職のITベンチャーで取締役として経営にあたっていましたが、利益に追われ、従業員や人を幸せにすることが出来なかったことがつらく、自分自身も体を壊しました。その後、仕事を通じて人を幸せにする会社をつくりたいと願うようになり、それがCSRと結びついていることがわかりました。

社会起業大学では、講義の中で起業家の方たちから、会社とはどういうものなのかという本質的なことを教えていただき、CSRを推進していく上での基礎となりました。

私のCSR推進は始まったばかりです。10年後を目指して、ボトムアップを大切に、関わる人を大切にしながら、自社らしいCSRを展開していきたいです。